北京2022を最後に引退するかもしれない冬季オリンピックのスター選手とは?

北京2022は、世界的に有名な冬のアスリートが出場する最後の大会になる可能性がある。2月4日から20日まで開催される冬季オリンピックを最後に引退するかもしれない大物アスリートを紹介しよう

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ハロッテ・カッラ
(2018 Getty Images)

ショーン・ホワイト(アメリカ)・スノーボード

「もちろん、(引退を)考えている」

ホワイトはローリングストーン誌に、北京2022を最後に引退することを可能性について触れた。15歳の時のソルトレークシティ2002の代表選考で、最後の1枠をわずかの差で逃してしまった悔しさをバネにして、トリノ2006から連続出場を果たしているレジェンドは、北京2022で5大会目の出場となる。引退の文字が頭に浮かぶ今、オリンピック金メダル3個獲得という自身の記録をさらに更新することに意欲的だ。「フライング・トマト」の異名をとり、赤毛がトレードマークのスーパースターは、オリンピック史上最年長のスノーボード・ハーフパイプ選手として今大会に挑む。

ドイツ・リュージュ界のレジェンド

心臓が止まってしまいそうなほどのスピードで、氷のコースを駆け抜けるスリリングなスポーツのリュージュにおいて、「恐れ知らずなのは若者だけ」という概念を覆すアスリートたちがいる。ドイツのベテラン選手たちは、男女それぞれの1人乗りと、男子2人乗りで、最後になるかもしれないオリンピックメダル獲得を目指して、北京2022のオリンピックコースを滑走する予定だ。北京2022において、フェリックス・ロッホ(32)は、4個目の金メダルを獲得することができるだろうか? トビアス・ベンドル(34)とトビアス・アールト(34)に並んで、史上最も成功したルガーであるナタリー・ガイゼンベルガーは、5個目の金メダルを手にすることができるだろうか? そして2人乗りのペアは、3大会連続で金メダルをドイツチームへもたらすことができるだろうか?

(2014 Getty Images)

ケイリー・ハンフリーズ(アメリカ)・ボブスレー

バンクーバー2010とソチ2014のオリンピック金メダリストは、すでに体表の6割にタトゥーが入れられている。すなわち、36歳になるハンフリーズが、北京2022のボディアートをどこに描くかについては定かでない。平昌2018で銅メダルを獲得した後、彼女はこう言った。「女子ボブスレーが冬季オリンピックに登場して、まだ5大会目だけれど、私はそのうち3回で表彰台に立っている」 。新たにアメリカ国籍を取得したハンフリーズは、ブレーキウーマンのロロ・ジョーンズ(39)とともに、北京2022に出場する。そして、オリンピック新種目となる女子モノボブにも挑む。

(2010 Getty Images)

マルティン・ドゥクルス(ラトビア)・スケルトン

この10年間で、ドゥクルスはラトビアの切手に描かれたり、ラトビアで最高とされる市民栄誉賞を受賞したり、オリンピック開会式で旗手を務めたりするなど、スケルトンの世界選手権や欧州選手権のほとんどを制覇したことで、スーパーマンというニックネームを授かった。これまで、オリンピック4大会に出場し、2個の銀メダルを獲得した37歳のドゥクルスは、最後の出場になるかもしれない北京2022で、金メダルを目指す。「年齢によって成功するかどうかが決まるわけではない」と、彼はメディアに語っている。

(2010 Getty Images)

ヒラリー・ナイト(アメリカ)& ジョセリーヌ・ラロック(カナダ)・アイスホッケー

ヒラリー・ナイト(32)とジョセリーヌ・ラロック(33)は、それぞれアメリカとカナダで15年ほどプレーしてきた。どちらもオリンピックで金メダルを獲得しているが、両チームの壮絶なライバル関係(オリンピック決勝戦で両チームの対戦にならなかったのは、6大会のうち1度だけ)は、ラロックの神経を尖らせているようだ。彼女は、平昌2018の表彰式で銀メダルを外したことを謝罪し、失意の瞬間は「あまりにも視野が狭くなっていた」と釈明した。一方のナイトは、まだ5歳か6歳のとき「女子アイスホッケーはまだオリンピック種目でなかったのに、とにかくオリンピックに参加したいと思っていた」と話す。北京2022で、最終的に栄冠を手にするのは、いったいどちらのチームだろうか?

(2018 Getty Images)

スベン・クラマー(オランダ)・スピードスケート

クラマーは、冬季オリンピック4大会で9個のメダルを獲得し、男子スピードスケート選手の中で、最多のタイトルを手にしている。小さな娘を抱き上げることができなくなるほど体に限界を感じていたクラマーだったが、北京2022への希望を諦めきれず、2021年5月に背中の手術に踏み切った。オリンピック史上、5個の金メダルを獲得したスケーターはこれまで2人しかいない。果たしてクラマーは、その栄光メンバーに加わることができるだろうか?

(Getty Images)

ハロッテ・カッラ(スウェーデン)・クロスカントリースキー

ソチ2014女子クロスカントリーの4×5kmリレーで、カッラは27秒もの差がついた劣勢を覆して、スウェーデンチームのアンカーとして金メダル獲得に貢献した。そして、その功績からわずか数時間後、彼女の地元ノルボッテン州の空港は「カッラ・エアポート」と名称を変えたのだ。金メダル3個を含む9個のオリンピックメダルを獲得している、スウェーデンで最も称えられている女性アスリートのカッラは、心臓病と闘いながら、4大会目となる北京2022に臨む。幸運なことに彼女にとってトレーニングは「犠牲などではなく、自分が心から愛し、毎日楽しみにしていること」だと話す。

(2018 Getty Images)
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