スピードスケート日本男子は、活躍が期待された500mで森重航が銅メダルに輝き、バンクーバー2010の長島圭一郎氏、加藤条治氏以来となる表彰台となった。
森重航、安定したコーナーワークで銅メダル獲得
一発勝負の怖さを知った男子500mだった。わずか34秒の戦いはスタートダッシュ、2度のコーナーワーク、最後のストレートにおけるラストスパート、どんな場面においても最高のパフォーマンスを出し切らなければメダル獲得に至らない。
森重は最後からひとつ前の組で登場。最初の100mをきっちり入り、コーナーワークで同走のビクトル・ムシュタコフ(ROC)を追い詰めてインから抜き去ると、最後の直線では粘りを発揮。全体の3位に輝き、銅メダルを獲得した。
メダル候補とされていた新濱立也は森重の後に登場。同じくメダル候補のローラン・デュブルイユ(カナダ)とレースに挑むが、デュブルイユのフライングでスタートのやり直しになると、2回目のスタートでは直後につまずいたことが影響し、35秒12の20位に終わった。村上右磨は得意のスタートが決まらなかったものの、34秒57で8位入賞となっている。
500m以外の短・中距離種目は、1000mで森重が16位、1500mで一戸誠太郎の10位が最高。1000mはメダル圏内まで約1秒、1500mは1秒30と離され、世界とのレベル差を痛感する結果となった。
500mはオリンピック新記録をマークしたガオ・ティンユ(中華人民共和国)が、1000mはトーマス・クロル(オランダ)が金メダルを獲得。1500mはオリンピック記録でキエルド・ナウシュ(オランダ)が連覇を達成した。
マススタートは土屋良輔が積極的なレース運びで6位入賞
長距離における個人種目で入賞には至らなかったものの、日本勢はマススタートで活躍を見せた。10000mにも出場していた土屋良輔は、1回戦から積極的なレース運びを見せ、周回でポイントを稼ぎながら決勝進出。決勝でも集団の前でレースを進め、残り2周から始まったスプリント勝負では後れをとったものの、周回で重ねたポイントが効いて6位入賞。一戸誠太郎も8位に入り、土屋と同時入賞を果たした。
北京2022の長距離はニルス・ファンデルプール(スウェーデン)の独壇場となった。10000mでは世界新記録、5000mではオリンピック新記録で長距離2冠を達成。マススタートでは平昌2018銀メダルのバート・スウィングスが雪辱を果たし、ベルギーに74年ぶりとなる冬季オリンピック金メダルをもたらした。