日本のエースとして女子スピードスケートを長年牽引してきた**小平奈緒**。
その集大成と位置付けた今回の北京オリンピック。最初のレースとなった500mでは17位、続く1000mでも本来の滑りを発揮できず、10位という成績で大会を終えた。
1000m後のインタビューでは、「年が明けてから絶望的な状況に陥ってしまって、この大会に間に合うか心配だった」と、怪我をしていたことを明かし、「最後に成し遂げることはできなかったが、しっかりと、自分なりにやり遂げることはできたのかなと思う」と語った小平。その目には涙が浮かんでいた。
現地で小平の滑りを見守った元スピードスケーターで、オリンピック金メダリストのイサンファさんは、2月17日の1000mのレース後、長年の友人である小平に向け、自身のインスタグラムにメッセージを投稿した。
「夢にまで見た表彰台の一番上に、私たちの名前が一緒にあることを忘れないで。私たちが初めて出会った10代から今まで地道に頑張ってきたし、十分によくやった。私たちは永遠にオリンピックチャンピオンだよ。お疲れ様。本当に良くやったね」
韓国語で記したこの言葉の後には、「おちゅかれさまだよ」と日本語を添えて小平を労った。
この投稿を見た小平は、韓国語で「全部忘れられない日々」「私にとってあなたは大切な友達だよ」と記し、「サンファも慣れないお仕事おつかれさまだよ~」と日本語を添えた。
小平とイサンファさんの友情は、平昌大会でも注目された。イサンファさんの女子500m金メダルに大きな期待がかかっていたが、金メダルを手にしたのは小平だった。ウィニングランで涙を流す彼女を小平が優しく抱きしめたのだった。
そして4年後のこの北京大会で、全力を尽くして滑りきった小平。求めた結果ではなかったかもしれないが、小平のこれまでの思いや重ねてきた努力をイサンファさんが受け止め、そのメッセージで小平の心を優しく包んだことだろう。