御護守将太:アメリカ育ちのニューヒーローは、わずか2歳で乗馬人生をスタート
2018年のアジア競技大会は19歳で5位の好成績
御護守将太(おごもり・しょうた)は2019年5月3日に二十歳の誕生日を迎える。アメリカで生まれ育ち、常に世界と戦ってきた期待の新星は、日本馬術界のさらなる発展に貢献するという大きな夢を抱く。2020年、母国の日本で世界基準の技術を披露し馬術の魅力を伝えられれば、その夢の実現はぐっと近づく。
父との二人三脚で歩んできた障害馬術の道
御護守将太(おごもり・しょうた)は1999年5月3日にアメリカで生を受けた。障害馬術に打ち込み、コーチとしても活躍していた父の影響で、2歳という幼さですでに馬に乗っていたという。
父との二人三脚で練習に励み、次第に乗馬にのめり込んでいった御護守は、小学校6年生のころから競技会への参加を始める。家族の手厚いサポートを受け、アメリカの学校に通い、長期休みの際は日本と行き来しながらトレーニングを重ねる生活を送った。
2014年、15歳の時に全日本ジュニア障害馬術大会のジュニアライダー障害飛越選手権で優勝を果たすと、アメリカの大会でも次々と入賞するなど存在感を発揮。2015年11月には全日本障害馬術大会でも5位に食い込む健闘を見せ、国際舞台で積み上げてきた技術を堂々と披露した。
馬術競技者と学生という二足のわらじを履きこなし、2018年6月には無事カリフォルニア州のチャップマン大学を卒業した。「文武両道」を体現している。御護守のインスタグラムをのぞけば、今どきの若者らしくスマートに休日を楽しむ一面が垣間見える。一方で、愛馬とともに障害物を優雅に飛び越える写真の数々は、その実力の高さとスター性をあらためて示している。
「選手や競技のイメージを向上させていきたい」
神奈川県にある藤沢乗馬クラブに所属しながら、現在もアメリカを拠点に戦う御護守はアメリカ国内のリーグ戦で安定して好成績を収めている。日本代表としても2018年8月のアジア競技大会では障害馬術の個人で5位、団体戦では杉谷泰造、福島大輔、枡井俊樹とともに銀メダルを獲得した。
アメリカと日本という2つの故郷を持つ御護守にとって、日の丸を背負って戦うことは特別な意味を持っている。御護守は以前、アメリカのメディアの取材に応じて、次のように話している。
「日本ではまだまだ馬術という競技が知られていないので、選手や競技のイメージをもっと向上させていきたい。若い選手たちがもっともっと海外に出て、経験を積みたいと思ってくれたらうれしい。僕がそんな架け橋になれたらと思っている。東京五輪で結果を残すことでメディアに取り上げられれば、選手たちはよりレベルの高い馬に乗ることができるようになるし、競技全体のレベルも上げられる」。
21歳で迎える2020年の夏。御護守が見据えるのは馬事公苑で行われる「障害馬術」だ。アメリカでも人気を誇る新星は、東京五輪というひのき舞台で世界基準の技術を遺憾なく発揮し、日本の馬術界に新鮮な風をもたらすべく、日々トレーニングに励んでいる。