ミラノ・コルティナ2026パラリンピックまで500日! どんな競技が実施される? 新種目は?

イタリア・ミラノそしてコルティナダンペッツォで2026年3月に予定される冬季パラリンピック。どんな競技が実施されるのか?前回の北京2022を振り返りつつ、紹介しよう。

1 執筆者 Chiaki Nishimura
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(2022 Getty Images)

北京で行われた2022年大会から4年。イタリア北部の都市ミラノとコルティナダンペッツォで2026年3月に冬季パラリンピックが実施される。

ミラノ・コルティナ2026パラリンピックでは、アルペンスキーやスノーボードなど6競技で79種目が実施され、そのうち、車いすカーリングの混合ダブルスが新種目としてパラリンピックデビューを果たす。

出場枠は全体で665枠用意され、北京大会の最終エントリー数558や、最高を記録した平昌2018大会の564を大幅に上回る出場者数となることが予想される。

パラリンピック開会式まであと500日の節目にあわせ、ミラノ大会で実施予定の競技について押さえつつ、前回の北京2022大会での日本選手たちの活躍を振り返ってみうよう。

ミラノ・コルティナ2026冬季パラリンピックの実施競技

パラアルペンスキー

冬季パラリンピックの中では最多の30種目(男子15、女子15)でメダルが競われるアルペンスキー。「滑降(ダウンヒル)」、「スーパーG(スーパー大回転)」、「大回転(ジャイアントスラローム)」、「回転(スラローム)」、スーパーGと回転で競う「スーパーコンバインド」が予定され、男女それぞれ座位、立位、視覚障がいのカテゴリーに分かれメダルを競う。

北京2022では、半年前に実施された東京2020パラリンピックの陸上競技にも出場した村岡桃佳が、主将として日本代表選手団を率いて冬季パラリンピック3大会連続出場。大会では金メダル3個、銀メダル1個に輝いた。

北京2022で金メダル3つを獲得した村岡桃佳=2022年3月11日

(GETTY IMAGES +491728296845)

パラクロスカントリー

「雪原のマラソン」と呼ばれるクロスカントリースキーでは、「長距離」「中距離」「スプリント」が実施される。アルペンスキー同様、座位、立位、視覚障がいのカテゴリーで男女それぞれで競われるほか、リレー種目も予定され、20組のメダルが授与される。

北京2022では、日本選手団の旗手を務めた川除(かわよけ)大輝が、長距離(20km)クラシカル立位で自身初かつ日本男子最年少記録(当時21歳)となる金メダルを獲得。また、日本のパラクロスカントリースキーを牽引してきた「レジェンド」として知られ、パラリンピック通算5個のメダルを手にしている新田佳浩が、冬季パラリンピック日本勢最多の7大会連続出場を果たした。新田は北京後に引退も考えたというが、後進のサポート役として競技を続け、昨シーズンはワールドカップ総合3位。8度目のパラリンピック出場を視野に入れる。

パラクロスカントリースキー・金メダリストの川除大輝(右)、レジェンド新田佳浩(左)=2022年3月13日、北京2022冬季パラリンピック

(2022 Getty Images)

パラスノーボード

ソチ2014でアルペンスキー競技の一部として初めて実施されて以来、平昌2018、北京2022で定着したスノーボード。ミラノパラリンピックでは、「バンクドスラローム」「スノーボードクロス」が行われる予定で、男女それぞれで下肢障がい、上肢障がいのカテゴリーに分かれて合計8種目でメダルが競われる。

北京2022パラリンピックのパラスノーボードでは、日本勢のメダル獲得はならなかったものの、男子スノーボードクロスではチームキャプテンを務めた小栗大地を筆頭に5人が8位以内に入賞。バンクドスラロームでも小栗が7位、市川貴仁が8位に入賞した。同競技での日本勢のメダル獲得は、平昌2018の成田緑夢(ぐりむ)のみ。成田はバンクドスラロームで金、スノーボードクロスで銅メダルに輝いた。ミラノでの日本勢の活躍に期待がかかる。

車いすカーリング

2006年のトリノ大会でパラリンピックデビューを果たして以降、車いすカーリングでは混合団体の1種目が行われてきたが、ミラノでは混合ダブルスが加わる。

これまでのところ日本勢は2010年大会に出場したのが最初で最後。新種目が加わったことで出場できる選手の数も増加。日本勢は4大会ぶりの出場を目指す。

パラアイスホッケー

下肢に障がいのあるアスリートがソリに乗ってプレーする、パラリンピック競技の中でも特に人気の高いアイスホッケー。1994年のリレハンメル大会から実施され、当初は男子のみで行われていたが2010年大会から男女混合となった。

日本勢は北京大会への出場はならなかったが、過去には銀メダル(2010年大会)を獲得したことも。現在世界ランキング10位の日本代表は、ミラノに向けて厳しい状況に立たされる中、最終予選を通じて大会出場を目指す。

パラバイアスロン

クロスカントリースキーと射撃を繰り返し行い、持久力と集中力そして正確性を競うバイアスロン。「スプリント」「ミドル」「個人」の3種目が、立位、座位、視覚障がいのカテゴリーにわかれて男女それぞれで競われ、18人の金メダリストが誕生する。

北京大会では夏冬競技の二刀流アスリートである佐藤圭一が12.5kmで7位に入賞。45歳の佐藤は2010年のバンクーバー大会から4大会連続で冬季パラリンピックに出場し、2016年にブラジルのリオデジャネイロで行われた夏季大会にもパラトライアスロン選手として出場した。夏冬合わせて6大会目の出場を目指す。

ミラノ・コルティナ2026冬季パラリンピックはいつ?

ミラノ・コルティナ2026冬季パラリンピックは、2026年3月6日~15日の日程で、イタリア北部の都市ミラノおよびコルティナダンペッツォを中心に競技が実施される。