國學院大、駒澤大、青山学院大の三つ巴の優勝争いか…エントリー変更にも注目丨箱根駅伝2025往路展望

2025年1月2日に号砲を迎える箱根駅伝。学生三大駅伝の結果や過去の成績から往路の行方を占っていく。

2 執筆者 Olympics.com
全日本大学駅伝2024・青山学院大学の太田蒼生と國學院大學の平林清澄
(時事)

箱根駅伝として親しまれる第101回東京箱根間往復大学駅伝競走が2025年1月2日から3日に渡って行われる。学生スポーツの中でも抜群の注目度を持ち、冬の風物詩として多くの人に愛される箱根駅伝。ここでは今シーズンの動向や過去の成績から今大会の行方を占っていく。

■國學院大、駒澤大、青山学院大の三つ巴の争い

まずは箱根駅伝とともに学生三大駅伝と言われる出雲全日本大学選抜駅伝競走、全日本大学駅伝対校選手権大会の今シーズンの成績を振り返る。

▼出雲駅伝(10月14日)

  1. 國學院大學 2:09:24
  2. 駒澤大学 2:10:04
  3. 青山学院大学 2:10:24
  4. 創価大学 2:11:47
  5. アイビーリーグ選抜 2:12:18
  6. 早稲田大学 2:12:23
  7. 城西大学 2:12:34
  8. 帝京大学 2:13:35
  9. 法政大学 2:13:41
  10. 大東文化大学 2:13:57

▼全日本大学駅伝(11月3日)

  1. 國學院大學 5:09:56
  2. 駒澤大学 5:10:24
  3. 青山学院大学 5:10:41
  4. 創価大学 5:13:17
  5. 早稲田大学 5:14:24
  6. 城西大学 5:14:57
  7. 立教大学 5:16:21
  8. 帝京大学 5:16:24
  9. 東京国際大学 5:17:46
  10. 日本体育大学 5:17:52

ここまでの2戦の成績を見ると、2冠を達成している國學院大を筆頭に上位3校の顔ぶれは同じ。2位の駒澤大、3位の青山学院大も2大会で全く同じ順位だった。

この3校のタイム差は極めて小さく、箱根駅伝でも國學院大、駒澤大、青山学院大を軸に三つ巴の優勝争いが展開されると見ていいだろう。2大会連続で4位に入った創価大も楽しみな存在。創価大が上位でレースを展開できれば、優勝争いの行方はより緊張感を増す。実際に全日本大学駅伝では終盤まで3位で走っており、その力は十分にあるはずだ。

過去3大会の結果は以下のとおり。経験という意味では青山学院大に一日の長がある。

▼第100回大会

  1. 青山学院大学
  2. 駒澤大学
  3. 城西大学

▼第99回大会

  1. 駒澤大学
  2. 中央大学
  3. 青山学院大学

▼第98回大会

  1. 青山学院大学
  2. 順天堂大学
  3. 駒澤大学

■花の2区は誰?

次は優勝候補のチームの区間エントリーを確認していく。出雲駅伝は6区、全日本大学駅伝は8区のコースとなっているが、2日にまたがる箱根駅伝は10区間。よりチーム全体の総合力が試される駅伝だ。

國學院大學

  1. 後村 光星
  2. 平林 清澄
  3. 山本 歩夢
  4. 岡村 享一
  5. 高山 豪起
  6. 嘉数 純平
  7. 鶴 元太
  8. 佐藤 快成
  9. 飯國 新太
  10. 吉田 蔵之介

駒澤大学

  1. 帰山 侑大
  2. 篠原 倖太朗
  3. 山口 真玄
  4. 桑田 駿介
  5. 坂口 雄哉
  6. 伊藤 蒼唯
  7. 森重 清龍
  8. 安原 海
  9. 新谷 倖生
  10. 吉本 真啓

青山学院大学

  1. 宇田川 瞬矢
  2. 黒田 然
  3. 鶴川 正也
  4. 荒巻 朋熙
  5. 若林 宏樹
  6. 野村 昭夢
  7. 白石 光星
  8. 塩出 翔太
  9. 平松 享祐
  10. 佐藤 愛斗

まず楽しみなのは花の2区。復路の9区とともに最長区間で、各校がエース級の選手を投入する区間だ。國學院大の4年・平林清澄は3年連続の2区起用。1年目は9区で2位、2年目から2区を走って7位、3位と順位を上げてきている。今シーズンは出雲駅伝で最終第6区に登場し、区間賞に輝く快走。全日本大学駅伝は7区を走り2位の活躍を見せた。

駒澤大の4年・篠原倖太朗は今回が3回目の箱根駅伝。第99回大会は3区で2位、前回大会は1区で区間賞に輝いた。今シーズンは出雲駅伝の6区で3位、全日本大学駅伝では7区の区間賞の走りを見せた。青山学院大は1年・黒田然を2区で起用。今シーズンの2大会には出場しておらず、エントリー変更の可能性もあるだろうか。

平林と篠原はここまでの2大会で2度直接対決を行っている。10.2kmの出雲駅伝6区は平林に軍配。36秒差をつけた。17.6kmの全日本大学駅伝7区では篠原が10秒差をつけて上回った。23.1kmと過去2戦よりも長距離となる。2人の対決も注目ポイントだ。なお、平林は2024年2月に開催された大阪マラソンで優勝。2時間6分18秒の好記録を残した実績を持つ。

もう一つは山登りの5区。ここでは青山学院大の4年・若林宏樹が最注目のランナーだろう。第98回大会で3位、前回大会で2位と5区の経験と実績は頭一つ抜ける。前回大会は1時間9分32秒をマークしており、1時間9分14秒の区間記録の更新も視野に入るか。

■エントリー変更にも注目

発表された区間エントリーは、当日に変更される可能性もある。エントリーされた選手と補欠の選手を変更することができ、往路と復路で合計6人、1日では4人まで変更が可能。区間エントリー発表時に補欠として登録されている有力選手も多数おり、当日の変更を予想するのもファンの楽しみの一つとなっている。

國學院大では出雲駅伝と全日本大学駅伝で走った選手のうち、青木瑠郁、上原琉翔、辻原輝、野中恒亨の4人が補欠。大胆なエントリー変更を仕掛けてくる可能性がありそうだ。

駒澤大学は佐藤圭汰と山川拓馬が補欠。佐藤は前回大会の3区で2位と好成績を残した。出雲駅伝と全日本大学駅伝は欠場したが、大一番でどのような起用となるのか注目だ。山川は全日本大学駅伝の8区で区間賞の活躍。第99回大会の5区で4位の実績を持ち、山登りでの起用が示唆されている。

青山学院大では太田蒼生、黒田朝日らが補欠として登録された。太田は箱根駅伝に3年連続で出場しており、特に前回大会は区間記録に迫る59分47秒で3区の区間賞に輝いた。出雲駅伝は6区で3位、全日本大学駅伝は7区で2位の実力者であり、起用法も気になるところ。黒田は前回大会の2区で区間賞。全日本大学駅伝では4区の区間新記録を樹立しており、箱根駅伝でも楽しみな選手だ。

◾️概要

  • 大会名:第101回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝2025)
  • 日程:2025年1月2日(往路)

▼競争路

総距離(217.1km)

  • 往路(107.5km/第1〜5区)大手町(読売新聞社前)〜 箱根町(芦ノ湖駐車場入口)
  • 復路(109.6km/第6〜10区)箱根町(芦ノ湖駐車場入口)〜大手町(読売新聞社前)

▼区間

  1. 大手町〜 鶴見(21.3km)
  2. 鶴見~戸塚(23.1km)
  3. 戸塚~平塚(21.4km)
  4. 平塚~小田原(20.9km)
  5. 小田原~箱根町(20.8km)
  6. 箱根町~小田原区(20.8km)
  7. 小田原~平塚(21.3km)
  8. 平塚~戸塚(21.4km)
  9. 戸塚~鶴見(23.1km)
  10. 鶴見~大手町(23.0km)

▼放送予定

※2024年12月31日時点

◾️出場校・チーム一覧

※参考期日

  • チームエントリー締切(16名以内):12月10日
  • 区間エントリー(正競技者10名・補欠競技者6名以内):12月29日
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