北米プロ野球・MLB、ロサンゼルス・ドジャースに所属する大谷翔平の勢いが止まらない。
打者に専念している今シーズンは、ナショナル・リーグ西地区首位(9月16日時点)のチームを牽引する活躍を見せている。現地時間8月23日に行われたタンパベイ・レイズ戦では、9回2アウトからサヨナラ満塁ホームランを放った大谷は「40-40(40本塁打40盗塁)」を史上最速で達成した。そして、前人未到の「50-50」への期待も高まる。
ここでは、MLBレギュラーシーズン2024の残り試合と大谷の成績から、「50-50」達成の可能性に迫る。
※日本時間9月20日時点
■ドジャースの試合数・成績
- 試合数:残り9試合(153試合消化)
- 成績:ナショナル・リーグ西地区1位
■大谷翔平の成績
- 本塁打:51本
- 盗塁:51個
50本塁打、50盗塁はともに、日本時間9月20日の試合で達成
■50-50達成の可能性と課題
大谷は「50-50」の達成を1試合でクリアできる数字に迫っており、残り試合数からも大偉業の可能性は高いと言える。さらに現在の大谷は、主に1番指名打者(DH)で出場しており、多くの打席が回ってくることから、ホームラン、そして出塁・盗塁を記録するチャンスも多くなる起用法となっている。
では、大谷の偉業達成へのポイントを探ってみよう。今季はすでにキャリアハイのホームラン数を記録している大谷だが、過去最高はロサンゼルス・エンゼルス所属時の2021年に記録した46本塁打。このシーズンはハイペースで打っていたものの、終盤11試合ノーアーチと苦しみホームラン王を逃した。仮にスランプに陥っても長期化しないことが、「50-50」達成のカギとなるだろう。
次のポイントは、大谷が傑出した成績を残しているため相手から勝負を避けられる、あるいはマークが集中することだ。しかしその可能性は低い。大谷の次打者となる2番は、主にムーキー・ベッツが任されている。ベッツは2018年にMVPおよび首位打者を獲得し、シルバースラッガー賞に6度輝いているMLB屈指の強打者だ。今季も打率3割を超える成績を残しており、ベッツが2番を打っている限り、大谷との勝負を避けるチームは少ないだろう。
もう1つのポイントは起用法だ。現在ドジャースはナショナル・リーグ西地区の首位に立つ。早い段階で地区優勝が決定した場合、レギュラーシーズンの残りは消化試合となる。怪我のリスクを避けるためにも、ポストシーズンに向け主力を温存する可能性はあるだろう。もちろん大谷は、ドジャースにとってワールドシリーズ制覇のために欠かせない戦力の1人だ。地区優勝が早々に決まった際の起用法は、大谷の「50-50」達成へ影響を及ぼすこととなりそうだ。