ロンドンマラソン2023┃コースの特徴は?

新型コロナウィルス感染拡大の影響により、3年間の秋開催を経て、2023年のロンドンマラソンが従来の春開催へと戻ってくる。現地時間4月23日に号砲が鳴るイギリスの首都で、日本より唯一エリートカテゴリーから出場する川内優輝は、今大会が初のロンドンマラソン。川内にとって、アボット・ワールドマラソンメジャーズ6大会最後の完走記録がかかるロンドンの42.195kmの特徴を、ここでは紹介しよう。

1 執筆者 オリンピックチャンネル編集部
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(2017 Getty Images)

新型コロナウィルス(COVID-19)の世界的な感染拡大の影響により、2020年から2022年までの3年間はイレギュラーで10月の秋開催となっていたロンドンマラソンが、2023年は従来の4月開催の春へと戻り、前回エディションから僅か6ヶ月の時を経て、現地時間4月23日にふたたび50,000人のランナーを迎えて号砲が鳴らされる。

日本より唯一エリートカテゴリーから出場する川内優輝にとっては、今大会がロンドンマラソン初出場だ。しかも、このロンドンマラソンで川内が完走することができれば、ロンドン、東京、ベルリン、ボストン、シカゴ、ニューヨークのマラソン主要6大会で構成される「アボット・ワールドマラソンメジャーズ(AbbottWMM)」全てをコンプリートすることになる。

そんな川内の快挙にも期待が寄せられるロンドンマラソン2023について、ここではイギリスの首都を巡る42.195kmのコースにスポットライトを当てて紹介しよう。

大会公式サイト: TCS London Marathon 2023

■ロンドンマラソン コースの特徴

ロンドンマラソンが創設されたのは、1981年のこと。今から、40年以上も前に遡る。

ロンドンマラソンが初めて開催されて以来、世界的に有名な観光都市のひとつであるロンドンのマラソンコースに大きな変化はなく、これまでに多くのランナーたちが、イギリスの首都の美しい街並みを走るフラットなコースを競い、その生涯スポーツに挑戦してきた。

ロンドンマラソンのスタート地点は、ロンドン南東部に位置するグリニッジ・パークだ。このパークには、経度0度に位置し、世界各国のタイムゾーンの基準となったグリニッジ天文台があることでも有名だ。スタートから約7kmに及ぶダウンヒルを走ると、視界にはロンドンを象徴するテムズ川が見え、その岸辺にそびえるカティーサークがランナーたちを迎えてくれる。

下り坂の勢いのまま、ここから先はフラットなコースが続くことから、ロンドンマラソンではタイムの記録更新も期待される。テムズ川の地形に沿ったカーブのあるルートを走り、コースのおよそ半分に当たる20km地点を過ぎると、ランナーたちはタワーブリッジを渡り、川の北側へと向かう。

ここで少しアップヒルになり、ウォーターフロントエリアのジグザグの多いコースが続くけれども、歴史と近代が同居するロンドン中心部の景色がランナーたちを魅了する。さらに、体力的にも精神的にもきつくなるコース中間付近では、レインボーカラーのデコレーションや、DJブースからの音楽が聞こえるパーティーゾーンが特別に設置されており、ランナーたちのモチベーションを高めてくれる。

35km地点を超えて、再びタワーブリッジ付近へと戻り、ロンドン塔を左横目に確認すれば、あとはゴールまでの長い直線コースを走り切るだけだ。ロンドン2012でも採用されたこの最後の直線に入ると、沿道に集まった何千人もの人々からの声援がランナーたちの背中を押してくれる。また、フィニッシュライン直前の40km地点を過ぎると、ロンドン・アイ、ビッグ・ベン、ウェストミンスター寺院、国会議事堂(ハウス・オブ・パーラメント)といったロンドンの観光名所が、ランナーたちへ最後の力を振り絞るように励ましてくれる。そして、セント・ジェームズ・パークを抜けて、バッキンガム宮殿の前のコーナーを右に曲がれば、トラファルガー広場まで続く "ザ・モル" という通りに用意されたゴールゲートが待っている。

ロンドンマラソンは、ランナーはもちろんのこと、マラソンをサポートする人たちにとっても、魅力的なマラソン大会なのだ。

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