日本バレーボール協会(JVA)は11月25日、次回夏のオリンピックとなるロサンゼルス2028の出場を目指すバレー男子日本代表の新監督について、東京2020でフランス代表を金メダルに導いたフランス出身のロラン・ティリ氏(写真上)の就任が内定したと発表した。
1963年12月1日生まれのティリ氏は、1982年から1995年までフランス代表チームのウィングスパイカーとして活躍し、ソウル1998とバルセロナ1992で、オリンピック2大会連続出場の経験をもつ。
現役引退後は、各国リーグや代表チームの監督として手腕を発揮し、2001年から2012年まで監督を務めたフランスのASカンヌでは、国内リーグと国内カップでのタイトル獲得に貢献。2005年から2006年まではチェコ共和国男子代表チームの監督も兼任した。さらに、2012年にはフランス男子代表チームの監督に就任し、2015年のヨーロッパ選手権での優勝をはじめ、リオ2016オリンピック出場、そして2021年に開催された東京2020では、フランス初となるオリンピック金メダル獲得へと導いた。
2020年から大阪ブルテオン(旧:パナソニックパンサーズ)で監督として指揮を執っているティル氏は、Vリーグを経て今季より新たに始まったSVリーグへの再編成を経験しながら、多くの日本人プレーヤーとすでにリレーションを構築している点からみても、4年後のロサンゼルス2028に向けて新生・男子日本代表チームをビルドアップしていく上で大きなアドバンテージをもたらすことが期待される。
今回の発表にあたり、JVAを通じて寄せられたティリ新監督と川合俊一会長のコメントは、以下の通り。
ロラン・ティリ新監督「明るい未来が待っています」
「バレーボール男子日本代表チームの次期監督に就任する機会を与えてくださった川合会長をはじめ選考委員の皆さまに感謝申し上げます。とても光栄に思うとともに、日本バレーボール協会のプロジェクトと野望に大きな責任を感じています。すべての人にとって大きな挑戦であり、簡単なことではありませんが、優秀で経験豊富な選手、スタッフ、マネージャーたちのサポートがあれば、明るい未来が待っています。私たちならできると信じています。日本代表チームの力、強さ、経験、その価値観や資質を信頼し、私ならではの価値、国際大会やオリンピックでの経験も取り入れていきたいと思います。5年間にわたりヘッドコーチとして信頼とサポートをしてくれた大阪ブルテオンには心から感謝申し上げます。皆さま、本当にありがとうございます。新たな冒険の始まりが待ち遠しいです」
川合俊一JVA会長「日本代表の力をさらに引き上げてくれる」
「素晴らしい実績と確かな指導力を持つロラン・ティリ氏に男子日本代表チームの監督を引き受けていただけることになり感謝いたします。ティリ氏は長年フランス代表チームを率い、2015年、17年ワールドリーグ優勝、東京2020オリンピックではフランスに初の金メダルをもたらしました。日本のクラブチームでも指揮を執り、常に優勝争いをする実力あるチームを作り上げてきました。日本の選手やチームの特徴、文化への深い理解が、日本代表の力をさらに引き上げてくれると期待しています。パリ2024オリンピックで成し遂げられなかったメダル獲得という目標に向かい、ともに進んでまいります」