オリンピック2連覇を果たした羽生結弦は、北京2022での3連覇挑戦はまだ考えていないと明かした。
Olympic Channelの独占インタビューに応じた羽生は、今シーズンはケガをしないことを重視していくと語った。
「ケガを完全に治し、絶対に悪化させないことが大事だとアドバイスされている。その上で4回転などのジャンプやその他のテクニックを磨いていきたい」。羽生はこう述べた。
23歳の羽生は足首のケガのため平昌2018を最後に実戦から遠ざかっていたが、オークビルで行われたスケートカナダ・オータムクラシックで復帰し、さっそくタイトルを手にした。
スケートリンクを離れていた「暗黒の時期」について、羽生はこう述べている。
「滑っている時が生きていて一番楽しいと心から感じた。だから自分にとって、とても難しい時期だった」
羽生の独占インタビューは以下で視聴可能:
羽生はフリースケーティングを2位で終えながらも逃げ切りでオータムクラシックを制した。
平昌2018で男子シングルスを2連覇した日本のスターは金曜日のショートプログラムを終えてトップに立ったものの、自分に「失望した」と語っていた。
そして迎えたフリースケーティングの出来も、完璧からはほど遠かった。
エフゲニー・プルシェンコが2003-04シーズンに使用した「ニジンスキーに捧ぐ」をアレンジしたエドウィン・マートン作曲の「Origin」でスケートを披露した23歳は、この楽曲の芸術的な解釈で観客を魅了した。
羽生は最初の4回転ループが安定せず、次の4回転トウループを成功させたものの、4回転サルコウで転倒。その後のトリプルトウループも2回転にとどまった。
それでもトリプルアクセルでどうにか着氷し、165.91ポイントをマーク。合計263.65ポイントで優勝を飾った。
金曜日の時点でも、羽生は自身のパフォーマンスに納得していなかった。
「体がまだこのプログラムについていっていない感じがする。これがまだ自分の実力。次戦に向けてがんばっていきたい」 - 羽生結弦
フリースケーティングで最高点を記録したのは、同じトロントのクリケットクラブでブライアン・オーサーに師事し、羽生のトレーニングパートナーを務める韓国のチャ・ジュンファンだった。
この16歳の新鋭は「ロメオとジュリエット」に乗せ、2種類の4回転ジャンプを含む演技を披露。169.22ポイントを積み上げ、合計259.78ポイントで総合2位となった。
3位に入ったのは地元カナダのロマン・サドフスキー。アメリカのジェイソン・ブラウンはフリープログラムで精彩を欠き、4位に後退した。
新たなスタート
羽生にとっては2018-19シーズンが始まっただけに過ぎない。
11月2日からは中国のジン・ボーヤンなどライバルたちと共に、フィンランドの首都ヘルシンキでISUグランプリシリーズに出場。
その2週間後には、日本の友野一希と共にモスクワでのロステレコムカップに臨む。
羽生がフィギュアスケート男子の頂点に君臨し続けるには、ジャンプの完成度を高める必要があるだろう。