フリースタイルスキー、2021/2022 注目ポイントは?

新型コロナウィルス感染拡大による1年の中断を経て、フリースタイル注目選手が再びクリスタルグローブ獲得を狙う。10月23日スイス・クールで開催されたビッグエアワールドカップでシーズンが開幕し、オリンピック選考期間が本格的に始動した。ミカエル・キングスベリー、ペリーヌ・ラフォン、アイリーン・グーなど、北京2022までの4か月の熱戦に目が離せない。

文: Sheila Vieira
写真: 2021 Getty Images

2021/2022 FISフリースタイルスキーワールドカップシーズンが、10月22日スイス・クールでスノーボードビッグエアと併催し開幕した。昨年は数十大会がキャンセルとなったが、今シーズンは全日程の開催を予定しており、最終戦は3月26日に同じくスイスのシルヴァプラーナで行われる。

昨シーズンは1度しかワールドカップが開催されなかったこともあり、ハーフパイプのスキーヤーたちが新シーズンを待ちわびていることは、言うまでもない。新型コロナウイルス感染症による厳しい規制で昨年欠場した中国の選手も帰ってくる。全選手が、1年半ぶりにスタンドに戻ってくるバーチャルではない本物のファンの前で、熱いエネルギーを浴びながら最高のパフォーマンスを魅せられる日を心待ちにしている。

スイスのクールで開催された初戦では、17歳のマテイ・スバンチェル(オーストリア)が2本目に99.00のスコアを出してビッグエアで優勝。女子はテス・ルドゥー(フランス)が、同じく高得点の95.25を出し、優勝した。

男子は、9季連続の種目別クリスタルグローブ優勝を誇る29歳のミカエル・キングスベリー(カナダ)が、昨シーズン背中の怪我で欠場し10年ぶりに優勝を逃したが、モーグルの王座を取り戻し通算10勝目をあげるべく、新シーズンに臨む。

女子は、昨シーズン2個のクリスタルグローブを獲得したファニー・スミス(スイス)とルドゥー、中国で大ブレイク中のアイリーン・グー(ハーフパイプ、スロープスタイル、ビッグエア)、そしてモーグルのスペシャリストであるペリーヌ・ラフォン(フランス)が、3月の最終戦まで目の離せない展開をみせるだろう。

ワールドカップは、2022年北京大会フリースタイルスキー(2月3日~19日)開催のため、一時休止する。

北京2020大会情報|フリースタイルスキースケジュール

それではここで、新シーズンに向けて押さえておきたい注目選手を紹介しよう。

FISフリースタイルスキーワールドカップたざわ湖レース2日目:ミカエル・キングスベリー(カナダ)=2019年2月秋田県仙北市
写真: 2019 Getty Images

男子プレビュー:モーグルの王者が帰還

2011年以来、キングスベリーが初めてクリスタルグローブを獲得できなかった昨シーズン。モーグルの全記録保持者であるキングスベリーは、2本の胸椎骨骨折により、3つのワールドカップにしか出場できなかった。しかし、2度のオリンピックメダリストである彼は、2021年3月にカザフスタンのアルマトイで5つ目の世界タイトルを獲得し、怪我からの完全復帰をアピールした。

オリンピック銀メダリストでワールドカップのディフェンディングチャンピオンであるマット・グラハム(オーストラリア)は、再び打倒キングスベリーを狙う。また、前回の世界選手権とワールドカップで準優勝したベンジャミン・カヴェ(フランス)にも注目したい。

男子エアリアルでは、23歳のマキシム・ブロフ(ロシアスキー連盟)が、世界選手権で2度優勝し、昨シーズンは2度目のクリスタルグローブを獲得するなど、絶対的な強さを発揮している。

2度のオリンピック金メダリストでハーフパイプ強豪国アメリカを牽引するデイビッド・ワイズと、過去2年間種目別クリスタルグローブを獲得しているアーロン・ブランクに、平昌2018銅メダリストで2021年の世界チャンピオンであるニコ・ポーテウス(ニュージーランド)が立ちはだかることになるだろう。

ワールドカップディフェンディングチャンピオンのコルビー・スティーブンソン(アメリカ)とアンドリ・ラゲットリ(スイス)は、前回の世界選手権でそれぞれ銀メダルと金メダルを獲得したこともあり、今季が楽しみな存在だ。彼らを追いかけるのは、ノルウェーのフェルディナンド・ダールクリスチャン・ヌメダルオイスタイン・ブラーテンといったところだろう。

2021年にスキークロスとクロスアルプスツアーで2つのクリスタルグローブを獲得したルーキー・オブ・ザ・イヤーのリース・ハワード(カナダ)には、大きな期待が寄せられている。また、今年のスキークロスで世界タイトルを獲得したスイスのベテラン、アレックス・フィバも侮れない。

ビッグエアにおいては、昨年ワールドカップが1つしか開催されなかったため(ノルウェーの21歳ビルク・ルードが優勝)大きなチャンスが広がっている。しかし、2021年の世界チャンピオンであるオリバー・マグヌソン(スウェーデン)は注目すべき存在といえるだろう。

ペリーヌ・ラフォン(フランス)女子モーグル:フリースタイルスキー ワールドカップ=2021年2月ユタ州・パークシティ
写真: 2021 Getty Images

女子プレビュー:大きな期待のかかる、ラフォンとグー

モーグルに関しては、フランスの天才ラフォンを追いかけるシーズンになることは間違えない。22歳の彼女は、3年連続総合優勝クリスタルグローブ獲得後(2021年総合優勝の授与はなかった)今シーズンモーグルで5年連続となる種目別クリスタルグローブ獲得を狙っている。オリンピック金メダリストであり、3度の世界チャンピオンでもあるラフォンは、世界選手権銀メダリストであるユリア・ガリシェバ(カザフスタン)を意識する戦いになるだろう。

ローラ・ピール(オーストラリア)は、世界選手権を制し前回クリスタルグローブ種目別優勝を果たすなど、エアリアルで圧倒的な強さを見せているが、アメリカの世界選手権銀メダリストのアシュリー・コールドウェルや、昨シーズン準優勝したウィンター・ビネツキにも注意が必要だ。

2020年ローザンヌ冬季ユースオリンピックでの躍進(3つのメダル獲得)に続き、10代のスーパースター、グーが、初のクリスタルグローブ獲得を目指してシーズンに挑む。18歳の彼女は、2021年のXゲームでスーパーパイプとスロープスタイルで金メダルを獲得し、2021年の世界選手権ではハーフパイプとスロープスタイルで金メダルを獲得するなど、傑出したパフォーマンスを見せている。

世界選手権で銀メダルを獲得し、昨シーズンクリスタルグローブを獲得したレイチェル・カーカー(カナダ)が、ハーフパイプでグーを追いかけ結果を出してきている。一方、スロープスタイルでのグーの主なライバルは、ワールドカップの前回優勝者のルドゥーをはじめ、スイスのマチルド・グレモー(21)、サラ・ホーフリン(30)などだ。

昨年1試合のみの開催となったビッグエアは、ジュリア・タンノ(スイス)が優勝し、アナスタシア・タタリナ(ロシアスキー連盟)が2021年世界女王となった。スキークロス序盤の優勝候補には、ディフェンディングチャンピオンのスミスと世界チャンピオンのサンドラ・ネスルント(スウェーデン)が挙げられる。

北京2022で初めて開催される新種目のエアリアル混合団体。昨年の世界選手権では、ロシアスキー連盟、スイス、アメリカが表彰台に上がった。バランスのとれた多才なチームであるスイスは、ネーションズカップでのタイトル防衛に期待が持てる。

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2021-2022 FISフリースタイルスキーワールドカップ日程

2021年10月22日 クール (スイス) :ビッグエア
2021年11月20日 スチューバイ (オーストリア) :スロープスタイル
2021年11月27日 シークレットガーデン (中国) :スキークロス
2021年12月2-4、10-11日 ルカ (フィンランド) :モーグル、エアリアル、チームエアリアル
2021年12月4日 スティームボート (アメリカ) :ビッグエア
2021年12月10日 コッパーマウンテン (アメリカ) :ハーフパイプ
2021年12月10-11日 ヴァル・トランス (フランス) :スキークロス、モーグル
2021年12月10-11日 ルカ (フィンランド) :エアリアル
2021年12月11-12日 イドレ (スウェーデン) :モーグル、デュアルモーグル
2021年12月14-15日 アローザ (スイス) :スキークロス、チームスキークロス
2021年12月17-18日 アルプ・デュエズ (フランス) :モーグル、デュアルモーグル
2021年12月19-20日 イニヒェン (イタリア) :スキークロス
2021年12月30日-2022年1月1日 カルガリー (カナダ) :ハーフパイプ
2022年1月5日 ルルレ (カナダ) :エアリアル
2022年1月7-8日 マンモス (アメリカ) :ハーフパイプ、スロープスタイル
2022年1月7-8日 モン・トランブラン (カナダ) :モーグル
2022年1月12-14日 ディアバレー (アメリカ) :モーグル、エアリアル
2022年1月14-15日 ナキスカ (カナダ) :スキークロス
2022年1月16日 フォンロムー (フランス) :スロープスタイル
2022年1月22-23日 イドレ (スウェーデン) :スキークロス
2022年1月23日 キエーザ (イタリア) :モーグル
2022年2月26-27日 ヤロスラヴリ (ロシア) :エアリアル、チームエアリアル
2022年2月26-27日 たざわ湖 (日本) :モーグル、デュアルモーグル
2022年2月26-27日 サニーバレー (ロシア) :スキークロス
2022年3月3-5日 バクリアニ (ジョージア) :スロープスタイル
2022年3月5日 モスクワ (ロシア) :アリアル
2022年3月5-6日 クラスノヤルスク (ロシア) :モーグル、デュアルモーグル
2022年3月10-12日 ティニュ (フランス) :スロープスタイル
2022年3月11-13日 ライターアルム (スイス) :スキークロス
2022年3月12-13日 シンブラク (カザフスタン) :デュアルモーグル、アリアル
2022年3月19日 ヴェイソナ (スイス) :スキークロス
2022年3月19-20日 ムジェーブ (フランス) :モーグル、デュアルモーグル
2022年3月26日 シルヴァプラーナ (スイス):スロープスタイル

*予定は変更されることがあります。

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