東京オリンピックのチケット:価格は?買い方は?オススメ競技は? 無料で手に入れる方法も紹介!
Tokyo 2020(東京五輪)は2020年7月24日(金)に開会式が行われ、8月9日(日)の閉会式でフィナーレを迎える。東京五輪まで「あと1年」を切り、水泳の飛込や競泳などでは出場内定が出され、さまざまなテストイベントが開催されるなど、盛り上がりを見せている。ここでは東京五輪を生で楽しむ方法、チケットの入手やホテルの予約などについて解説する。
■オリンピックチケットはいくら? 価格でわかる人気種目
東京オリンピックの全競技のチケットの価格はこちらで確認することが可能。
4年に一度、しかも自国で開催されるオリンピック。それだけに盛り上がりたいという気持ちはあるものの、どの競技が盛り上がるのか分からないという人もいるはずだ。そこで役に立つのがチケット価格だ。オリンピックの観戦チケットは席種だけでなく、競技ごとにも差が付けられている。スタジアムの大きさや日程なども考慮されているが、チケットの値段が高いほど注目されている、人気の種目だと考えて間違いはない。
開会式(A席30万円)と閉会式(A席22万円)を除き、最も高額となっているのが、陸上競技の午後決勝A席13万円だ。新国立競技場(オリンピックスタジアム)で行われる陸上競技は、種目によってチケットの値段が異なっているが、13万円の値が付いているのは、以下のいずれかが含まれるセッションとなっている。
- 男子100メートル決勝
- 男子4x100メートルリレー決勝
- 女子4x100メートルリレー決勝
- 男子4x400メートルリレー決勝
- 女子4x400メートルリレー決勝
ただし陸上競技は、全てが人気種目と言える。上記以外の午後決勝A席は6万7500円で、午前決勝でもA席2万5000円。女子マラソン決勝を観戦できる午前決勝A席は3万円となっている。そのほか、さいたまスーパーアリーナで行われる男子バスケットボール決勝はA席が10万8000円、東京アクアティクスセンターで行われる水泳・男女競泳決勝も、A席は10万8000円となっている。バスケットボールに関しては、会場の大きさ、海外ファンの多さも影響しているだろう。
また、日本人選手が優勝候補の競技も、チケットは軒並み高額だ。有明体操競技場で行われる体操競技決勝は7万2000円、日本武道館で行われる柔道決勝、有明テニスの森で行われるテニス決勝は5万4000円、武蔵野の森総合スポーツプラザで行われる男女バドミントン決勝、幕張メッセで行われるレスリング決勝は4万5000円となっている。日本優勝候補の野球も、横浜スタジアムで行われる決勝は6万7500円。これは、世界的に人気のある男子サッカー決勝(横浜国際総合競技場)と同額だ。(いずれもA席の値段)
2019年秋に行われる第2次抽選販売では、ここで挙げた競技のチケット争奪が最激戦となるだろう。
■コストパフォーマンス的に狙い目のメダル決定戦
メダル決定戦のA席は全て1万円を超える高額というイメージがあるが、実際には1万円未満で決勝A席を購入できる競技も多い。どの競技でも、メダルが決定する瞬間にはドラマがあるもの。ここでは1万円未満で購入できるメダル決定戦をピックアップする。
まずは男子マラソン決勝。これは陸上競技の決勝にもかかわらずA席を6000円で購入できる。男子マラソン決勝が開催されるのは最終日。ほかの陸上競技は前日までに終了しているため、男子マラソンのみの観戦となるが、スタートとゴールの瞬間やメダル授与式を1万円未満で観戦できるのはお値打ちだ。
チケットが販売される中で最も安価なのは、釣ヶ崎海岸サーフィンビーチで開催されるサーフィンの3000円となっている。ただし、サーフィンの競技日程は7月26日から8月2日までの、いずれかの4日間。競技が行われない場合でも、当日のチケットでオリンピックサーフィンフェスティバルゾーン(仮称)を観覧できるため、競技が中止になっても払い戻しはされない。次に安いのは陸上自衛隊朝霞訓練場で行われるクレー射撃、ライフル&ピストルの決勝で4000円となっている。
伊豆MTBコースで開催される自転車競技(マウンテンバイク)は5000円。お台場海浜公園で開催されるマラソンスイミング、富士スピードウェイで開催される自転車競技(ロード)、江の島ヨットハーバーで行われるセーリング、陸上自衛隊朝霞訓練場で行われるライフル&ピストル決勝が5500円となっている。(いずれもA席の値段)
第1次抽選販売と同様に、第2次抽選販売も高倍率になることが予想される。そのため、いくつかのチケットが落選することを前提に、コストパフォーマンスの良いチケットを数多く狙うという戦略もありだと言える。ただし、これらの競技は東京都心から遠くの会場で行われる、あるいはマラソンと同じようにスタートとゴール地点だけという場合もあるので、値段だけに惑わされないように注意する必要がある。加えて「塵も積もれば山となる」というが、申し込んだチケットの全て、あるいは大半が当選する可能性も考慮する必要がある。第2次抽選販売の詳細は発表されていないが、第1次抽選販売と同じく、当選したチケットの全額を一括で支払うことが求められる。また、各種信販カードはVISA、VISA提携カードのみしか使えない。さらに「TOKYO 2020 ID」登録者本人のカードのみしか使えないことにも留意が必要だ。なお、クレジットカードは「後払い」となるが、VISAデビットカードやVISAプリペイドは、即時払いのみとなる。
■チケットをお得に手に入れる方法
東京五輪チケットの入手は、公式チケット販売サイト、あるいは旅行会社のオフィシャルツアーだけでなく、もう1つ、プレゼント応募という方法がある。商品を購入するなど、決してハードは低くないが、チェックしてみることをオススメする。
■オリンピックのチケット販売スケジュール
東京五輪が開催されるのは、これから1年先のこと。いまから来年のスケジュールを立てられない人も多いはずだ。スケジュールがハッキリする大会直前、あるいは競技観戦当日にチケットを買えることが理想だが、こと人気競技に関しては、事前に行われる抽選販売から入手を試みておく必要がある。
東京五輪のチケットが最初に販売されたのは、開会式の1年以上前に行われた第1次抽選販売だ。これは2019年5月9日から29日まで申し込みの受け付けが行われ、6月20日に抽選結果が発表された。SNSには芸能人を含め、当落結果に一喜一憂する投稿が行われたが、その多くは「落選報告」だった。実際、東京五輪大会組織委員会の発表によれば、約512万人が第1次抽選販売に申し込み、1枚でも当選した人は約96万人。その倍率は約5.3倍。当然、開会式や閉会式、陸上100メートル決勝やサッカー決勝などの人気競技は、それ以上の倍率となったはずだ。
第1次抽選販売の後、2019年秋に行われる第2次抽選販売が“次の機会”となるはずだったが、大会組織委員会は急きょ、第1次抽選の追加抽選販売を決定。これは第1次抽選で、チケットが1枚も当選しなかった約416万人を対象としている。この約416万人には、第1次抽選に参加しなかった人は含まれない。これは重要なポイントと考えるべきだ。第2次抽選販売に関する詳細は発表されていないが、もしも第2次抽選販売後にも追加抽選販売がされた場合、やはり第2次抽選販売に参加していることを条件とする可能性がある。後述するが、当選した競技が観戦できなくなった場合でも、知り合いへの譲渡やリセールなどの手段が用意されている。そのため、来年のスケジュールを立てられない人でも、おおよその目当てを付け、第2次抽選販売に参加した方が良いだろう。
第2次抽選販売の後は、2020年春に公式チケット販売サイトおよび公式チケット販売所(都内に設置予定)で先着販売される予定となっている。
■第1次抽選の追加抽選販売、狙い目と注意点は?
第1次抽選の追加抽選販売は、第1次抽選のいわば“敗者復活戦”となる。対象となる約416万人に対し、販売されるチケットは約68万枚。仮に全員が申し込んだ場合、その倍率は約6.1倍となり、第1次抽選販売を上回ることになる。開会式や閉会式、一部の人気種目決勝などは含まれないものの、第1次抽選の“残り物”というわけではなく、注目競技のメダル決定戦も含まれている。主なメダル決定戦は以下の通り。
- 陸上男子マラソン
- 男子1万メートル決勝
- 男子3000メートル障害、女子5000メートル決勝
- 野球3位決定戦
- フェンシング女子エペ団体決勝・3位決定戦
- サッカー女子3位決定戦
- ホッケー男女3位決定戦
- ラグビー女子決勝・3位決定戦
- ビーチバレー男子決勝・3位決定戦
- 水泳飛込(3メートル シンクロ飛板飛込)
第1次抽選の追加抽選販売では、こうしたメダル決定戦を狙うことをオススメしたい。逆に、あえて当選確率が高そうな競技を狙うことは避けた方が良い。一度落選しているため、確実な当選を求めがちだが、本当にその競技を見たいのか、慎重に考えるべきだ。知り合いへの譲渡やリセールなどの手段は用意されているものの、知り合いも興味のない競技は観戦したいと思わないだろうし、リセールも購入希望者がいなければ成立しない。観戦することではなく、当選することが目的になっていないか、注意する必要がある。
第1次抽選の追加抽選販売は8月8日(木)にスタート。19日(月)11時59分まで受け付け。抽選結果は9月11日(水)に発表され、2019年9月11日(水)から24日(火)23時59分までに購入手続きを行う必要がある。
■観戦チケット&会場周辺のホテルを予約する方法
首都圏在住の人ならば、チケットの購入・入手することだけを考えれば良いが、それ以外の人は、宿の確保も行わなければならない。しかし、多くのホテルが予約の開始時期が未定、あるいは個人での予約を受け付けないとしている。チケットが購入できても宿泊施設の予約ができないのでは不安だ。そうした場合にオススメなのが、オフィシャルパートナー(旅行会社)が販売する、観戦チケットと宿泊をセットにしたツアーだ。
旅行会社のオフィシャルパートナーは3社。近畿日本ツーリスト、JTB、東武トップツアーズとなっている。この中でJTBは8月15日でエントリーの締め切りを終了。近畿日本ツーリストは9月6日まで、東武トップツアーズは8月23日まで、抽選販売の受け付けを行っている。
現時点で観戦したいチケットが確保できていない場合は、第2次抽選販売の前に、オフィシャルパートナーによる観戦ツアー申し込みも選択肢に入れると良いだろう。
■チケットを購入できたが観戦できなくなった場合は?
東京五輪のチケットは全て公式チケット販売サイト、あるいは2020年春以降、都内に設置される公式チケット販売所で販売される。これはオークションサイトなどでの取引を禁止するという意味で、こうした方法で入手したチケットは無効となり、会場へ入場できなくなると注意喚起されている。
しかし、チケットが販売されるのは1年前。なんらかの予定が入り、観戦できなくなるリスクは当然存在する。そうしたリスクを考慮し、救済措置が用意されている。まず、公式チケット販売サイトでは来場者の名義変更が可能。これにより、家族や友人にチケットを譲ることが可能となる。ただし、こうした場合でも、チケットの券面額を超えた金銭や利益は受領できない。
または「公式リセールサービス」も用意している。公式チケット販売サイトを通じて転売を行うサービスで、リセール価格は原則定価。リセールが成立した場合は、リセール出品者が成約手数料(未定)を負担することになるが、チケット購入価格が戻ることになる。ただし、チケット購入希望者がいなければ、リセールは成立しない。公式リセールサービスは、チケットの最終販売と同じく、2020年春の開始を予定している。