12月21日、東京・代々木第1体育館で第88回全日本フィギュアスケート選手権の女子シングル・フリースケーティングが行われた。紀平梨花がフリー155.22点、トータル229.20点で全日本フィギュア初優勝を飾り、世界選手権代表の座を掴んだ。2位には樋口新葉、3位には川畑和愛が入った。
19日のショートプログラムで1位に立った紀平梨花が、この日のフリーでも主役となった。冒頭のサルコウは4回転には挑まず3回転としたが確実に決めると、次のトリプルアクセル-トリプルトゥループのコンビネーションジャンプも成功させた。演技中盤でもトリプルアクセルを決めるなどすべてのジャンプでGOE(出来栄え点)を獲得。スピンとステップでは全てレベル4と完成度の高いパフォーマンスを見せ、観客からはスタンディングオベーションが起こった。フリーでは国内参考記録ながら自己ベストの155.22点をマークし、トータル229.20点で全日本フィギュア初優勝を果たした。
演技後のインタビューでは今大会について「不安だったが、今日のような演技ができて自信になった」とコメント。4回転ジャンプを回避したことについては直前で決めたと話し、「4回転を回避した分、トリプルアクセルにトリプルトゥループを付けた。難しい構成をこなせてよかった」と振り返った。出場が内定した世界選手権については「今回のショートプログラムではミスがあったので、ノーミスの演技をしたい。また、今日回避した4回転も入れたい」と意気込みを語った。
2位にはショートプログラム4位からスタートした樋口新葉。トリプルフリップの着氷がやや乱れるなどミスはあったものの、ジャンプには高さがあり全て着氷させた。フリーで138.51点、トータル206.61点をマークしシーズンベストを更新。準優勝だった2018年世界選手権以来の200点越えを達成し、演技後には笑顔とガッツポーズも見られた。インタビューでは「今シーズンは自分の納得する演技が出来ていなかったが、目標としていた全日本ですべて出せたので良かった」と振り返った。回避したトリプルアクセルについては「練習で良ければ入れる予定だったが、安全を求めてダブルアクセルにした」とコメント。今後については「次の試合はわからないが、目標を高く持てると思う」と語った。
3位はトータル193.96点を記録したジュニアの川畑和愛、全日本フィギュア5度目の優勝を狙った宮原知子は4位。宮原は3回転ループが2回転になると、その後のジャンプでも乱れが出て得点を伸ばせず121.32点、トータル191.43点に終わった。
昨年大会女王の坂本花織は3回転ループ-3回転トゥループのコンビネーションジャンプでミスが出てしまうと、後半も立て直すことができなかった。フリー118.31点、トータル188.26点の6位に留まり、演技後は悔しさからか顔を手で覆い、険しい表情を見せた。
女子シングルの上位の結果は以下。
全日本フィギュア女子シングル結果
- 紀平梨花:229.20点 FS155.22点/SP73.98点
- 樋口新葉:206.61点 FS 138.51点/SP 68.10点
- 川畑和愛:193.96点 FS 128.43点/SP 65.53点
- 宮原知子:191.43点 FS 121.32点/SP 70.11点
- 横井ゆは菜:190.92点 FS 128.02点/SP 62.90点
- 坂本花織:188.26点 FS118.31点/SP 69.95点