ドイツの首都・ベルリンのティーアガルテン(Großer Tiergarten)を発着とするコースを会場にして、現地時間9月25日にベルリンマラソン2022が実施された。リオ2016とTokyo2020の男子マラソンで2連覇という快挙を成し遂げているエリウド・キプチョゲ(ケニア)が、2:01:09という世界最速タイムを記録して優勝。自身のもつワールドレコード(2:01:39)をちょうど30秒上回るタイムをマークし、自らの脚で自身の記録をふたたび更新するという新たな金字塔を打ち立てた。
世界記録を自ら更新
キプチョゲは、コース前半の5km地点を14:14、10km地点を28:22で通過する好調なペースで走り、マラソン半分の地点を59:50で通過するなど、2時間切りの可能性を見せていた。しかし、そこから僅かではあるが徐々に失速してしまい、25km地点を1:11:08で通過するなど、ペースを落としてしまう。
しかし、他ランナーが次第にオリンピック王者の走りについていけなくなると、孤独に先頭を走るケニアのスーパースター選手は、ペースを維持したままゴール間近の35km地点を1:40:10、40km地点を1:54:53で通過する。この時点で、後続選手とのタイム差は4分以上離れていた。
そして、大観衆が待つゴール前からキプチョゲはふたたびペースを上げ、両手を高く上げながら笑顔でゴールテープを切った。キプチョゲは、2:01:09という世界最速タイムで、4年ぶり4度目のベルリンマラソン優勝を決めた。キプチョゲは、男子マラソンの世界記録保持者で、2018年の同大会で2:01:39という記録を叩き出している。今大会の記録によって、自身がもつ世界記録をちょうど30秒更新することに成功した。
ベルリンマラソン2022男子の表彰台成績は、以下の通り。
- エリウド・キプチョゲ(ケニア) 2:01:09
- マーク・コリール(ケニア) 2:05:58
- タデュ・アバテ(エチオピア) 2:06:28
日本人選手では、其田健也が2:07:14(パーソナルベスト=PB)で7位、丸山竜也が02:07:50(PB)で8位、聞谷賢人が2:07:56で9位と、アフリカ勢に混じって一桁順位に入った。
女子では大会記録も
今大会の女子では、先頭集団6名によるハイペースなレースが展開されたが、最終的にマラソン大会2度目の出場となるティギスト・アセファ(エチオピア)が2位の選手と20秒以上の差をつけてゴールし、かつ大会レコードを2分以上も上回る、2:15:37というタイムを記録して優勝した。また、このタイムは、世界レコード3位の記録にもなった。
ベルリンマラソン2022女子の表彰台成績は、以下の通り。
- ティギスト・アセファ(エチオピア) 2:15:37
- ローズマリー・ワンジル (ケニア) 2:18:00
- ティギスト・アバエチュー(エチオピア) 2:18:03
日本人選手では、加世田梨花がパーソナルベストを6分以上更新する2:21:55というタイムで7位、鈴木亜由子も自己ベストタイムを6分以上更新する2:22:02で8位、さらに佐藤早也伽がパーソナルベストを1分以上更新する2:22:13で9位に入った。
ベルリンマラソンはワールドアスレティクス(WA)が公認するロードレースで、最も高いグレードであるエリートプラチナに認定されている大会のひとつで、2022年は東京マラソン、名古屋ウィメンズマラソンを含む12のマラソン大会がエリートプラチナに認定されている。
歴史あるドイツの首都の美しい街並みを巡るマラソンコースは平坦であることから、これまでにも数々のワールドレコードが記録された高速コースとしても有名だ。
数々の記録が打ち立てたれた今年のベルリンマラソンは、来年の開催についても公式に発表され、2023年は9月24日に行われる予定。