ウサイン・ボルト氏、リオ五輪金の秘話明かす…ライバルの言葉に奮起

1 執筆者 渡辺文重
ガトリン(左)を抑え、リオ五輪100mで金メダルを獲得したボルト氏(中央)

スポーツブランドPUMAは4月24日、陸上短距離のオリンピック金メダリスト、ウサイン・ボルト氏によるトークショーをInstagram(インスタグラム)で配信。ボルト氏は引退後の生活を語ったほか、2021年のTokyo 2020(東京五輪)を目指すアスリートへエールを送る。

「引退して3年が経った。時間だけが流れているような感覚だ。でも引退生活は悪くない。この時間を楽しんでいるからね。特にトラックに戻って、アスリートたちが走っているのを見るとそう感じる。時計を片手に走るのを見て『さあ、走れ』と言うんだ」

世界陸上2017ロンドンを最後に現役引退をしたボルト氏は、現在の生活について、このように語った。“人類史上最速のスプリンター”と呼ばれ、2008年の北京五輪、2012年のロンドン五輪の100メートル走、200m走で金メダルを獲得したボルト氏だが、2016年のリオデジャネイロ五輪は「私にとって最も挑戦的なシーズンの1つだった」と振り返る。

「自分のモチベーションを上げようとしたが、それはとても苦しいものだった。すでに現役を引退していた友人のジョン・ステフェンセン(オーストラリア)と、この話題について2時間も話をしたんだ。『ジョン、君はどのように乗り越えたんだい?自分が本当にやりたくないと感じていることを、どうやって続けてきたんだ』と尋ねると、彼は『大変だったけど、決意して何かやる気を起こさせるものを探すんだ』と答えた。私は、ジャスティン・ガトリン(アメリカ合衆国)のビデオを見つけて、それを心の支えにした。ビデオの中でジャスティンはリオデジャネイロ五輪で勝てるかと聞かれて、こう答えた。『もちろん。オリンピックで勝てたらツアーに出るんだ。首に金メダルをかけてね』。その言葉が、私を奮い立たせた。『ジャスティンにに負けるわけにはいかない。この8年間頑張ってきたんだ』ってね」

ボルト氏はリオデジャネイロ五輪の100mと200mでも、金メダルを獲得している。

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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大により、2020年に開催される予定だった東京五輪は、1年程度延期されることが決まった。ボルト氏は「私にとってはただ健康でいること。それが重要なことだ」と語る。そして「シーズンが再開されればアスリートたちは万全だと思う。オリンピックに関して全てのアスリートは、ほかの何よりも集中しているはずだ。だから、心配いらないよ。ただし、体を動かし続けることは大切だ。怠けてはいけない」と続けた。

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