2022年3月に「もう一度、東京がひとつになる日。」をキャッチフレーズに東京マラソン2021が行われてから1年。今度は少しずつでも前へ進もうという「ONE STEP AHEAD」のメッセージのもと、2023年3月5日に東京マラソン2023が行われる。
初めて開催された2007年から16年。16回目となる今回の大会を前に、改めて東京マラソンの歩みや歴代の優勝者、パリ2024オリンピックへの道など、気になる情報をまとめた。
東京マラソンとは?
東京マラソンが初めて開催されたのは2007年。世界各地で行われている一般参加型の大規模なシティマラソンの開催を目指して2004年から協議が進められ、2007年2月18日に初めて開催された。
2007年大会では、エリート選手および一般選手、車いす選手などおよそ3万人が出走したが、申込者数はその3倍の9万人に到達。翌年の大会では申込者数が15万人超、2009年大会には26万超となり、人気のイベントに成長した。
2012年にはアボット・ワールドマラソンメジャーズ(AbbottWMM)に加入。ボストン、ロンドン、ベルリン、シカゴ、ニューヨークシティに続く6つ目のメジャー大会となると、2013年大会以降は30万人以上が申し込みを行う大人気のイベントへと発展した。
2020年大会と2022年に開催された2021年大会では、コロナ禍に見舞われたことから一般ランナーの参加なしで実施された。まもなくスタートの号砲が鳴らされる東京マラソン2023は、3年ぶりに一般ランナーも出場する。
東京マラソンで樹立された日本記録は?
東京マラソンのコースはゴール地点が変更となった2017年の大会から高速コースとなり、以来、男子マラソンの日本記録が2度この大会で更新されている。
まず最初が2018年大会の設楽悠太。設楽は2時間06分11秒を叩き出して日本人トップの2位となり、日本記録を16年ぶりに塗り替えた。
その2年後の2020年大会では、大迫傑が2時間05分29秒を記録し、日本記録を更新した。
一方、昨年の大会では東京オリンピック金メダリストのエリウド・キプチョゲ(ケニア)が優勝し、国内レース最高記録の2時間02分40秒をマークした。
また、一山麻緒と鈴木健吾が夫婦そろって日本勢トップとなり、夫婦合計タイムを4時間26分30秒としてギネス世界記録(夫婦あわせたマラソン最速記録)に認定された。
東京マラソンの歴代の優勝選手は?
これまれに15回開催されてきた東京マラソンの男子と女子の優勝選手と日本勢トップ選手は以下の通り。
男子
- 2007年 ダニエル・ジェンガ(ケニア)2時間09分45秒 日本勢トップは2位の佐藤智之 2時間11分22秒
- 2008年 ビクトル・ロスリン(スイス)2時間07分23秒 日本勢トップは2位の藤原新 2時間08分40秒
- 2009年 サリム・キプサング(ケニア)2時間10分27秒 日本勢トップは2位の前田和浩 2時間11分01秒
- 2010年 藤原正和(日本)2時間12分19秒
- 2011年 ハイル・メコネン(エチオピア)2時間07分35秒 日本勢トップは3位の川内優輝 2時間08分37秒
- 2012年 マイケル・キピエゴ(ケニア)2時間07分37秒 日本勢トップは2位の藤原新 2時間07分48秒
- 2013年 デニス・キメット(ケニア)2時間06分50秒 日本勢トップは4位の前田和浩 2時間08分00秒
- 2014年 ディクソン・チュンバ(ケニア)2時間05分42秒 日本勢トップは8位の松村康平 2時間08分09秒
- 2015年 エンデショー・ネゲセ(エチオピア)2時間06分00秒 日本勢トップは7位の今井正人 2時間07分39秒
- 2016年 フェイサ・リレサ(エチオピア)2時間06分56秒 日本勢トップは8位の高宮祐樹 2時間10分57秒
- 2017年 ウィルソン・キプサング・キプロティチ(ケニア)2時間03分58秒 日本勢トップは8位の井上大仁 2時間08分22秒
- 2018年 ディクソン・チュンバ(ケニア)2時間5分30秒 日本勢トップは2位の設楽悠太 2時間06分11秒
- 2019年 ビルハヌ・レゲセ(エチオピア)2時間04分48秒 日本勢トップは5位の堀尾謙介 2時間10分21秒
- 2020年 ビルハヌ・レゲセ(エチオピア)2時間04分15秒 日本勢トップは4位の大迫傑 2時間05分29秒
- 2022年(2021年大会)エリウド・キプチョゲ(ケニア)2時間02分40秒 日本勢トップは4位の鈴木健吾 2時間05分28秒
女子
- 2007年 新谷仁美(日本) 2時間31分01秒
- 2008年 クラウディア・ドレハー(ドイツ)2時間35分35秒 日本勢トップは2位の水谷理紗 2時間48分59秒
- 2009年 那須川瑞穂(日本)2時間25分38秒
- 2010年 アレフティナ・ビクティミロワ(ロシア)2時間34分39秒 日本勢トップは4位の河野真己 2時間39分01秒
- 2011年 樋口紀子(日本)2時間28分49秒
- 2012年 アツェデ・ハブタム(エチオピア)2時間25分28秒 日本勢トップは4位の大久保絵里 2時間26分08秒
- 2013年 アベル・ケベデ(エチオピア)2時間25分34秒 日本勢トップは5位の尾崎好美 2時間28分30秒
- 2014年 ティルフィ・ツェガエ(エチオピア)2時間22分23秒 日本勢トップは7位の伊藤舞 2時間28分36秒
- 2015年 ベルハネ・ディババ(エチオピア)2時間23分15秒 日本勢トップは7位の扇まどか 2時間30分25秒
- 2016年 ヘラー・キプロプ(ケニア)2時間21分27秒 日本勢トップは10位の奥野有紀子 2時間31分17秒
- 2017年 サラ・チェプチルチル(ケニア)2時間19分47秒 日本勢トップは4位の藤本彩夏 2時間27分08秒
- 2018年 ベルハネ・ディババ(エチオピア)2時間19分51秒 日本勢トップは6位の吉冨博子 2時間30分16秒
- 2019年 ルティ・アガ(エチオピア)2時間20分40秒 日本勢トップは7位の一山麻緒 2時間24分33秒
- 2020年 ロナー・チェムタイサルピーター (イスラエル)2時間17分45秒 日本勢トップは10位の山口遥 2時間30分31秒
- 2022年(2021年大会)ブリジット・コスゲイ(ケニア)2時間16分02秒 日本勢トップは6位の一山麻緒 2時間21分02秒
東京マラソンはパリ2024オリンピックにつながる?
パリ2024オリンピックに向けては、マラソン日本代表選手選考レースとして、2023年10月15日にマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)が予定されている。
ある程度の選手がすでにMGC出場権を獲得しているが、東京マラソン2023でも結果に応じてMGC出場権が与えられる。男子は日本人1位〜3位で2時間10分00秒以内、日本人4位〜6位で2時間09分00秒以内の選手がMGC出場権を手にする。また2時間08分00秒以内の選手にもワイルドカードが与えられる。
一方、女子の条件は、日本人1位〜3位で2時間28分00秒以内、日本人4位〜6位で2時間27分00秒以内。2時間24分00秒以内にもワイルドカードが与えられる。
このほかの条件など詳しくは、MGCのウェブサイトにて。
東京マラソン2024はいつ?
次の大会として、東京マラソン2024が2024年3月3日(日)に開催予定となっている。