【フィギュアスケート】羽生結弦氏のアイスショーがスタート「これから始まる物語のプロローグ」

フィギュアスケートでオリンピック2連覇を達成した羽生結弦氏の単独アイスショー「プロローグ」が11月4日、神奈川県横浜市のぴあアリーナMMで初公演を迎えた。数々の名プログラムを含めたプロ転向後初のショーを終え、羽生氏が構成の意図や心境を語っている。

1 執筆者 オリンピックチャンネル編集部
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フィギュアスケートでオリンピック2連覇を達成した羽生結弦氏の単独アイスショー「プロローグ」が11月4日、神奈川県横浜市のぴあアリーナMMで行われた。

プロ転向を表明してから約3カ月半が経ち、プロとして初のアイスショー。羽生氏の新たなスタートには大きな注目が集まった。公演は競技さながらの6分間練習から、90分に渡って6つのプログラムを披露。チケット完売となった会場を大きな感動で包んだ。

初公演を終えた羽生氏は「プロ転向の会見をしてから、会場を含めたすべての企画がスタートしました。かなり時間がない中で、大勢のスタッフの方々に自分の要望に応えていただきながら作っていただきました。まずはそれだけで感謝の気持ちでいっぱいです」と心境を語った。

続けて改めてこのショーに懸ける思いを明かした。「このプロローグというショーはこれから始まる物語のプロローグであり、自分がこれから新たな決意を胸に、目標、夢に向かって一歩ずつ進んでいくんだと」。自身の競技キャリアを彩ったプログラムを配し、「皆さんに力をもらった経験などをまた改めて皆さんと共有しながら、次のステップにつながるようにという思いを込めてこのショーを企画、構成しました」と語った。

その中で「ジレンマ」を表現したというのが『いつか終わる夢』。「世代なのでめちゃくちゃ好き」というファイナルファンタジー10の楽曲だ。羽生氏は「僕自身のもともとの夢はオリンピック2連覇でした。そのあとに4回転半を新た(な夢)に設定して、追い求めてきました」と自身の人生を重ねる。

「競技のレベルでは達成できませんでしたし、ISU(国際スケート連盟)公認の、初めての成功者にはもうなれません。そういう意味ではもう終わってしまった夢かもしれません。そういう意味で、いつか終わる夢。『期待していただいているのにできない』『だけどやりたいと願う』『だけど疲れてやりたくない』『でもやっぱり皆さんの期待に応えたい』。そういった自分の心の中のジレンマみたいなものを表現したつもりです」

「プロローグ」で新たなスタートを切った羽生氏。「毎日の努力や一つ一つのジャンプ、演技に集中したこと。そういったことが積み重なって新たなステージや自分の基盤になると思います。今できることを目一杯やって、フィギュアスケートの限界を超えていけるようにしたいという気持ちでいます。それがこれからの僕の物語だったらいいなと思います」と今後の物語を見据えた。

■日程

横浜公演(ぴあアリーナMM)

  • 11月4日(金)18:00開演
  • 11月5日(土)14:00開演

八戸公演(FLAT HACHINOHE)

  • 12月2日(金)18:00開演
  • 12月3日(土)15:00開演
  • 12月5日(月)14:00開演
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