8月22日〜28日の日程で東京で開催されるBWF世界選手権2022で、世界最高のバドミントン選手たちが表彰台の頂点を目指す。
男子シングルスの**ロウ・キアンユー(シンガポール)、女子シングルスの山口茜、男子ダブルスの保木卓朗**&小林優吾ペア、女子ダブルスの**チェン・チンチェン(陳清晨/中華人民共和国)&ジャ・イーファン(賈一凡)ペア、混合ダブルスのデチャポン・プアヴァラヌクロー&サプシリー・タエラッタナチャイ**(タイ)の5人/組の王者が連覇に挑む。
各種目において接戦になることが予想される今回の世界選手権で、男子シングルスではオリンピック金メダリストの**ビクトル・アクセルセン(デンマーク)は2017年に獲得したタイトルの奪還を目指し、桃田賢斗はホームグラウンドであることを活かし3度目の優勝を狙う。リー・ジージャ**もマレーシア初の世界選手権タイトル獲得を目指し、世界選手権までのトーナメントを厳選し慎重に戦ってきた。
女子シングルスでは、リオ2016オリンピック金メダリストの**カロリナ・マリン(スペイン)が、2021年の東京2020欠場の原因となった怪我からの復帰を目指し、歴史的な4度目の優勝を狙う。マリンは、世界ランキング1位で世界王者である山口、そして東京2020オリンピック金メダリストのチェン・ユーフェイ**(陳雨菲/中華人民共和国)との激しい戦いを繰り広げることになるだろう。
このほか大韓民国の**アン・セヨン**など、目の前に立ちはだかる相手が誰てあろうと倒すことができる可能性を秘めた選手たちの存在を軽視することはできない。
スター選手たちのパフォーマンスを視聴する方法、そしてBWFバドミントン世界選手権2022の日程などを紹介したい。
ビクトル・アクセルセンを倒せる選手はいるか?
現役のオリンピックチャンピオン、ビクトル・アクセルセンは絶好調だ。今シーズンのワールドツアーでは男子シングルスで不戦勝が2度あったものの、コート上で負けたのは1試合だけという、素晴らしいシーズンを送っている。
28歳の彼は、4つのワールドツアータイトル(そのうち2つはスーパー1000)を獲得し、ほぼ無敵の強さを誇っている。また、今年初めには3度目のヨーロッパタイトルを獲得し、トマス杯にはデンマーク代表として出場し、全戦全勝を飾り、同国の準決勝進出に貢献した。
アクセルセンは、1年前にオリンピック金メダルを獲得した東京の地に再び戻ってくる。前回の世界選手権では開幕戦でシンガポールのロウ・キアンユーに敗れて優勝を逃しただけに、今回はリベンジに燃えていることだろう。
桃田賢斗はホームで調子を取り戻せるか?
世界選手権を2度制している桃田賢斗は、交通事故と手術を経て復帰後、完全なカムバックを果たしているとは言えない。彼はワールドツアー8大会で優勝し、2019年にワールドツアーファイナルズのタイトルも獲得したかつての自分を取り戻すことを目指している。
7月のマレーシアオープンで決勝に勝ち進み、バドミントンファンはようやく桃田本来の力を垣間見ることができたが、27歳の彼は決勝でアクセルセンと対戦し、ストレートで敗れ、輝きを失ったかのように見えた。
東京体育館に集うファンの存在を後押しに、果たして桃田はコート上で鋭さを取り戻すことができるだろうか。
リー・ジージャは歴史に名を刻めるか?
1977年の第1回大会以来、マレーシア出身選手は5つの種目で一度も優勝していない。この状況を打破したいと考えているのがリー・ジージャである。
この夏の主な目標は、この大会に出場することだと明言していた24歳の彼は、世界タイトルへの挑戦に集中するため、今シーズンのワールドツアーの数戦、そして直近のコモンウェルスゲームズへの出場を見送り、調子を整えてきた。その成果を確かめるときがすぐそこに近づいている。
若さが経験に勝るのか?
今大会に出場する若手の中で注目すべきは、インドのラクシャ・センだろう。
世界選手権デビュー戦となった2021年のスペイン・ウエルバ大会で銅メダルを獲得したセンは、2度目の大舞台で再び表彰台を狙う。コモンウェルスゲームズの男子シングルスで金メダルを獲得した彼は、自信に満ちた状態で東京にやってくる。20歳のセンは、今シーズン、ドイツオープンの準決勝でビクトル・アクセルセンを破った唯一の選手でもあることを考慮すると、彼が観客を沸かせる存在となることが予想される。
また、タイのクンラブット・ビチットサーンも注目選手のひとり。21歳の彼は世界ジュニア選手権を3度制した選手で、先日ベトナムで開催された東南アジア(SEA)競技大会では男子シングルスで優勝した。まだアクセルセンや桃田に勝利したことはないが、東京で初勝利を挙げる可能性は十分にある。
カロリナ・マリン、歴史的な4度目のタイトル獲得へ
カロリナ・マリンは、2021年に行われた母国での世界選手権への出場を逃した悔しさを晴らしたいと思っていることだろう。
そのためには、4回目の優勝を果たす以外にない。しかし、スペイン出身の彼女は、東京2020と2021年の世界選手権を欠場した原因の前十字靭帯の怪我から回復したばかりで、徐々に競技に復帰しているため、ツアーにレギュラー参戦しているわけではない。
欧州選手権では史上最多の6度目の優勝を果たしたが、国際大会ではインドネシアとマレーシアの両オープンで格下の選手に2回戦で敗れるなど、良い成績を残せていない。
しかし、マリンは調子を上げるタイミングを心得ている。怪我から復帰し、メジャータイトルを獲得できる力をすでに証明しているオリンピックチャンピオンが勝てないと決めつけるのは間違いと言えるだろう。
山口茜は奥原希望の後継者となれるか?
しばらくの間、奥原希望は日本の女子シングルスをリードする選手として活躍してきた。リオ2016で銅メダルを獲得した後、2017年には世界選手権で優勝し、2018年にはユーバー杯で日本の優勝に貢献した。2019年には2度目の世界タイトルにあと1歩のところまで迫ったが、意地を見せたシンドゥ・プサルラ(PV・シンドゥ/インド)に決勝で敗れた(PV・シンドゥは怪我のため今回の世界選手権を欠場)。
東京2020の準々決勝で敗退した失意の後、奥原は多くの大会に出場していない。
その一方で、25歳の山口茜が今シーズンの全英オープンで優勝し、世界ランキング1位に浮上するなど、ツアーで勝利を積み重ねている。
現世界チャンピオンによる力強いパフォーマンスは、日本の女子選手をリードするバトンが、奥原から山口へ渡される瞬間と言えるかもしれない。
チェン・ユーフェイは中国に王冠をもたらせるか?
2011年にワン・イーハン(王儀涵)が表彰台の頂点に立って以来、中華人民共和国の女子シングルス選手はタイトルから遠ざかっている。
かつての中国女子は強豪揃いで、2011年までの成績を振り返ってみると優勝回数は、19大会のうち15回にのぼる。中華人民共和国は、1年前にオリンピック女子シングルスの栄冠を勝ち取った東京で、オリンピック王者による世界選手権のタイトル奪還を期待していることだろう。
彼女の後に続くのは、25歳のへ・ビンジャオ(何冰嬌)と22歳のワン・ジーイー(王志義)で、それぞれ第9シードと第11シードに選ばれている。後者はランキングを上げつつある選手で、今大会はその輝きを放つチャンスになるかもしれない。
世界バドミントン選手権2022の日程:2022年8月22日~28日
45年におよぶ大会の歴史の中で、初めて日本で世界選手権が開催される。会場となるのは東京2020で卓球競技が行われた東京体育館で、競技は8月22日(月)に開始され、決勝戦は8月28日(日)に予定されている。以下すべて日本時間。
- **8月22日(月)**9:00 - 1回戦
- **8月23日(火)**9:00 - 1回戦/2回戦
- **8月24日(水)**9:00 - 2回戦
- **8月25日(木)**10:00 - 3回戦
- **8月26日(金)**10:00 - 準々決勝
- **8月27日(土)**10:00 - 準決勝
- **8月28日(日)**15:00 - 決勝
世界バドミントン選手権2022の観戦方法
この大会は、世界中のさまざまな国や地域のテレビ局やデジタルライブストリーミングの権利者によって放送される。
日本ではテレビ朝日(地上波およびCSテレ朝チャンネル2)が放送を予定している。詳しくは大会ウェブサイトにて。
また会場での観戦については、大会ウェブサイトのチケット情報をチェック!