「ペレ」ことエドソン・アランテス・ド・ナシメントさんが12月29日に亡くなった。82歳だった。
ペレさんはFIFA(国際サッカー連盟)ワールドカップを3度制した唯一の選手。所属したサントス、ニューヨーク・コスモスでも数々のタイトルを獲得した。類まれなスキルと実績から「サッカーの王様」と呼ばれ、史上最高の選手として広く認識されている。
守備者をあざ笑うかのようなドリブル、味方を生かすアシスト能力はもちろんだが、中でもチームを勝利に導く得点能力がペレさんの真骨頂だった。そんなペレさんがキャリアで挙げたゴールの数はいくつなのだろうか? どういった試合を含めるかによって諸説あるのだが、1200ゴールを超えていることは間違いない事実だ。
■通算得点数
諸説ある理由として、時代背景とどの試合をカウントするかという点がある。ペレさんが活躍した当時は現代のように、試合の記録にどこからでも簡単にアクセスできる時代ではなかった。また、親善試合やユース時代、エキシビションマッチを含めるか否かでも異なってくる。
まずは本人の主張だ。ペレさんが2015年9月に自身のTwitterアカウントで得点数に言及。「私は生涯で1283ゴールを決めた」。非常にシンプルだが、本人の弁として説得力もあるだろう。
FIFAはペレさんは紹介する記事で、キャリア通算で1363試合1281ゴールと著した。そのほかにも30回の1試合4得点、92回のハットトリック(1試合3得点)があり、1試合の最多ゴールは「8」だったことも紹介している。
あらゆる世界記録でおなじみのギネス・ワールド・レコーズはペレさんを「キャリアで最多のゴールを決めた人」として認定。「ある期間において最も多くゴール決めたのはペレとして知られるエドソン・アランテス・ド・ナシメントで、1279得点。1956年9月7日から1977年10月1日に行われた1363試合での数字」と紹介されている。
「Rec.Sport.Soccer Statistics Foundation」という機関は軍傘下のチームなどでの試合を含めて、1392試合1303ゴールという数字を挙げた。
■ブラジル代表として
諸説ある通算得点数と違って、ブラジル代表として国際試合で決めたゴール数は評価が一定している。ペレさんのスタッツは、92試合で77ゴール。これは国際試合の通算得点数ランキングで11位の数字だ。また、ブラジル代表としては最多タイの記録。ワールドカップカタール2022で新時代のエース、ネイマールがペレさんに並んだ。
■クラブレベルでは
クラブレベルでの公式戦に限ると、680ゴールという数字が通説となっている。これはブラジル選手権や州選手権、コパ・リベルタドーレスやインターコンチネンタルカップにおけるゴール数。サンパウロ時代に643ゴール、ニューヨーク・コスモス時代に37ゴールを決めた。ちなみに、サンパウロで決めた643ゴールは2021年まで、1選手が同一クラブで決めた最多ゴール記録となっていた。このレコードを破ったのはリオネル・メッシ。下部組織から所属したバルセロナで、672ゴールをマークした。