北京2022のスーパースター、**アイリーン・グー**が思い描いていた女子フリースタイルスキー・スロープスタイルの予選とは違っていた。
2月14日(火)に行われた1本目は不本意なもので、彼女は決勝進出を逃しかけた。2本目が勝負の分かれ目。2021年の世界チャンピオンである彼女は、フィニッシュエリアに到達したとき、自分の成長を実感した。だが、それで十分だったのだろうか?
世界中のテレビ視聴者が目にしたのは、中国のフリースキーヤーが緊張した表情や安堵の表情を見せるのではなく、何かを食す姿だった。
「ロッジで昼食を食べる時間がありませんでした。だからランチを持ってきて、スコアを待っている間に食べていたんです」と、グーはOlympics.comに語り、天候の影響により雲頂スノーパークでの練習スケジュールや食事時間が変更になったことを説明した。
「私は3種目に出場していますが、スロープスタイルが延期になったことで、(ハーフパイプの)練習に影響が出ています。スロープスタイルの予選2本目が始まったときには、すでにパイプのトレーニングが始まっていたんです」
「私は練習から非常にアグレッシブなタイプです。人によっては、もっと気楽に練習する人もいます。でも、私個人としては...練習は『行け行け』です。(食事をする)時間がないのもわかっています。メディアの皆さんを無視してしまいました。メディアゾーンの通過で世界記録を出したと思いますが、気持ち的には『ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい 』という感じでした」
グーは火曜日の決勝に進むのに十分なスコアを出していた。緊張していたと述べたビッグエアの金メダリストがランチを食べていたのは、フィニッシュエリアだけではなかった。
「Tバー(ハーフパイプのリフト)の上でも食べていました。頂上に着いた時には食べ終わっていて、すぐに始めようと思っていたので、2時間ほどパイプの練習をすることができました」
張家口でスロープで食事をする必要性について語ったアスリートはグーだけではなかった。アメリカのスノーボード選手、クロエ・キムは、ハーフパイプで金メダルを獲得した直後に、やはり食べ物が欲しくなったことを明かしている。
アイリーンの旅の必須アイテム
グーと話していると、食が共通のテーマになる。昼食はニラの入ったビーフンとのことだったが、彼女は大会期間中バッグに常備しているアイテムを教えてくれた。
「白トリュフオイルは旅の必需品です」と笑顔のグー。
「持ち歩いています。朝食と夕食の時に使っています。昼食のためには持ってきませんでした。流石にやり過ぎのような気がして」
彼女にとって最も大切なアイテムは別にある。
18歳の彼女は「今一番大切なものは、ビッグエアの金メダルかもしれません」と言いながらも、今回の冬季大会中に贈られたプレゼントについて続けた。
「Instagramのストーリーに載せたのですが、北京2022 大会の金のピンで、周りにラインストーンみたいなのが付いているんです。とても珍しいものですよ。ボランティアの方からいただいたもので、とても気に入っています」
「何かを変えるのに年齢は関係ない」
母国開催の大会でのビッグエアで金メダルを獲得したグーによる、心を打つコメントが称賛されている。
そして、彼女は応援してくれた人たち、彼女が住んでいるアメリカをはじめとする世界中の友人たちを励ました。
「情熱を注げるものを見つけて、それに没頭してください。自分の声を聞いて、それを生かして変化を起こそうとしてください」
「何かを変えるのに年齢は関係ありません。もしあなたが若い人なら、外に出て自分のやるべきことをやってください。世界をより良い場所にしてください」