オーストラリアとニュージーランドの2ヵ国で開催中のFIFA(国際サッカー連盟)女子ワールドカップ2023は、各組グループステージの戦いが佳境を迎えている。グループCに属するサッカー女子日本代表・なでしこジャパンは7月31日に、最終節でスペインと対戦し、4−0の快勝を収め、グループ首位での決勝トーナメント進出を決めた。
スペイン戦の、なでしこジャパンのスターティングイレブンは、以下の通り。
- GK 山下杏也加
- DF 清水梨紗/南萌華/熊谷紗希/高橋はな
- MF 宮澤ひなた/猶本光/長野風花/遠藤純/林穂之香
- FW 植木理子
スペインはなでしこにとって、これまで3戦1分2敗と一度も白星をあげたことのない、世界ランキングでも格上の強敵。今大会のグループステージでは、両チームともに勝星6を得て、ファイナルステージ進出を確実にさせていたことから、今試合では決勝トーナメントで有利となるグループ首位での通過をかけた争いとなった。
試合は序盤から、スペインが得意とするショートパスで日本は主導権を握られるも、前半立ち上がりの12分に試合が動く。キャプテン熊谷から左サイドの遠藤へボールが渡ると、さらに前線へスルーパスで送る。そこに右サイドから走り込んできた宮澤が相手の守備を交わして、そのままゴール左に流し込み、日本へ先制点をもたらした。
勢いに乗った日本は29分、カウンターから再び宮澤が一気に相手陣地へ抜け出すと、並走していた植木にパスを送る。エリア内に侵入し、相手ディフェンスが戻ってくるなか、植木は冷静にシュート判断。右足から放ったボールは相手選手の足に当たったことでバウンドが高くなり、GKを超えてネットを揺らし、日本の2点目となった。
さらに前半終了間際の40分には、植木と宮澤のコンビが再び躍動する。ハーフライン付近でショートカウンターのボールを受けた植木が、右サイドから走り込んできた宮澤へスルーパスを送ると、相手エリア内に入って一閃。倒れ込みながら放ったボールは、ゴール左上を激しく揺らし、日本の3点目、宮澤の今試合2ゴール目、今大会4得点目となった。
3点リードで迎えた後半、なでしこは宮澤に代わって藤野あおばがピッチに立ち、59分には清水と長野から、守屋都弥と長谷川唯を投入。スペインも選手交代をしながら、攻撃力を上げて日本のゴールに迫るも、得点にはつながらない。68分には、植木から田中美南を交代させ、日本は前線の強度を高める。
大きな動きがないまま、後半アディショナルタイムが気になりだす82分、右サイドからのスローインを受けた田中がそのままドリブルで相手ペナルティーエリアに切り込むと、相手DFを交わし、左足から振り抜いたボールが豪快にネットを揺らして、日本の4点目となった。
85分には、最後の交代枠で杉田から遠藤純がピッチに入る。日本は試合終了のホイッスルまで、ボールポゼッションの高いヨーロッパ強豪チームに攻撃のチャンスを与えない守備力でリードを守り抜き、最終的に4−0でスペインから初めて勝星を奪って、グループ首位での決勝トーナメント進出を決めた。また、今大会ではグループステージ3節全てにおいて日本はクリーンシート(無失点)での勝利を飾っている。
このほか、この試合で2ゴールを決めた宮澤が今試合のプレーヤー・オブ・ザ・マッチに選出されている。
グループC1位となって上位16チームによるノックアウト方式の決勝トーナメントへ駒を進めた日本は、8月5日にラウンド16でグループA2位通過のノルウェー代表と対戦する。
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■なでしこジャパン メンバー
※2023年6月13日発表