関東サッカーリーグ1部の南葛SCは12月4日、元男子日本代表でシドニー2000オリンピックにも出場した稲本潤一の現役引退を発表した。
稲本は1979年生まれの45歳。ガンバ大阪のアカデミーを経て17歳でJリーグデビューを飾った。その後はイングランド1部プレミアリーグのアーセナルへ移籍し、フラムやウェスト・ブロムウィッチ・アルビオンでもプレー。トルコのガラタサライ、ドイツのアイントラハト・フランクフルト、フランスのスタッド・レンヌでもプレーした。2010年に川崎フロンターレへ移籍して日本に復帰し、北海道コンサドーレ札幌ではJ1昇格にも貢献。SC相模原を経て2022年から南葛SCに所属していた。
国際舞台では、FIFA(国際サッカー連盟)ワールドユース選手権で準優勝。シドニー2000には全4試合に先発出場し、2戦目のスロバキア代表戦で決勝ゴールを挙げる活躍。チームは準々決勝でアメリカ合衆国代表にPK戦の末に敗れ、ベスト4進出はならなかった。日本代表としてはFIFAワールドカップに2002年の日韓大会から3大会連続で出場。日韓大会のロシア代表戦では自らのゴールで日本をW杯初勝利に導いた。
稲本はクラブを通じてコメントを発表。「私にとってかけがえのない時間でした」とクラブへの感謝を綴った。
■稲本潤一のコメント
このたび、今シーズンをもって現役を引退する決断をいたしました。
南葛SCという素晴らしいクラブでキャリアの最後を迎えることができることを、大変誇りに思っています。この3シーズンでJFL昇格を果たせなかったことは、心残りであり、ファンや関係者の皆様には申し訳ない気持ちもあります。
しかし、クラブオーナーである高橋先生が掲げる「アジアチャンピオンズリーグ制覇」という大きな目標に向けて、自分もまた新たな形でサッカー界に貢献し、その目標達成のために力を尽くしたいと考えています。これからのキャリアの中で、もし再び南葛SCから必要とされる機会があれば、その時は全力で力を貸したいと思っています。
このクラブで過ごした3シーズンは、私にとってかけがえのない時間でした。南葛SCを支えてくださった全ての方々に心より感謝申し上げます。
ありがとうございました。