フィギュアGPスケートカナダ男子:羽生結弦がフリーでも貫禄の圧勝、出場4度目にして大会初優勝

1 執筆者 小川秀彦
4度目の出場にして初のスケートカナダ優勝を果たした羽生結弦

現地時間10月26日に行われたフィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ「ISUグランプリ・スケートカナダ」(ブリティッシュコロンビア州ケロウナ)の男子フリースケーティングが行われ、羽生結弦が4回転ジャンプ4本を含む圧巻の演技で世界最高得点に迫り、初の大会優勝を遂げた。

ショートプログラム(SP)で首位だった羽生は、冒頭の4回転ループがやや崩れたものの、4回転サルコウを決めると3回転ルッツを挟んでから4回転ト-ループも着氷。後半には4回転トーループからオイラー、3回転フリップの連続ジャンプも華麗に決めて、その後の3回転ジャンプもすべて成功させた。

圧巻のフリー演技は212.99点、計322.59点となり、過去3大会で準優勝だった羽生にとって初のスケートカナダ制覇となった。フリー、合計点ともに自己最高記録となり、合計点はライバルのネイサン・チェンが3月の世界選手権で出した世界最高点の323.42点に0.83点差まで迫った。

演技直後の表彰台では満面の笑みを浮かべた羽生は、記者会見では冷静な顔に戻り、「(今日のフリーは)30から20%くらい」の出来だとした。とくに冒頭で崩れた4回転ループの出来について悔いた。それでも「今できることの演技の質は達成できた」と話し、“4度目の正直”となる初のカナダ杯優勝を喜んだ。

次戦となる11月のNHK杯、そしてGPファイナル出場に向けては「4回転アクセル、場合によっては4回転ルッツも加えたいと思うかも。高いレベルに到達したい」と意気込む。

また、SP5位だった田中刑事は予定していたジャンプコンビネーションでミスや回転数減があったものの、4回転サルコウを2本決めるなど健闘。同169.91点、合計250.02点で銅メダルを獲得した。

2位は地元カナダのナム・グエンで、同178・69点、合計262・77点だった。

もっと見る