第93回全日本フィギュアスケート選手権大会は12月21日、大阪府門真市・東和薬品RACTABドームで2日目を迎えた。同大会は2025年に行われる世界選手権、四大陸選手権、世界ジュニア選手権の最終選考会も兼ねる大会。この日は男子シングルの後半フリースケーティング(FS)、アイスダンスの前半リズムダンス(RD)、ペアの前半ショートプログラム(SP)が行われた。
2012年以降、頂点を分け合ってきた羽生結弦さんと宇野昌磨さんのいない大会で、男子シングルの新たな王者となったのは鍵山優真だった。冒頭の4回転フリップは、4.71点のGOE(出来栄え点)を得る美しいジャンプ。「すごく落ち着いてできた」という前半はパーフェクトの内容で滑りきった。後半は疲労もありジャンプの着氷に乱れが出たが、「ミスとしては最小限に抑えられた」となんとかこらえて転倒はなし。演技を終えると「昌磨さんがやっているのを見て、最終滑走でいい演技をしたらやってみたかった」とリンクに大の字に倒れ込んだ。
「総合評価として自分の出せる部分は全部出せたと思います」という納得の演技で、技術点、演技構成点ともにトップの成績。FSで205.68点、合計297.73点と圧倒的な数字で初の全日本選手権優勝を果たした。「これから全日本王者として紹介されることも多くなると思うので、そういうところも背負っていかないと思っています。それに恥じぬ演技や行動をしていきたいです」と自覚も十分。名実ともに日本の新たなエースが誕生した。
2位に入ったのは16歳の中田璃士。「自信はあった」という4回転ループを成功させて波に乗ると、「過去最高じゃないですかね、こんなにやったのは」というほど、ジャンプを成功させる度にガッツポーズを作った。「やっと自分の100パーセントを出せた」という会心の演技は、GOEのマイナス評価が一つもない173.68点。合計は263.99点で、ジュニアながら堂々の銀メダルとなた。
3位に入ったのはSP14位から巻き返した壷井達也。織田信成が4位で続き、SP3位の友野一希は5位となった。
4組で争われるペアは、“りくりゅう”こと三浦璃来/木原龍一がSP首位発進。74.16点と実力を見せつけた。61.82点の長岡柚奈/森口澄士が2位で続き、54.22点の清水咲衣/本田ルーカス剛史が3位、46.75点の柚木心結/トリスティン・テイラーが4位だった。
同じく4組による戦いのアイスダンスは吉田唄菜/森田真沙也が71.84点でRD首位。田中梓沙/西山真瑚が66.03点で2位、佐々木彩乃/池田喜充が55.53点で3位、久根下未暁/ルーシェ聖夜アレックが36.62点で4位だった。
22日は競技最終日となり、アイスダンスのフリーダンス、ペアと女子のFSが行われる。
■概要
- 大会名:第93回全日本フィギュアスケート選手権大会
- 会場:東和薬品RACTABドーム(大阪府門真市)
- 日程:12月19日〜22日
▼競技スケジュール
SP…ショートプログラム
FS…フリースケーティング
RD…リズムダンス
FD…フリーダンス
▼放送予定
- 地上波:フジテレビ系列
- BS/CS:BSフジ、CSフジテレビTWO
- ネット:FOD、TVer
■出場選手
※日本スケート連盟 発表順