フィギュアスケートでオリンピック2連覇を果たした羽生結弦さんは、巨大地震によって家を失い、寒さの中で暗闇にいることがどんなに辛いものなのかを身をもって知っている。
9月15日(日)、羽生さんは、2024年1月1日に発生したM7.6の能登半島地震の被災者を支援するために、石川県で開催されるチャリティ演技会~挑戦 チャレンジ~に出演する。
「今まさに辛い思いをされている方々もいらっしゃるので、そういった方々にちょっとでも力になるような、元気になるような演技を届けられたらなと思っています」と、主催のテレビ金沢のインタビューで羽生さんは話した。
2011年3月11日、羽生さんの故郷である宮城県仙台市は、M9.1の巨大地震に見舞われた。後に東日本大震災と呼ばれる震災を引き起こした地震は、大津波と原発事故を引き起こし、東北地方太平洋沖に深刻な災害をもたらした。
自宅を被災した羽生さんは、避難所で数日間を過ごし、練習場のリンクも営業停止となるという経験をした。その後、2018年の平昌冬季オリンピックで連覇を果たした彼は、被災地復興の願いを込め、エキシビションで「ノッテ・ステラータ」を演技した。「ノッテ・ステラータ(星降る夜)」は、羽生さん自身が被災した際、停電の中で見上げた星空に希望の光を感じた経験から用いられている楽曲で、今日もそれをテーマとしたアイスショーが開催されている。
能登半島地震では、360人の命が奪われ(2024年9月5日時点)、石川県を含む9つの県にまたがり多くの住民が被災し、能登半島は壊滅的な被害を受けた。
9月15日のチャリティ演技会は、一般公開はされず、配信映像のみでの観覧となる(詳細はこちら)。また、珠洲市、輪島市、志賀町、七尾市の4か所の施設でライブ配信映像を観覧できる(詳細はこちら)。演技会の収益は、石川県の災害義援金窓口に寄付される。
観客席はないが、羽生さんは、プロスケーターの鈴木明子さん、宮原知子(さとこ)さん、無良崇人(むら・たかひと)さんらと共に、石川県で行われる演技会に出演することには大きな意義があると確信している。
「僕自身は、現地で滑ることに意味をすごく感じています。その土地だからこそできる思いだったりとか、演技だったりとかもきっと存在すると思うので、いろんな思いを込めながら滑れたらいいなと思います」と羽生さんは話す。
「仲間たちとだからこそ出せる希望と、その中で少しでも笑顔だったりとか、その一瞬だけでも元気になってもらえるような演技ができればなと強く思っています」と演技会への願いを込めた。