箱根駅伝予選会プレビュー | 東京国際大や早稲田大、日体大など有力候補を一挙紹介

防衛大学校や東京大学大学院などもエントリー

1 執筆者 オリンピックチャンネル編集部
本戦出場権を掴むのはどのチームになるのか?(写真は昨年大会)/時事

「大学三大駅伝」の一つであり、間違いなくその中でも最高の知名度を誇るのが「箱根駅伝」だ。令和初開催となる今大会で頂点に立つのは、いったいどの大学か。実はそのスタート地点に立つまでにも熾烈な戦いが存在する。憧れの舞台をめざし、熱戦必至の予選会に臨む若きランナーたちを紹介する。

予選会上位10校が本戦への切符を獲得

第96回箱根駅伝予選会が10月26日(土)に行われる。選手たちは9時35分に陸上自衛隊立川駐屯地でスタートを切り、立川市街地を抜けて、国立昭和記念公園のゴールをめざす。合計21.0975キロメートル、ハーフマラソンと同じ距離のコースだ。

参加資格を持つのは、2019年度関東学生陸上競技連盟男子登録者で、予選会ならびに箱根駅伝本大会出場回数が通算4回未満である者。エントリーできるのは各校10名以上14名以下となっているが、出場できるのは10名以上12名以下と定められている。さらに2018年1月1日から申込期日前日となる2019年10月14日までに、各校のエントリー者全員が10000メートルで34分以内のトラックでの公認記録を持っていることも条件となっている。

前回の箱根駅伝での上位10校はシード校として、すでに2020年の箱根出場が決まっている。今回の予選会に出場するのはそれ以外の全43校だ。2018年に比べ、エントリー数は「4」増えた。下記の43校が10枠を争う。

第96回箱根駅伝予選会出場校一覧

1.中央大学

2.早稲田大学

3.日本体育大学

4.日本大学

5.東京国際大学

6.神奈川大学

7.明治大学

8.国士舘大学

9.大東文化大学

10.城西大学

11.山梨学院大学

12.上武大学

13.麗澤大学

14.亜細亜大学

15.専修大学

16.創価大学

17.東京農業大学

18.筑波大学

19.駿河台大学

20.日本薬科大学

21.明治学院大学

22.桜美林大学

23.流通経済大学

24.関東学院大学

25.武蔵野学院大学

26.平成国際大学

27.慶應義塾大学

28.東京経済大学

29.立教大学

30.東京大学

31.東京理科大学

32.帝京平成大学

33.学習院大学

34.一橋大学

35.高崎経済大学

36.東京工業大学

37.防衛大学校

38.芝浦工業大学

39.育英大学

40.東京工業大学大学院

41.東京学芸大学

42.上智大学

43.東京大学大学院

また、この予選を通過できなかった出場校の記録上位者を中心に、関東学生連合チームも選考される。2020年1月2日と3日の箱根本戦にはシード校10校、予選会を勝ち抜いた10校、関東学生連合チームの合計21チームが出場することになる。

予選上位には東京国際大、早稲田大、日体大が入るか

予選突破が有力視されているのは、1019年6月の全日本大学駅伝関東選考会を勝ち抜き、今回の予選会への出場を決めた東京国際大、早稲田大、日体大、明治大の4校。この関東選考会の結果が予選会の結果に反映される傾向が強いと言われている。東国大は1年生ながら圧倒的な活躍を見せるイェゴン・ヴィンセントを中心に、ユニバーシアード日本代表の伊藤達彦をはじめとしたエースぞろいの4年生による、「最後の箱根」に向けた熱い走りに注目が集まる。

早稲田大はともに1年生の井川龍人や鈴木創士や2年生の中谷雄飛といった新星がしっかりと育ってきている。明大は4年生の絶対的エース阿部弘輝が股関節痛によりメンバー入りを外れるアクシデントに見舞われたが、山本佑樹監督は「チームには夏合宿の時に伝えていたのでショックはない。勝負は本戦」と冷静だ。日体大は全身脱毛症という難病を抱えながらも奮闘する1年生の藤本珠輝を筆頭に、持ち前の団結力が光る。

10000メートルの持ちタイムに焦点を当てると、予選参加校のなかで持ちタイム平均がトップの中央大も予選突破が濃厚と見られている。箱根最多となる優勝14回を誇る伝統校だけに、前回惜しくもシード権を逃した悔しさをぶつけてくるだろう。日大は4年間の実業団での実戦経験を持つケニア人ランナー、チャールズ・ドゥングが今年から入学するという異例のケースで話題を集めている。

34年連続34回目の箱根をめざす山梨学院大など、常連校にかかるプレッシャーは相当なものだろう。今季の監督交代の影響がどう出るか、注目される。

東海大は箱根連覇なるか、ダークホース國學院大にも注目

「正月の風物詩」箱根駅伝では、千代田区大手町の読売新聞社前から、箱根町の芦ノ湖までの距離を2日かけて往復する。往路は5区間107.5キロ、復路は5区間109.6キロのため、各区間が20キロ以上と長く、「山登り」「山下り」といった難所があるのも見どころとなっている。前回の結果により本戦出場を決めているのは下記の10校だ。

第96回箱根駅伝 出場校一覧

東海大学

青山学院大学

東洋大学

駒澤大学

帝京大学

法政大学

國學院大學

順天堂大学

拓殖大学

中央学院大学

前回大会では、東海大学が10区間合計10時間52分9秒の大会新記録を打ち立てて初優勝を成し遂げた。昨年優勝を経験したメンバーも引き続き今年の箱根の舞台で主力となる可能性が高く、特に4年生のエース鬼塚翔太は、マラソン日本記録保持者である大迫傑とともにアメリカでの高地トレーニングも経験し、さらに力をつけているだけに、今大会も安定した力を発揮できれば上位に確実に食い込んでくるだろう。一方、常勝軍団の青山学院大は前回、全10区のうち当時の4年生が5人走ったこともあり、今年は主力が大勢抜けた点が懸念視されている

前回、総合7位に入った國學院大學は、前回の往路を走ったメンバーが全員残っている。特に5区で区間新記録を出し、「平成最後の山の神」となった4年生の浦野雄平は、2019年5月の関東インカレ2部では5000メートル、10000メートルで日本人トップの成績を収めるなど、好調をキープしている。國學院大は同じく4年の土方英和も関東インカレ2部のハーフマラソンで頂点に立っており、選手層という部分でも大いに期待できる。

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