1987年5月に1週間違いで生まれたアンディー・マレー(英国)、そしてノバク・ジョコビッチ(セルビア)。10代の頃から互いにテニスコートに立ち、度々顔を合わせてきたふたりのライバルが、今、同じ目標に向かってチームを組む。
パリ2024オリンピックの男子シングルスで悲願の金メダルに輝いたジョコビッチは11月23日、1月の全豪オープンに向けてマレーがコーチを務めることをソーシャルメディアで発表した。
ロジャー・フェデラーが2022年に、マレーがパリ2024を最後にラケットを置き、そしてラファエル・ナダルが先日引退したことで、37歳のジョコビッチはテニス界の「ビッグ4」の中で唯一残った選手。彼はグランドスラム・シングルスで24勝をあげているが、今年はその数を積み上げることはできなかった。
3月にゴラン・イワニセビッチと関係を解消したジョコビッチは、グランドスラム25勝目に向けて、マレーの力を借りることになる。マレーはグランドスラムで3勝をあげ、オリンピックで2度優勝。ジョコビッチは、全豪オープンの決勝でマレーを4度破っている。
ジョコビッチは「僕らは子どもの頃から対戦してきた。25年間ライバルとして競い合い、お互いの限界を先へ先へと押し進めてきた」とし、「僕らはこのスポーツで最も壮絶な戦いを繰り広げてきた。僕らはゲームチェンジャー、リスクテイカー、ヒストリーメーカーと呼ばれた」と続けた。
「僕たちの物語は終わったかもしれないと思っていた。しかし、最終章があることがわかった。最も手ごわい対戦相手のひとりが、僕のチームに加わるときが来た。コーチのアンディ・マレーを歓迎するよ」
マレーは発表の中で「オフシーズンにノバクのチームに加わり、彼が全豪オープンに向けて準備するのを手伝うことになった。ノバクとネットの同じ側で、彼の目標達成と変化をサポートする。楽しみにしているよ」とコメントした。
2人はプロテニスで36度対戦し、ジョコビッチが25度勝利。マレーの11勝のうちのひとつは2013年のウィンブルドン決勝で、マレーはこの試合でジョコビッチに勝って優勝し、1936年のフレッド・ペリー以来となる英国人のウィンブルドン男子シングルス王者となった。