オールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブ(イギリス・ロンドン)で開催中のテニス四大大会(グランドスラム=GS)のひとつ、ウィンブルドン選手権2022は現地時間7月10日、大会14日目の最終日を迎え、各種目の決勝を実施した。
■男子シングルス決勝
ウィンブルドン3連覇中のノバク・ジョコビッチ(セルビア)が、満席のセンターコートに登場。対戦相手は、GS決勝初進出のニック・キリオス(オーストラリア)。第1セットをキリオスに奪われてしまうものの、冷静さを保つジョコビッチはここからギアを上げる。第2と第3セットを連続して奪取し、逆転に成功。第4セットでは、両者の一歩も引かないプレーが続くが、最終的にこのセットもジョコビッチに軍配が上がり、セットカウント3-1(4-6、6-3、6-4、7-6[7-3])でジョコビッチが大会4連覇を成し遂げた。これにより、ジョコビッチのウィンブルドン優勝記録は「7」、GS優勝回数は「21」と自身のもつ記録を更新した。
■車いすテニス男子シングルス決勝
前日(7月9日)の車いすテニス男子ダブルスでも優勝を飾った国枝慎吾が、ウィンブルドン決勝の舞台へ再び登場し、アルフィー・ヒューエット(イギリス)と対戦する。ホームの熱い声援を受けてヒューエットが第1セットを奪うが、接戦となった第2セットを国枝が奪取し、同点に追いつく。最終の第3セットでも両者の攻防戦が続くが、最終的に国枝が粘りのプレーでこのセットを奪い、セットカウント2-1(4-6、7-5、7-6[10-5])で、ウィンブルドンで初優勝を決めた。
これにより、シングルスとダブルスの通算で、国枝はGS優勝回数を「50」とし、さらに昨夏のTokyo 2020パラリンピックの優勝もあわせて、GS制覇だけでなく「生涯ゴールデンスラム」を達成、記録ずくめの大会となった。
■車いす女子ダブルス決勝
上地結衣は、ダナ・マシューソン(アメリカ合衆国)とペアを組んで、ウィンブルドン決勝へ進出。ディーデ・デフロート/アニク・ファンクート(ともにオランダ)と対戦し、2-0(6-1、7-5)とストレート勝ちでウィンブルドンのタイトルを獲得した。この結果により、上地はウィンブルドン車いすテニス女子ダブルスで2大会連続優勝となった。
このほか、女子ダブルス決勝では、バルボラ・クレイチコバ/カテリーナ・シニアコバ(ともにチェコ共和国)のペアが、2018年以来2度目の優勝を決めている。
ウィンブルドンのセンターコート100周年を記念した今大会では、新たな記録が打ち立てられるなど興奮さめやらぬ中、その幕を下ろした。