パリ2024まで2年:大会での活躍が注目される8人のアスリートたち
2024年7月26日、世界のトップアスリートがパリに一堂に会する。パリ2024オリンピックまで2年となったこの機会に、Olympics.comは次のオリンピックに向け、国際舞台で好成績をおさめている日本の8選手に注目した。
100年ぶりにパリで開催されるオリンピック。この100年間、数多くのアスリートが卓越したパフォーマンスを発揮して競技レベルを引き上げ、世界中のオリンピックファンを魅了してきた。
**パリ2024オリンピック**でも同様に、多くのアスリートたちが積み重ねてきた努力の成果を4年に1度のこの大会にぶつけ、表彰台の頂点を目指す。
パリに至るまでの旅はすでに始まっており、ワールドカップなどの国際大会で好成績を残す選手や、パリで新たに導入される競技で世界トップクラスの存在として知られる選手もいる。2024年のパリ大会を盛り上げてくれることが期待される注目の8人を紹介しよう。
スポーツクライミング、緒方良行
東京2020で初めて実施され、その競技の面白さに多くの人が魅了された、スポーツクライミング。ボルダリング、リード、スピード種目がある中、ボルダリングのワールドカップで2年連続で年間総合優勝を果たしているのが、福岡県出身で現在24歳の緒方良行だ。
パリ2024では東京大会とは種目フォーマットが異なり、ボルダリングとリードの複合種目とスピード種目が予定されている。緒方が複合種目で活躍するには、リードでの実力も必要となってくるが、現在のリード世界ランキングは10位につけており、これからの2年間でその技に磨きをかける。
ブレイキン、湯浅亜実(BガールAmi)
パリ2024で新たに実施されるダンス競技のブレイキン。女子(Bガール)と男子(Bボーイ)の種目が実施され、それぞれでメダリストが確定する。
日本女子は世界トップクラスのブレイカーを2人も擁しており、そのうちのひとりが、BガールAmiの名で知られる湯浅亜実だ。
1998年生まれの湯浅は、10歳のときにブレイキンを開始。10年後の2018年にはRed Bull BC OneのBガール初代チャンピオンに輝き、2019年と2021年の世界選手権の両方で表彰台に立ち(2019年は優勝)、7月初旬に行われたワールドゲームズで優勝した。
湯浅の安定ぶりを見ると、オリンピックの表彰台に最も近いダンサーのひとりと言えるだろう。
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またBガールでもうひとり忘れてはならないのが、1983年に京都で生まれた福島あゆみ。BガールAyumiの名で活動する福島は、2021年の世界選手権で優勝。直近のワールドゲームズでは銅メダルを獲得した。湯浅と並んで日本のトップ2として知られる存在だ。
ブレイキン、半井重幸(BボーイShigekix)
ブレイキン男子では、BボーイShigekixこと半井重幸(なからい・しげゆき)から目が離せない。半井は、2018年に行われたブエノスアイレス・ユースオリンピックのブレイキンで銅メダルを獲得した実力の持ち主。
ユースオリンピックの前年の2017年には、Red Bull BC Oneワールド・ファイナルに最年少(15歳)出場を果たし、準決勝まで勝ち進んだ。2020年には同大会で優勝し、史上最年少(当時)の優勝者となった。
直近のワールドゲームズでは3位。22歳で迎えるパリ2024ではメダル候補と目されている。
スケートボード・ストリート、織田夢海
2021年に行われた東京2020への出場を逃して以来、勝ちにこだわって前進を続けるのが2006年生まれのスケートボードの織田夢海。
数々の国際大会を経験していたものの、ぎりぎりのところで表彰台を逃していた織田だったが、パリ・オリンピック予選の最初大会となった7月のローマ大会では、オリンピックメダリストの**中山楓奈と西矢椛**に次いで3位。これが大きな自信になったのか、同月に行われた世界最高峰プロツアー、ストリートリーグ(SLS)第1戦ではワイルドカード枠で出場し、日本女子唯一の表彰台(2位)。翌週に行われたXゲームズ・カリフォルニア大会でも3位になるなど、その勢いはとどまるところを知らない。
「東京オリンピックは出られなかったので、今年はいろんな国際大会で上位に入ってポイントをゲットして、パリに出れたらいいなと思っています」
17歳で迎えるパリ2024までに国際舞台でさらなる経験を積む。
卓球、戸上隼輔&宇田幸矢
昨年の卓球の世界選手権男子ダブルスで銅メダルを獲得し、同種目の世界ランキングで現在首位を走るのが戸上隼輔&宇田幸矢。
ともに2001年8月生まれの20歳で、ふたりは現在ブンデスリーガに参戦中。戸上は全日本選手権の男子シングルスを2年連続制覇。一方の宇田は2020年の全日本選手権男子シングルを制しており、東京2020で団体銅メダルに貢献した19歳の**張本智和**と並び、これからの卓球界を盛り上げる存在だ。
バドミントン、志田千陽&松山奈未
世界トップクラスの選手を擁する日本バドミントン界において、成長著しいのが女子ダブルスの志田千陽&松山奈未ペア。初めてコンビを組んだのは高校時代で、共に切磋琢磨して技を磨いてきた。
ふたりが世界トップレベルのプレーヤーへと成長したのは2021年。同年秋のインドネシア・マスターズ、インドネシア・オープンで連続優勝を果たすと、ワールドツアーファイナルズでは準優勝。2022年の新しいシーズンが始まってもその勢いは続き、3月の全英オープンで優勝したのをはじめ、今年出場した6大会で3勝を挙げ、7月のマレーシア・マスターズでは準優勝となった。
日本女子ダブルスの中ではトップとなるが、ワールドツアーランキングの女子ダブルスでは現在第3位。世界の頂点を目指し、飛躍を続ける。