東京五輪の球技(団体種目)日本代表は?出場権の獲得状況を整理: 1年延期の影響は?

男子サッカーは年齢制限問題解決、開催国枠ない女子バスケ3×3は予選延期で影響大

3 執筆者 渡辺文重
現行U23メンバーでは前田大然など13選手が年齢制限の影響を受ける可能性があった

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大により、Tokyo2020(東京五輪)の1年延期(2021年7月23日開幕)が決定した。ここでは水球、野球・ソフトボール、バスケットボール、サッカー、ハンドボール、ホッケー、ラグビー、バレーボールといった団体競技の日本代表に与える影響を整理する。

■水泳・水球(ウオーターポロ)

ポセイドンジャパン(水球日本代表)は男女とも、開催国枠で東京五輪に出場することが決定している。強化合宿などは行っているものの、男女とも東京五輪登録メンバーの発表は行っていない。また出場国に関しては、アジア予選と世界最終予選の開催が未定となっている。

男子出場チーム(全「12」枠)

  • 日本
  • セルビア
  • イタリア
  • スペイン
  • アメリカ合衆国
  • オーストラリア
  • ハンガリー
  • 南アフリカ
  • アジア予選「1」枠
  • 世界最終予選「3」枠

女子出場チーム(全「10」枠)

  • 日本
  • アメリカ合衆国
  • スペイン
  • ロシア
  • カナダ
  • オーストラリア
  • 南アフリカ
  • アジア予選「1」枠
  • 世界最終予選「2」枠

■野球・ソフトボール

侍ジャパン(日本野球代表)とソフトジャパン(ソフトボール日本代表)は開催国枠により、東京五輪出場が決定している。野球は2019年に行われた第2回WBSCプレミア12、ソフトボールはたびたび強化合宿を行っているものの、東京五輪登録メンバー(野球は24人、ソフトは15人)の発表は行っていない。出場国に関しては、野球のアメリカ大陸予選と世界最終予選の日程が未定。ソフトボールは全出場国が決定しており、東京五輪の試合日程も発表されていた。

野球出場チーム(全「6」枠)

  • 日本
  • イスラエル
  • 韓国
  • メキシコ
  • アメリカ大陸予選「1」枠
  • 世界最終予選「1」枠

ソフトボール出場チーム(全「6」枠)

  • 日本
  • アメリカ合衆国
  • イタリア
  • メキシコ
  • カナダ
  • オーストラリア

■バスケットボール(5人制・3人制)

AKATSUKI FIVE(5人制バスケットボール日本代表)と男子3×3(3人制バスケットボール)日本代表は、開催国枠により出場が決定。ただし、東京五輪の登録メンバーは発表されていない。一方、女子3×3は開催国枠が認められなかったため、FIBAオリンピック予選トーナメント(OQT)、FIBA3x3ユニバーサリティ・オリンピック予選トーナメント(UOQT)で出場権を獲得する必要があった。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、3月にインド・バンガロールで開催予定だったOQTは延期。その後に開催される世界最終予選となるUOQTを含め、開催日程は未定だ。女子5人制バスケットボールのみ、東京五輪の出場全12チームが確定している。

男子5人制バスケットボール出場チーム(全「12」枠)

  • 日本
  • アメリカ合衆国
  • アルゼンチン
  • スペイン
  • フランス
  • ナイジェリア
  • イラン
  • オーストラリア
  • 世界最終予選「4」枠

女子5人制バスケットボール出場チーム(全「12」枠)

  • 日本
  • アメリカ合衆国
  • オーストラリア
  • スペイン
  • カナダ
  • フランス
  • セルビア
  • 中国
  • ベルギー
  • ナイジェリア
  • 韓国
  • プエルトリコ

男子3×3出場チーム(全「8」枠)

  • 日本
  • セルビア
  • ロシア
  • 中国
  • OQT「3」枠
  • UOQT「1」枠

女子3×3出場チーム(全「8」枠)

  • ロシア
  • 中国
  • モンゴル
  • ルーマニア
  • OQT「3」枠
  • UOQT「1」枠

■サッカー

サムライブルー(男子サッカー日本代表)となでしこジャパン(女子サッカー日本代表)は、開催国枠で東京五輪出場が決定している。男女とも東京五輪の登録メンバーは発表していない。女子は年齢制限などの規定がない一方で、男子は一部の例外、いわゆるオーバーエイジ枠「3」を除き“U-23”、オリンピック開催年に23歳の誕生日を迎える選手までしか出場できない規定となっており、日本に限らず、男子サッカー五輪代表メンバーは、大幅な編成の見直しを余儀なくされる可能性があった。

これを受け、4月3日、FIFAの作業部会は全会一致で年齢制限の24歳までの引き上げを決定。理事会での正式承認を待つだけとなった。

男子は北中米カリブ海予選、女子はアジア予選と大陸間プレーオフが未開催となっている。

男子出場チーム(全「16」枠)

  • 日本
  • サウジアラビア
  • 韓国
  • オーストラリア
  • スペイン
  • ドイツ
  • ルーマニア
  • フランス
  • アルゼンチン
  • ブラジル
  • エジプト
  • コートジボワール
  • 南アフリカ
  • ニュージーランド
  • 北中米カリブ海予選「2」枠

女子出場チーム(全「12」枠)

  • 日本
  • オーストラリア
  • イギリス
  • オランダ
  • スウェーデン
  • ブラジル
  • ザンビア
  • カナダ
  • アメリカ合衆国
  • ニュージーランド
  • アジア予選(韓国or中国)「1」枠
  • 大陸間プレーオフ(カメルーンorチリ)「1」枠

■ハンドボール

彗星JAPAN(男子ハンドボール日本代表)とおりひめJAPAN(女子ハンドボール日本代表)は開催国枠により、ともに東京五輪に出場する。2019年は男女とも世界選手権に出場しており、そのメンバーが中心になると思われるが、現時点で東京五輪の代表は発表されていない。出場国は男女とも、全12チーム中6チームのみが決定。残りの出場チームは世界最終予選で決定されるはずだったが、延期となっている。

男子出場チーム(全「12」枠)

  • 日本
  • デンマーク
  • バーレーン
  • アルゼンチン
  • スペイン
  • エジプト
  • 世界最終予選「6」枠

女子出場チーム(全「12」枠)

  • 日本
  • フランス
  • アンゴラ
  • 韓国
  • ブラジル
  • オランダ
  • 世界最終予選「6」枠

■ホッケー

サムライジャパン(男子ホッケー日本代表)とさくらジャパン(女子ホッケー日本代表)は、東京五輪に開催国枠で出場。ホッケー競技は男女とも全出場チームが決定、すでに東京五輪の試合日程も発表されていた。まだ東京五輪の登録メンバー発表はされていないが、出場予定だった国際トーナメントが延期になるなど、強化には影響が出ている。

男子出場チーム(全「12」枠)

  • 日本
  • アルゼンチン
  • 南アフリカ
  • ベルギー
  • オーストラリア
  • オランダ
  • スペイン
  • カナダ
  • インド
  • ニュージーランド
  • イギリス
  • ドイツ

女子出場チーム(全「12」枠)

  • 日本
  • アルゼンチン
  • 南アフリカ
  • オランダ
  • ニュージーランド
  • オーストラリア
  • スペイン
  • 中国
  • インド
  • イギリス
  • ドイツ
  • アイルランド

■ラグビー(7人制)

オリンピックで行われる種目は「セブンズ」とも呼ばれる7人制のみとなっている。日本は男女とも開催国枠で出場。日本ラグビーフットボール協会(JRFU)はセブンズ・デベロップメント・スコッド(SDS)という枠組みを作り、7人制ラグビーの強化を行っている。そうした中で注目されるのが、15人制の日本代表としても活躍した福岡堅樹だ。福岡はSDSの一員だが、2020年度限りでの現役引退を公言。どのような判断を下すのか注目されている。出場国に関しては、男女とも世界最終予選を残しているものの、世界最終予選の日程は未定。

男子出場チーム(全「12」枠)

  • 日本
  • フィジー
  • アメリカ合衆国
  • ニュージーランド
  • 南アフリカ
  • アルゼンチン
  • カナダ
  • イギリス
  • オーストラリア
  • ケニア
  • 韓国
  • 世界最終予選「1」枠

女子出場チーム(全「12」枠)

  • 日本
  • ニュージーランド
  • アメリカ合衆国
  • カナダ
  • オーストラリア
  • ブラジル
  • イギリス
  • ケニア
  • フィジー
  • 中国
  • 世界最終予選「2」枠

■バレーボール・ビーチバレーボール

バスケットボールは5人制も3人制も、国・地域が出場枠の単位となるが、バレーボールの場合はインドアの6人制は国・地域単位、ビーチバレーボールはチーム単位で出場枠を争っている。つまり、ビーチバレーボールに関しては、個人種目のような選考が行われていると考えた方が良い。

6人制いわゆる通常のバレーボールは、男女とも出場12チームが全て決定。東京五輪の試合日程も発表されていた。龍神NIPPON(男子バレーボール日本代表)、火の鳥NIPPON(女子バレーボール日本代表)の各代表選手選考に関しては、2019-2020シーズンのVリーグ終了後から、強化合宿などが行われている。ここに海外リーグ所属選手も加わり、東京五輪メンバーが決定される見込みだ。

一方、ビーチバレーボールの出場枠は男女とも、国・地域ごとで最大「2」となっている。日本は開催国枠として男女とも「1」が保証されており、開催国枠を巡っては、5月に代表決定戦を行う予定だった。(延期が決定)もう「1」枠は、FIVB(国際バレーボール連盟)オリンピックランキングで上位15組に入ることで獲得を狙う。

男子バレーボール出場チーム(全「12」枠)

  • 日本
  • ブラジル
  • アメリカ合衆国
  • イタリア
  • ポーランド
  • ロシア
  • アルゼンチン
  • フランス
  • チュニジア
  • イラン
  • ベネズエラ
  • カナダ

女子バレーボール出場チーム(全「12」枠)

  • 日本
  • セルビア
  • 中国
  • アメリカ合衆国
  • ブラジル
  • ロシア
  • イタリア
  • トルコ
  • ケニア
  • 韓国
  • アルゼンチン
  • ドミニカ共和国

ビーチバレーボール日本代表

  • 男子:「2」組まで ※開催国枠は「1」
  • 女子:「2」組まで ※開催国枠は「1」
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