体操世界選手権2022、日本女子代表メンバーを紹介 目標は決勝進出

パリ 2024

開催まで2年を切ったパリ2024オリンピック。体操競技の出場権をかけた最初の戦いが、まもなく英リバプールで始まる。日本女子体操を牽引してきた女子選手らが引退した今、世界選手権の日本女子代表メンバーは全員が初出場。新世代の若さあふれるエネルギーで大会に挑む。

1 執筆者 Chiaki Nishimura|公開日:10月26日
Miyata Shoko
(2022 Getty Images)

10月29日〜11月6日の日程で英リバプール行われる体操世界選手権。オリンピック・メダリストの村上茉愛さんや、オリンピック2度出場の寺本明日香さんらが引退した今、日本女子体操界を盛り上げている新たな若き才能がその舞台に降り立った。

団体総合の上位3チームにパリ2024オリンピックの出場権が与えられる今回の世界選手権。平均年齢19歳の日本女子代表選手をまとめる田中光女子体操強化本部長は、選手らの実力を踏まえた上で今回の目標を「決勝進出」と定める。

日本女子代表として名を連ねる5選手を紹介しよう。

宮田笙子

4月に行われた全日本選手権で2位となり、その得点を持ち越して5月に行われたNHK杯で初優勝を果たし、世界選手権の出場権をつかみとったのが宮田笙子(しょうこ)。

2004年生まれ18歳の宮田は脚力を活かした跳馬とゆかを得意とし、2020年のワールドカップ・メルボルン大会では跳馬で3位、2021年の全日本種目別選手権では跳馬で2位の成績を収め、これからの日本女子体操界を牽引する存在として注目されている。

京都府出身の宮田は10月初旬に行われたオンライン会見で、「ゆかの表現力を意識して練習してきた。最年少だが、信頼されるエースになれるよう自分が引っ張るという意識で笑顔で盛り上げたい」と、新たなエースとしての自覚をのぞかせた。

山田千遥

全日本選手権で3位、NHK杯で3位となって代表に選出されたのが、笑顔が印象的な山田千遥

2003年生まれの山田は、2018年にはブエノスアイレスで開かれたユースオリンピックに出場し、ゆか種目で6位に入賞。その経験は「悔しさ」として刻まれ、より強くなるための原動力となった。

2019年の世界選手権には補欠として同行。今回は代表メンバーとしてその舞台に立つ。

「高難度な技は多くできませんが、質を高めることを意識して練習してきたので、手足の長さを生かした質の良い演技を観てほしいです!」

坂口彩夏

6月に行われた全日本種目別選手権を経て代表入りを決めたのが、2002年生まれ長野県出身の坂口彩夏

20歳の坂口は2年前のワールドカップ・メルボルン大会で、平均台で7位に入賞。今年の全日本種目別選手権の跳馬、平均台、ゆかで表彰台に立った。

世界選手権に向けて、「ゆかは、皆さんが一緒に踊りたくなるような動きを見せつけたい。跳馬では着地まで狙って、ダイナミックな跳躍をしたいと思います」と意気込みを語る。

深沢こころ

チームキャプテンを務めるのが、2001年生まれの深沢こころ

滋賀県出身で20歳の深沢は、6月の全日本種目別選手権の段違い平行棒で優勝し、代表入りを決めた。この種目では2020年のワールドカップで8位に入賞しており、さらに磨きがかかったパフォーマンスを世界選手権で披露することになるだろう。

代表選手の中では最も長身(160cm)で、その背丈を活かしたダイナミックな演技にも注目したい。

渡部葉月

全日本総合選手権で初優勝した笠原有彩が怪我のため代表メンバーから外れたことにより、補欠から代表へと繰り上がったのが愛知県出身の渡部葉月(わたなべ・はづき)。

2004年生まれで18歳となる渡部は、全日本選手権、NHK杯と4位になり惜しくも表彰台に及ばなかった。世界選手権はその悔しさを晴らすための最高の場となることだろう。

自身のソーシャルメディアでは「初めての世界選手権で不安もありますが、チーム一丸となって最後まで楽しんで頑張ります」と気合いを込めた。

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