パリ2024陸上競技観戦ガイド! 注目ポイント・試合日程
8月1日の20km競歩から始まり、大会最終日となる8月11日の女子マラソンで幕を閉じるパリ2024オリンピックの陸上競技。スタッド・ド・フランスをメイン会場に11日間毎日競技が行われ、決勝はすべて現地時間の19時以降に開催、公道で行われるロード競技は4日間とも午前中に開催される。
パリ2024では、ハードルを含む200m~1500mの個人トラック競技において、新しく敗者復活戦が導入され、予選ラウンド1で着順で通過できなかった選手が、準決勝進出をかけて敗者復活ラウンドに参加することが可能となる。また、マラソンでは、1984年のロサンゼルス大会で女子マラソンが導入されて以来、初めて男女のレース順が変更になり、男子が8月10日(土)、女子が翌11日(日)に行われる。
オリンピック競技の中で最も多い男女1810名(48種目)の選手が出場する陸上競技は、各国代表の座をかけて6月30日まで(マラソンのみ5月5日まで)代表選考予選レースが開催されているが、ここでは、陸上競技の日程、実施種目、会場とともに、注目の日本内定選手を紹介する。
陸上日本代表内定の注目選手
やり投げで念願の日本女子選手初となる世界選手権金メダルを獲得し、昨年日本代表にいち早く内定した北口榛花が、東京大会12位からのリベンジをパリで目指す。4月27日に開催されたダイヤモンドリーグ2024では、62m97で今季初優勝を飾り好調を維持しており、メダルの期待がかかる。
マラソンでは、昨年の代表選考レース(MGC)で男女上位2位に入り内定を決めた小山直城、赤﨑暁、鈴木優花、一山麻緒のほか、今年1月、19年ぶりに女子日本記録を2時間18分59秒で塗り替えた前田穂南と、現役選手としてのラストレースとしていた東京大会を6位で終え、2022年2月に現役復帰を宣言した後、MGC3位で男子3人目の代表に内定した大迫傑が、起伏が多くサバイバルレースになるだろう難易度の高いパリのコースに挑む。
東京2020の陸上で唯一メダルを獲得した20km競歩には、今年2月に日本代表選考レースを兼ねた日本選手権で、男子は東京2020銀メダリストの池田向希が2連覇、女子は藤井菜々子が日本歴代2位の1時間27分59秒のタイムで大会連覇を達成し内定を決めたほか、濱西諒、古賀友太、岡田久美子が内定選手リストに名を連ねた。
パリ2024から、男子50km競歩に代わりオリンピック種目に採用される新種目、マラソン競歩混合リレーには、4月21日の世界競歩チーム選手権に出場して銀メダルを獲得した岡田久美子のほか、柳井綾音、川野将虎、髙橋和生が内定した。
110mハードル日本記録保持者で2023年世界選手権5位入賞の泉谷駿介は、ダイヤモンドリーグ2024年開幕戦で参加標準記録を突破し内定を決めており、パリ大会では日本人初の決勝進出に期待がかかる。
※4月29日時点での注目選手情報
今後の代表選考レース
今後行われる主な日本代表選考レースとしては、5月3日に静岡(10000m)、6 月22日~23日に岐阜(混成競技)、6月27日~30日に新潟で開催される日本陸上競技選手権大会で、パリ出場チャンスをかけて選手たちが参加標準記録突破を目指す。また、2023年世界選手権の日本人最上位入賞者である女子5000mの田中希実、10000mの廣中璃梨佳、男子100mのサニブラウン・アブデル・ハキーム、3000m障害の三浦龍司、走高跳の赤松諒一は、6月30日までのオリンピック選考期間中にワールドランキング対象競技会において参加標準記録を突破すると即時内定となるため、5月19日に開催される「セイコーゴールデングランプリ陸上 2024 東京」なども見逃せない戦いとなるだろう。
パリ2024リレー種目の出場権獲得に直結する5月4日~5日の「ナッソー2024世界リレー」では、各種目上位14チームに入るとオリンピック出場枠が獲得できる。日本は、男子4×100mリレー、男子4×400mリレー、女子4×100mリレー、男女混合4×400mリレーの4種目で大会出場を目指し世界の代表チームに挑む。代表選考に関しては日本陸上競技連盟が詳細を発表している。
※オリンピック各国代表の編成に関しては国内オリンピック委員会(NOC)が責任を持っており、パリ2024への選手の参加は、選手が属するNOCがパリ2024代表選手団を選出することにより確定する。
パリ2024オリンピック、陸上の実施種目・日程
※以下すべて現地時間(日本はパリより7時間進んでいる)。日程は変更になる可能性もある
※括弧で会場表記のない種目はすべてスタッド・ド・フランスで開催される
8月1日(木)
- 07:30 男子20km競歩決勝(トロカデロ)
- 09:20 女子20km競歩決勝(トロカデロ)
8月2日(金)
- 10:05 男子十種競技100m
- 10:10 男子ハンマー投予選 - グループA
- 10:15 女子走高跳予選
- 10:35 女子100m予備予選
- 10:55 男子十種競技走幅跳
- 11:05 男子1500m予選
- 11:35 男子ハンマー投予選 - グループB
- 11:50 女子100m予選
- 12:15 男子十種競技砲丸投
- 18:00 男子十種競技走高跳
- 18:10 女子5000m予選
- 18:15 女子三段跳予選
- 18:55 女子円盤投予選 - グループA
- 19:10 混合4×400mリレー予選
- 19:45 女子800m予選
- 20:10 男子砲丸投予選
- 20:20 女子円盤投予選 - グループB
- 20:50 男子十種競技400m
- 21:20 男子10000m決勝
8月3日(土)
- 10:05 男子十種競技110mハードル
- 10:10 男子棒高跳予選
- 10:35 男子100m予備予選
- 10:55 男子十種競技円盤投 - グループA
- 11:10 女子800m敗者復活戦
- 11:45 男子100m予選
- 12:00 男子十種競技円盤投 - グループB
- 13:40 男子十種競技棒高跳
- 19:10 男子十種競技やり投 - グループA
- 19:15 男子1500m敗者復活戦
- 19:35 男子砲丸投決勝
- 19:50 女子100m準決勝
- 20:10 男子十種競技やり投 - グループB
- 20:20 女子三段跳決勝
- 20:55 混合4×400mリレー決勝
- 21:20 女子100m決勝
- 21:45 男子十種競技1500m
8月4日(日)
- 10:05 女子3000m障害予選
- 10:20 女子ハンマー投予選 - グループA
- 10:55 女子200m予選
- 11:00 男子走幅跳予選
- 11:45 女子ハンマー投予選 - グループB
- 11:50 男子110mハードル予選
- 12:35 女子400mハードル予選
- 19:05 男子400m予選
- 19:50 女子走高跳決勝
- 20:00 男子100m準決勝
- 20:30 男子ハンマー投決勝
- 20:40 女子800m準決勝
- 21:15 男子1500m準決勝
- 21:55 男子100m決勝
8月5日(月)
- 10:05 男子400mハードル予選
- 10:10 男子円盤投予選 - グループA
- 10:40 女子棒高跳予選
- 10:50 女子400mハードル敗者復活戦
- 11:20 男子400m敗者復活戦
- 11:35 男子円盤投予選 - グループB
- 11:55 女子400m予選
- 12:50 女子200m敗者復活戦
- 19:00 男子棒高跳決勝
- 19:04 男子3000m障害予選
- 19:55 男子200m予選
- 20:30 女子円盤投決勝
- 20:45 女子200m準決勝
- 21:10 女子5000m決勝
- 21:45 女子800m決勝
8月6日(火)
- 10:05 女子1500m予選
- 10:20 男子やり投予選 - グループA
- 10:50 男子110mハードル敗者復活戦
- 11:15 女子走幅跳予選
- 11:20 女子400m敗者復活戦
- 11:50 男子やり投予選 - グループB
- 12:00 男子400mハードル敗者復活戦
- 12:30 男子200m敗者復活戦
- 19:35 男子400m準決勝
- 20:00 女子ハンマー投決勝
- 20:07 女子400mハードル準決勝
- 20:20 男子走幅跳決勝
- 20:50 男子1500m決勝
- 21:10 女子3000m障害決勝
- 21:40 女子200m決勝
8月7日(水)
- 07:30 男女混合リレー競歩(トロカデロ)
- 10:05 男子走高跳予選
- 10:15 女子100mハードル予選
- 10:25 女子やり投予選 - グループA
- 11:10 男子5000m予選
- 11:50 女子やり投予選 - グループB
- 11:55 男子800m予選
- 12:45 女子1500m敗者復活戦
- 19:00 女子棒高跳決勝
- 19:05 男子110mハードル準決勝
- 19:15 男子三段跳予選
- 19:35 男子400mハードル準決勝
- 20:02 男子200m準決勝
- 20:25 男子円盤投決勝
- 20:45 女子400m準決勝
- 21:20 男子400m決勝
- 21:40 男子3000m障害決勝
8月8日(木)
- 10:05 女子七種競技100mハードル
- 10:25 女子砲丸投予選
- 10:35 女子100mハードル敗者復活戦
- 11:05 女子七種競技走高跳
- 11:10 女子4×100mリレー予選
- 11:35 男子4×100mリレー予選
- 12:00 男子800m敗者復活戦
- 19:35 女子1500m準決勝
- 19:35 女子七種競技砲丸投
- 20:00 女子走幅跳決勝
- 20:25 男子やり投決勝
- 20:30 男子200m決勝
- 20:55 女子七種競技200m
- 21:25 女子400mハードル決勝
- 21:45 男子110mハードル決勝
8月9日(金)
- 10:05 女子七種競技走幅跳
- 10:40 女子4×400mリレー予選
- 11:05 男子4×400mリレー予選
- 11:20 女子七種競技やり投 - グループA
- 11:30 男子800m準決勝
- 12:05 女子100mハードル準決勝
- 12:30 女子七種競技やり投 - グループB
- 19:30 女子4×100mリレー決勝
- 19:40 女子砲丸投決勝
- 19:45 男子4×100mリレー決勝
- 20:00 女子400m決勝
- 20:10 男子三段跳決勝
- 20:15 女子七種競技800m
- 20:55 女子10000m決勝
- 21:45 男子400mハードル決勝
8月10日(土)
- 08:00 男子マラソン決勝(アンヴァリッド)
- 19:10 男子走高跳決勝
- 19:25 男子800m決勝
- 19:40 女子やり投決勝
- 19:45 女子100mハードル決勝
- 20:00 男子5000m決勝
- 20:25 女子1500m決勝
- 21:12 男子4×400mリレー決勝
- 21:22 女子4×400mリレー決勝
8月11日(日)
- 08:00 女子マラソン決勝(アンヴァリッド)
パリ2024オリンピック、陸上の競技会場
スタッド・ド・フランス
フランスのパリ北郊、サン・ドニにあるフランス国内最大のスタジアム「スタッド・ド・フランス」では、陸上競技の競歩とマラソン以外の全種目が開催される。1998年に開催されたFIFAサッカーワールドカップをはじめ、世界陸上やラグビーワールドカップなど、これまで数々の大規模スポーツイベントのホスト会場を務めてきた歴史あるスタジアムが、今回、オリンピック・スタジアムに生まれ変わる。再生可能な資源を使用して、モンド社が大会組織委員会の創造性を反映した紫色の陸上トラックをオーダーメードで手掛けた。7月のオリンピック開幕に間に合うよう現在まさに急ピッチで作業が行われている。
この会場では、7月24日~30日までの間、7人制ラグビーも開催される。
トロカデロ広場
陸上競歩の個人男女と、パリ大会から新種目として追加される競歩混合リレーの会場となる、トロカデロ広場。パリ中心地のエッフェル塔と向かい合う位置にあるトロカデロ広場は、パリ2024開催中、全体にわたって仮設施設が準備され、多くの観客を迎え入れる予定だ。パリの最も象徴的なランドマークのひとつであるこの広場は、自転車ロードレースのスタートとしても使用され、トライアスロン、パラトライアスロン、ロードレース(個人タイムトライアル)、マラソンを応援する観客でにぎわうことになるだろう。
アンヴァリッド
パリ市庁舎をスタートし、ヴェルサイユ宮殿、エッフェル塔、コンコルド広場などの名所を巡った後、陸上マラソン男女のゴールとなるのが、アンヴァリッドだ。パリにあるの最も美しい建造物のひとつ、オテル・デ・ザンヴァリッド(通称アンヴァリッド)がある遊歩道公園で、選手たちは大歓声の中42.195kmのフィナーレを飾る。
この会場はパリ2024期間中、一時的な仮設会場が作られ、アーチェリーとパラアーチェリーの舞台となるほか、自転車ロードレースの個人タイムトライアルのスタート地点となる。