スケートボードのパーク種目が2021年8月4日(水)、オリンピックデビューを果たす。スケートボード2種目のうち、ストリート種目ではすでに10代の若きアスリートらがメダルを獲得して注目を集めたが、パーク種目でも同じことが起こるかもしれない。
試合に先駆け、ここでは世界ランキング上位4人の女子アスリート、スカイ・ブラウン、岡本碧優、ポピー・スター・オルセン、**四十住さくら**を紹介したい。
スカイ・ブラウン|英国
スカイ・ブラウンは英国代表として、その歴史を作るアスリートだ。7月7日に13歳を迎えたブラウンは、パーク種目に出場することで英国を代表する史上最年少の夏季オリンピック選手となる。
ブラウンは英国人の父ステューさんと日本人の母みえこさんのもとに生まれ、現在、二重国籍を有する。彼女は大会出場に向け、プレッシャーが少なそうだとの理由から、英国代表選手となることを選択した。
オリンピックへの出場権を獲得することだけでも、大きなことだが、現在世界ランキング3位のブラウンの場合はさらに特別だ。
大会の1年前、ブラウンはその後の人生を脅かすほどの事故に遭い、頭蓋骨や腕、指の骨を骨折するなどの大怪我を負った。この事故を乗り越え、ブラウンはイギリス選手権、Xゲームズで優勝を果たし、東京でのメダル獲得を目指す。
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岡本碧優|日本
世界ランキング1位の岡本碧優(おかもと・みすぐ)は、現在15歳。これまでの短くも充実したスケボーキャリアの中で、次々と歴史を生み出している。
2019年のデュー・ツアー(Dew Tour)では、わずか12歳でバックサイド540に成功。国際大会でこれに成功した唯一の女子スケーターとなり、ファンを驚かせた。 さらに同年11月には、女子初となるキックフリップインディーグラブを大会で成功させた。彼女の向上心は留まることを知らず、2018年には彼女が慕う笹岡拳道(ささおか・けんと)さんの指導を受けるため、実家・愛知県高浜市を離れて岐阜にある笹岡家で下宿を始めた。
スケートボード界に登場以来、岡本は圧倒的な強さを示しており、本大会では有力なメダル候補のひとりとなるだろう。
ポピー・スター・オルセン|オーストラリア
恐れを知らない8歳の少女としてスケートボードシーンに登場して以来、ポピー・スター・オルセン(21)はオーストラリア女子スケートボードの先駆者的存在だ。子供の頃、スケートパークにいる女の子は彼女ひとりだけだったが、そうした事実などお構いなしに、スケボーにどんどんのめり込んでいった。14歳のときに年齢別の世界大会で優勝し、翌年も再びチャンピオンとなる。さらに、2016年のサマーXゲームにオーストラリア人女子として初めて出場した。
オルセンは新型コロナの影響により一時は大会への出場が危ぶまれたものの、問題が無事にクリアし、東京の舞台に立つ。世界ランキング4位の彼女にとって表彰台は射程圏内。しかし、本人は自分の力を尽くすことだけに集中する。
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四十住さくら|日本
和歌山県出身の四十住さくら(よそずみ・さくら)は日本人スケートボーダーの中でも、特にスケートボード界を圧倒している存在だ。子供の頃に兄との時間を大切にしたいという思いから、スケートボードを開始した。現在19歳で、世界ランキング2位。2021年5月のデュー・ツアー王者として東京オリンピックに臨む。
四十住はスケートボードの世界チャンピオンであるサンドロ・ディアス(ブラジル)のアドバイスの下、秘密裏に練習してバックサイド540を成功させたことで、スケボー界におけるその地位を確立。メダル獲得が期待されるが、彼女にとってそれは自分を支えてくれている両親への恩返しのため。四十住本人は自分が好きなことをする、それだけだ。
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東京2020で選手らの活躍を見届けよう!
世界ランク上位4人の選手らが出場する東京2020オリンピックのスケートボード・パーク種目は、2021年8月4日(水)に実施される。日本時間の午前9時に予選が始まり、決勝は昼12時30分の予定。お見逃しなく。
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