フェデラー、ウィンブルドンで入場を拒まれる「僕はここで8度優勝したんです」

史上最高のテニスプレーヤーのひとり、ロジャー・フェデラーが、テニスの聖地「オールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブ」を訪れようとしたとき、警備員から入場を拒まれたエピソードを明かした。

1 執筆者 Chloe Merrell
Roger Federer at Wimbledon in 2017
(2017 Getty Images)

グランドスラムを20回制したテニス界の巨匠ロジャー・フェデラー。つい先日、「オールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブ」を訪れた際に会員証を提示できず、入場を拒否される出来事があったという。

フェデラーが米テレビ番組「ザ・デイリー・ショー」に出演し、司会者トレバー・ノアとの会話の中で笑いながら明かした内容によると、11月下旬に日本でのイベントを終えてロンドンに滞在した際に、ウィンブルドンを訪れようとしたところ、警備員から入場を断られたという。

「医師の診察が終わり、時計を見たら2時間あったので、ウィンブルドンでお茶でもしようと思ってね」

「ウィンブルドンで大会がないときはあまり行くことがなかったから、通常ゲストが使うゲートまで車で行ったんだ。一緒にいたコーチのゼヴェリーンに、『ちょっと外に出て、警備員の女性と話してどうにかにする』と伝えたんだ」

「でも、どうにもできなかった!」

フェデラーは警備員のもとに近寄って入場できるかどうかを尋ねたが、規則を守る警備員から会員カードを持っていれば入れることを伝えられたという。

ウィンブルドンの優勝者には自動的に会員権が与えられるため、フェデラーは複数のカードを持っていることになるが、そのとき彼はカードを持っていなかった。

「会員カードのことなんて知らないよ。たぶん家のどこかにあるんだろうし、僕は旅行中だからどこにあるかなんてわからない。だから、『会員カードは持っていません。でも会員なんです。どこから入れますか?』と言うと、彼女は『でも会員にならないとだめですよ』と言ったんだ」

入場を断られたフェデラーは、仕方なく自分が成し遂げたことを伝えてメンバーであることを示そうとした。

「僕はパニックになっていて、今でも何でそう言ったか信じられないし、後悔しているんだけど、彼女を見て『僕はここで8度優勝したんです。信じて欲しい、僕はメンバーなんです。どこから入れますか』って」

フェデラーの懇願は通用せず、彼とコーチは別のゲートに挑戦した。幸運なことに、ファンがすぐにフェデラーだとわかり、近くにいた警備員も彼に気づき、歓迎されることになった。

「警備員がそこにいて、『何てことだ! フェデラー、ここで何をしているんですか? 会員カードは持っていますか?』って聞いてきたんだ。僕は、『持っていないけど、入ることは可能ですか?』って聞くと、『もちろん。入れるようにオーガナイズする』と言ってくれたんだ」

最終的に入場できたフェデラーは、クラブ会長と1時間にわたってお茶を飲み、彼が8度掲げたトロフィーのもとにも立ち寄った

スーパースターの彼は、最初の出来事を思い出し、ちょっとした企みも頭に浮かんだことを冗談まじりに明かした。

「反対側に行って、手を振ろうかと思ったんだけど...やらなかったよ!」

9月に競技テニスからの引退を正式に発表したフェデラー。グランドスラムではラファエル・ナダル(22回)、ノバク・ジョコビッチ(21回)に次ぐ20勝を挙げ、北京2008オリンピックではダブルスで金メダル、ロンドン2012オリンピックではシングルスで銀メダルを獲得するという輝かしいキャリアを残した。

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