英リバプールで開催中の世界体操競技選手権が最終日を迎えた11月6日、まず種目別・男子跳馬決勝が行われ、予選を7位で通過していた谷川航が7位となった。優勝はアーチュール・ダフチャン。また、続いて行われた女子平均台の決勝に、渡部葉月が出場して優勝、宮田笙子が3位となった。
この日はまず男子跳馬の決勝から行われ、予選を7位で通過した谷川は2番手に登場。男子団体で銀メダル、個人総合で銅メダルを獲得している谷川は、1本目に14.166点、2本目では13.833点で平均13.999点とした。
その後、前回大会の跳馬王者のカルロス・ユーロ(フィリピン)が演技を行い、2本目の着地に少し乱れがあったものの、平均14.950点を記録して暫定1位。そのまま逃げ切るかと思われたが、残り2人となった時点で東京2020の跳馬で銅メダルを獲得したアーチュール・ダフチャン(アルメニア)が平均15.050点を叩き出し、1位に踊り出て、最終的に優勝した。
谷川は「1本目で前に大きく出てしまって、点数が全然出てなかったので、もう1回集中し直そうと思ったが、どこかで集中力が切れていた」と反省点を語ったものの、大会を通じて自分の成長も感じられたとして、前を向いた。
男子の跳馬決勝に続いて行われた女子平均台の決勝では、今大会の個人総合で優勝したブラジルのレベッカ・アンドラーデらとともに、日本から宮田笙子と渡部葉月が出場した。
3番目に登場したアンドラーデが落下するなどして12.733点とするなか、5番目の渡部が落ち着いた演技で着地までしっかり決め、13.600点をマークし、3人を残して暫定1位に。6番目のスカイ・ブレークリー(アメリカ合衆国)、7番目のオウ・ユーシャン(中華人民共和国)が落下するなどして、それぞれ13.300点、13.000点となった。最終演技者の宮田を迎えた時点で、日本勢の金メダルは確定。宮田の得点が13.533点となったことにより、渡部が優勝し、13.566点を記録していたエルサベス・ブラック(カナダ)が2位、宮田が3位となった。
表彰式を終えた渡部は「とても嬉しいです」と笑顔を見せると、「初めての世界選手権、初めての大きな舞台で足が震えました」と素直な思いを語った。決勝では落下する選手も見られる中、渡部は自分のルーティーンをしっかりと決めたことに関して、「自信になった」と口にした。
渡部は当初、補欠として日本代表メンバーに選出されていたが、笠原有彩の負傷により、補欠から繰り上がっていた。
男子跳馬、決勝の結果
- アーチュール・ダフチャン(アルメニア)15.050
- カルロス・ユーロ(フィリピン)14.950
- イーゴリ・ラディビロフ(ウクライナ)14.733
- ガブリエル・ブルタネーテ(ルーマニア)14.533
- カイオ・ソウザ(ブラジル)14.416
- イ・ジュノ(大韓民国)14.316
- 谷川航(日本)13.999
- キム・ハンソル(大韓民国)13.900
女子平均台、決勝の結果
- 渡部葉月(日本)13.600
- エルサベス・ブラック(カナダ)13.566
- 宮田笙子(日本)13.533
- マリーヌ・ボワイエ(フランス)13.300
- スカイ・ブレークリー(アメリカ合衆国)13.300
- オウ・ユーシャン(中華人民共和国)13.000
- ジョーフィア・コヴァチ(ハンガリー)12.733
- レベッカ・アンドラーデ(ブラジル)12.733