バスケットボール女子日本代表にとって、2020年東京五輪でのメダル獲得はまさに悲願と言える。そのチームにおいて、貴重な得点源として活躍しているのがトヨタ自動車 アンテロープスに所属する藤高三佳(ふじたか・みか)だ。彼女のプレースタイル、最大の武器、代表におけるキャリア、そして東京五輪に向けた心境に迫る。
リオ五輪ではベスト8進出の原動力に
「私の仕事は、3ポイントシュートを狙うこと」
バスケットボール女子日本代表の藤高三佳(ふじたか・みか/旧姓は栗原)の最大の武器は、かつてある取材で本人がこう語ったように、3ポイントシュートだ。得意だからこそ遠めからも果敢に得点を狙う。その成功率は驚異的だ。
2016年のリオデジャネイロ五輪では、ベラルーシとの1次リーグ初戦でチーム最多となる20得点を挙げるなど、大会を通じて絶対的なエースである渡嘉敷来夢に続く、チーム2位の平均12.7得点をマーク。日本のベスト8進出の原動力となった。
そのなかで、全6試合に出場した彼女の3ポイントシュートの成功率は、大会全体で3位となる51.1パーセント。実に2本に1本の3ポイントシュートがリングをとらえるというハイレベルなパフォーマンスをオリンピックという大舞台で披露した。
チームをまとめ、若手との競争に挑む
1989年5月14日生まれ、大阪府出身の藤高は、地元の大阪薫英女学院高校、大阪人間科学大学を経て、2012年にトヨタ自動車 アンテロープスに入団した。
シーズンごとにクラブシーンで見せる活躍は、そのまま日本代表チームでの躍動へとつながっていく。
2014年、トヨタで2シーズン目を戦い終えた後に日本代表に初選出。同年の女子バスケットボール世界選手権に出場すると、2015年にはアジア選手権のメンバーに名を連ね、日本の優勝に貢献した。先述のとおり、2016年はリオデジャネイロ五輪でチームの中軸としてプレーしている。
2017年は負傷が続き年間を通して代表チームの活動から遠ざかった。それでも、ヘッドコーチのトム・ホーバスからの信頼は厚く、2018年4月、約1年半ぶりに日の丸の入った練習ウェアに袖を通した。
同年9月にはFIBAワールドカップ2018に向かう12名に選ばれる。藤高にとっては29歳で迎えた大会となり、高田真希と並んでチーム最年長。中国に敗れ、準々決勝進出は果たせなかったものの、平均年齢24.3歳と若いグループをけん引しつつ、チームメートから刺激を受けた。大会前、すでに藤高はこう話していた。
「若い選手が底上げしてくれることでチーム力はアップします。彼女たちに置いていかれないように、自分もがんばっていこうとプレッシャーをかけています」
チームをまとめ、若手との競争に挑むなか、目標に掲げる2020年の東京五輪出場に向けて最大限の成長を誓う。自信はある。2018年にメディアの取材に応え、プライドをにじませた。
「自分の力が通用すれば勝ち残ることができると思います。いいメンバーはたくさんいるので、そのなかでうまくなれたらいい。何よりも成長することが一番です」