国際スケート連盟(ISU)は5月14日、公式サイト上でジャンプの基礎点変更など、2020-21シーズンから採用される採点について説明した。4回転ジャンプはルッツ、フリップ、ループの基礎点はすべて11.00点となった。4回転ループは、2016年オータムクラシックで羽生結弦が世界で初めて成功させた。
今回の採点基準の変更により、4回転ルッツ、4回転フリップ、4回転ループの基礎点がすべて11.00点となった。以前は、4回転ループは10.50点、4回転ルッツは11.50点だった。4回転フリップは11.00点から変更されなかった。また、3回転ではルッツが5.90点から5.30点に下がり、フリップと同じ基礎点となった。ISU技術委員会のファビオ・ビアンケッティ委員長は、「シーズン中に行った調査の結果、3回転フリップと3回転ルッツの難易度は同じと考えられた。どちらのジャンプの難易度が高いかは非常に主観的なもので、スケーターの身体による部分が大きい」とした。続けて、「シングルやダブルのルッツは、フリップよりもまだ少し難しいと考えられるが、3回転や4回転ジャンプではこの差は消える。統計を見ると、4回転ループが最も難しい4回転である可能性が高いが、これもスケーターの身体に依存するので、すべての4回転ジャンプに同じ基礎点を与えることにした」と今回の変更について説明した。
その他の変更では、ジャンプの回転不足について"オン・ザ・クオーター"を導入する。これにより20-21シーズンから、ジャンプの回転不足の度合いに応じて、そのジャンプを "オン・ザ・クオーター"、"回転不足"、"ダウングレード"と判定することとなる。ビアンケッティ委員長は、「ジャンプが"回転不足"と判定された場合、基礎点と出来栄え点(GOE)両方の減点があり、ペナルティは非常に高かった」と指摘。「 "オン・ザ・クオーター"を導入することで、基礎点は変わらず、GOEのみの減点になるためスケーターにとってより公平になる」とした。