森秋彩4位!決勝リードでトップに立つも、ボルダーからの挽回ならず/パリ2024スポーツクライミング複合

執筆者 Risa Bellino
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写真: 2024 Getty Images

8月5日から競技が始まったパリ2024オリンピックスポーツクライミングが、8月10日のボルダー&リード複合種目女子決勝でフィナーレを迎えた。

選考を勝ち抜いた20人が出場した準決勝で、東京2020銀メダリストの野中生萌(みほう)が全体9位で決勝進出を逃す中、初出場の20歳、森秋彩(あい)が4位に入り、上位8人による決勝に駒を進めた。

決勝では、ボルダー&リード共に圧倒的な強さを発揮したヤンヤ・ガンブレット(スロベニア)が2連覇を達成。東京2020複合5位のラバトウ・ブルック(アメリカ合衆国)もボルダーからガンブレットに続く高得点で先行し、合計156.0点で悲願のオリンピックメダル(銀)を掴んだ。2021年複合世界チャンピオンで23年準優勝のジェシカ・ピルツ(オーストリア)は147.4点で銅メダルを獲得。森は得意のリードで1位となる96.1点をマークし順位を上げるも、ボルダーの得点が響き、合計135.1点で4位、メダル獲得を逃す悔しいオリンピックデビューとなった。

複合種目では、最初にボルダー種目で高さ約4mの壁に設置された4つの課題(ルート)を、できるだけ少ないアテンプト(試行回数)で完登を目指し、その後、リード種目で高さ約15mの壁を制限時間内にどれだけ高く登れるかを競う。両種目の得点を合算して最終順位が決定する中、複合種目世界ランキング3位の森は、1種目目のボルダーで苦戦し、第1課題で得点を獲得することができなかったことが響き、39.0点の全体7位のスタートとなる。一方で、世界最強クライマーと呼ばれる複合世界ランキング1位のヤンヤ・ガンブレットと、ラバトウ・ブルックの2人は、全4課題中3課題を完登(1回のアテンプトで一番上のトップホールドまで登りきること)し、84点台を出したことで、ボルダーを終えた時点で3位以下を24点以上も引き離し、好スタートを切った。

2種目目のリードでは、1番目に登場したリードのスペシャリスト、森と同い年のソ・チェヒョン(大韓民国)が76.1点を出してボルダーの8位から大きく順位を上げる。5番目に登場した森は、冷静に一手一手を着実に前進し、リード種目世界チャンピオンの登りで会場に大歓声を巻き起こすと、最後、トップホールドに手を伸ばしたところで手を滑らせ、完登一歩手前の96.1点で暫定1位に立った。しかし、6番目に登ったブルックが72.0点を出し、首位が入れ替わると、その後、ピルツが88.1点、東京2020チャンピオンのガンブレットが84.1点を出し、森をメダル圏外に押し出して、パリ2024のメダリストが確定した。

あと一歩で完登できなかった森は、何度もトップホールドを見つめて悔しそうな表情を見せたが、リードクライミングを終えた森がクライミングマットに降りると、観客からスタンディングオベーションが巻き起こり、その素晴らしいクライミングを称えて多くの拍手が送られた。

森秋彩が決勝ボルダーで苦戦し、7位で決勝リードへ/パリ2024スポーツクライミング複合

写真: 2024 Getty Images

パリ2024スポーツクライミング複合女子決勝結果

  1. ヤンヤ・ガンブレット(スロベニア)B84.4点、L84.1点:合計168.5点

  2. ラバトウ・ブルック(アメリカ合衆国)B84.0点、L72.0点:合計156.0点

  3. ジェシカ・ピルツ(オーストリア)B59.3点、L88.1点:合計147.4点

  4. 森秋彩(日本)B39.0点、L96.1点:合計135.1点

  5. エリン・マクニース(英国)B59.5点、L68.1点:合計127.6点

  6. ソ・チェヒョン(大韓民国)B28.9点、L76.1点:合計105.0点

  7. オセアニア・マッケンジー(オーストラリア)B59.7点、L45.1点:合計104.8点

  8. オリアン・ベルトーネ(フランス)B59.5点、L45.0点:合計104.5点

※B=ボルダー、L=リード

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