岡慎之助が鉄棒で金! 今大会3冠達成!メダル4つ目/体操パリ2024
7月27日の予選からはじまったパリ2024オリンピック体操男子競技の最終種目となった種目別・鉄棒決勝が、8月5日13時33分(現地)、ベルシー・アリーナで行われた。体操ニッポン男子は、団体戦で2大会ぶりの金メダルを獲得。個人総合では日本男子代表メンバー最年少20歳の岡慎之助が2冠を達成し、さらに種目別の平行棒で銅メダル、そして鉄棒で金メダルを獲得する快挙を達成した。
予選2位通過のタン・チャーホン(唐嘉鸿/Chinese Taipei)が、カッシーナで手を滑らせて落下し、13.966点で演技を終えた後、決勝2番目に登場した岡は、コールマン、カーチェフの離れ技から着地までをしっかりと決め、14.533点でトップに立つ。3番目にオリンピック初出場の17歳、アンヘル・バラハス(コロンビア)が岡と同得点を出すも、Eスコア(完成度を得点化した演技実施点)が岡よりも低かったため、暫定2位となる。予選を3位で通過した杉野正尭(たかあき)は、離れ技カッシーナで鉄棒を掴めずに落下。演技を再開するも着地で崩れ11.633点で決勝を終えた。続いて登場したオールラウンダーの中国エース、チャン・ボヘン(張博恒)は、コールマン、カーチェフ、カッシーナなどの組み合わせで高いDスコア(演技内容や難易度などの演技価値点)の大技を決めるも、最後の着地で大きく乱れ、前に手を付いて倒れたことでスコアが伸びず13.966点にとどまった。
東京2020種目別の鉄棒で橋本大輝に続き銀メダルのティン・スルビッチ(クロアチア)が演技するも、離れ技をミスして落下、再度の演技でもバランスを崩して11.333点に終える。最後は団体戦最終種目の鉄棒で序盤で落下したス・ウェイデ (苏炜德)がリベンジをかけて挑むも、チャン同様に着地で大きく乱れたことで5位(13.433点)となり、岡の金メダルが確定。パリ大会4つ目(金3、銅1)のメダルを掴んだ。会場で応援に駆け付けた橋本大輝は、岡に駆け寄るとハグを交わし、「お前やばい!!」と賞賛した。
メダル候補を含めた3人の落下や、中国勢2人の着地の失敗など、大波乱の中で混戦となった種目別の鉄棒。3位には、DスコアとEスコアが全く同じであった中国のチャンとチャイニーズタイペイのタンの2人が銅メダルを獲得。岡は、コロンビア代表のバラハスに得点では並んだものの、技の出来栄えと完成度を示すEスコアで上回ったことで、金メダルを獲得した。バハラスは、体操競技でコロンビアに初のオリンピックメダルをもたらした。
日本男子の3冠達成は、ミュンヘン1972オリンピックの加藤沢男以来、52年ぶりの偉業で、体操競技でオリンピック1大会4個のメダル獲得は、ロサンゼルス1984の具志堅幸司以来、40年ぶりの快挙となった。
また、体操日本女子で唯一種目別・ゆかの決勝に進出した16歳の岸里奈は、13.166点で7位に入賞。金メダルはレベッカ・アンドラーデ(ブラジル)、銀はシモーネ・バイルズ(アメリカ合衆国)、銅は同国のジョーダン・チャイルズが獲得した。
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