現地時間11月20日に開幕を迎えたFIFA(国際サッカー連盟)ワールドカップカタール2022も佳境。2日間の休養日をはさんだ12月9日は、グループステージおよび決勝トーナメント1回戦を勝ち抜いた“8強”による準々決勝のうち2試合が行われた。日本時間10日早朝の試合では南米の強豪・アルゼンチン代表と初優勝を目指すオランダ代表が対戦。試合は後味の悪い内容となった。
■イエローカード舞う中、オランダが敗退
ラウンド16でアメリカ合衆国代表を3-1で下したオランダと、オーストラリア代表を2-1で退けたアルゼンチンによる好カードは35分、DFナウエル・モリーナからFWリオネル・メッシに渡ったボールは再びモリーナに。モリーナはオランダGKアンドリース・ノペルトをかわし、アルゼンチンが先にゴールネットを揺らす。
アントニオ・マテウ主審は31分、アルゼンチンのワルテル・サムエルコーチにイエローカードを提示したのを皮切りに、43分、オランダDFユリエン・ティンバーとアルゼンチンMFマルコス・アクーニャに警告。この後、アルゼンチンDFクリスティアン・ロメロ、オランダの控えFWボウト・ベグホルストにもイエローカードが提示され、前半を終える。
オランダのルイス・ファンハール監督はハーフタイムに2枚替え。さらに64分、DFデイリー・ブリントを下げてFWルーク・デヨングを投入するなど攻勢を強めるも、ゴールを奪えない。逆に73分、メッシにPKを決められて2点差とされる。
73分、オランダFWメンフィス・デパイとアルゼンチンDFリサンドロ・マルティネスに警告が出される。ファンハール監督はデパイと交代で、すでに警告を出されているベグホルストを投入する。そのベグホルストは83分にクロスを頭で合わせ、1点を返す。すると88分にオランダMFステフェン・ベルハイス、89分から後半アディショナルタイムにかけてアルゼンチンの MFレアンドロ・パレデス、リオネル・スカローニ監督、そしてメッシに警告が出されるなど、試合は大荒れとなる。
そうした中で迎えた90+11分、オランダはペナルティアーク手前でFKを獲得すると、トリックプレーを披露。虚を突かれたアルゼンチンは再びベグホルストにゴールを決められ、2-2。アルゼンチンDFニコラス・オタメンディ、オランダFWステフェン・ベルフワインに警告が出された後、試合は延長戦を迎える。
延長戦ではアルゼンチンDFゴンサロ・モンティエル、DFヘルマン・ペッセージャにイエローカードが提示されるもスコアは動かず、PK戦へ。PK戦の最中にもオランダDFデンゼル・ダンフリースに警告が出されるが、PKスコアは4-3でアルゼンチンに軍配が上がった。試合後にもオランダFWノア・ラング、そしてダンフリースが2枚目となるイエローカードを提示されるなど、試合は混乱。また後半にはピッチへの乱入者が発生したこともあり、後味の悪い結果となった。
オランダ 2(3PK4)2 アルゼンチン
- 35'ナウエル・モリーナ(アルゼンチン)
- 73'リオネル・メッシ(アルゼンチン)
- 83'ボウト・ベグホルスト(オランダ)
- 90+11'ボウト・ベグホルスト(オランダ)
■地域別の決勝トーナメント進出国
- アジア(3):日本、オーストラリア、韓国
- ヨーロッパ(8):オランダ、イングランド、ポーランド、フランス、スペイン、クロアチア、スイス、ポルトガル
- 南米(2):アルゼンチン、ブラジル
- 北中米カリブ海(1):アメリカ合衆国
- アフリカ(2):モロッコ、セネガル
■決勝トーナメント組み合わせ
- 12月3日:オランダ vs アメリカ合衆国
- 12月3日:アルゼンチン vs オーストラリア
- 12月4日:フランス vs ポーランド
- 12月4日:イングランド vs セネガル
- 12月5日:日本 vs クロアチア
- 12月5日:ブラジル vs 韓国
- 12月6日:モロッコ vs スペイン
- 12月6日:ポルトガル vs スイス
- 12月9日:クロアチア vs.ブラジル
- 12月9日:オランダ vs.アルゼンチン
- 12月10日:モロッコ vs.ポルトガル
- 12月10日:イングランド vs.フランス