【スノーボード・ビッグエア】岩渕麗楽と大塚健が開幕戦で優勝!

スイス・クールで現地時間10月22日に開かれた今季ワールドカップ開幕戦となるスノーボード・ビッグエアにおいて、平昌2018と北京2022の2大会連続4位入賞の岩渕麗楽と、北京2022代表の大塚健が、それぞれ優勝した。また、男子では、飛田流輝が2位に入り表彰台に並んでいる。

1 執筆者 Yukifumi Tanaka/田中幸文
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(2022 Getty Images)

昨冬の北京2022が閉幕し、暑い夏も過ぎて、いよいよミラノ・コルティナ2026に向けた新たなオリンピックサイクルが動き出すーー。

国際スキー連盟(FIS)主催のスノーボード・ビッグエアのワールドカップ今シーズン(2022/2023)の幕開けとなる第1戦が、スイス・クールにおいて、現地時間10月22日に行われた。

圧勝の岩渕麗楽

今大会の女子には、日本代表4名を含む24名がエントリー。その日本勢4名全員が予選を勝ち上がり、上位8名による決勝へ進出した。今大会のビッグエア決勝では、オリンピックと同様に3回のラン(パフォーマンス)を行い、そのうち上位ふたつのベストスコアの合計で順位が争われた。

平昌2018と北京2022の同種目において、2大会連続で4位入賞を果たしている岩渕麗楽が、午前に行われた予選を1位で通過し、午後の決勝でも1回目のランから大会ベストスコアであり、かつ唯一の90点越えとなる90.75という高得点をマークし、2回目のランでも89.75を記録して、首位に立つ。他選手が岩渕を追い越せない中、最後の3回目のランでも、圧倒的なパフォーマンスでさらに自身のスコアをさらに更新する90.00をマークして会場を盛り上げる。最終的に岩渕は合計スコアを180.75とし、圧勝して今季ワールドカップで好スタートを切った。

また、平昌2018と北京2022のスノーボード女子ビッグエアで2大会連続金メダルに輝くアンナ・ガッサー(オーストリア)は合計スコア164.75で2位、北京2022で日本勢初となるビッグエア銅メダルを獲得した村瀬心椛の妹である村瀬由徠(むらせ・ゆら)が、最終スコア129.75で4位に入った。村瀬心椛は、スコア119.00で5位、枝松千優は7位(スコア:80.50)に終わった。

女子ビッグエア決勝の主な上位成績は以下の通り。

  1. 岩渕麗楽 180.75
  2. アンナ・ガッサー(オーストリア) 164.75
  3. ジャスミン・ベアード(カナダ) 131.25
  4. 村瀬由徠 129.75
  5. 村瀬心椛 119.00

大塚と飛田でワンツー

51名がエントリーした男子ビッグエアでは、予選の上位10名が決勝へ進出できる。予選競技のスタートを切った日本代表6名のうち、2名が決勝へと駒を進めた。

女子と同様に、男子の決勝でも3回のうち上位ふたつのベストスコア合計で争われた結果、北京2022の同種目で9位となり惜しくも入賞を逃した大塚健が、1回目(77.75)と2回目(88.75)のランでハイスコアを記録して首位に立つと、そのスコアを他選手が追い越すことができず、合計スコア166.50で逃げ切って優勝を決めた。また、2位には、大塚と同じく北京2022日本代表を務めた飛田流輝が、2回目のランで86.75をマークし、さらに最終のランでも53.25を記録して、合計スコア140.00で2位に入った。これにより、日本勢が表彰台上位を独占した。

男子ビッグエア決勝の表彰台成績は以下の通り。

  1. 大塚健 166.50
  2. 飛田流輝 140.00
  3. ニック・プエンター(スイス) 125.50

なお、今ワールドカップでは、フリースタイルスキーのビッグエアも行われた(現地時間21日)が、男女ともに日本代表はこの種目に出場していない。

スノーボード・ビッグエアとは?

スノーボードのオリンピック種目は5つある。そのなかでも、ビッグエアはオリンピックヒストリーの中で最も新しい種目で、平昌2018で初めて実施された。

ビッグエアは、スノーボーダーが巨大なジャンプ台から飛び出して、空中で最高のトリックを披露するシンプルな種目だ。

コース上でジャンプや技(トリック)を繰り出していくスロープスタイルとは異なり、ビッグエアはワントリックを確実に決めることが重要となる。大会のフォーマットにもよるが、選手は通常、2回もしくは3回のランを行う。同じトリックを3度繰り返す選手も珍しくはない。

審査員は、高さ・難易度・発展性・完成度・着地の5つの基準で演技を採点する。

2022/2023ワールドカップ・ビッグエア日程

  • 2022年10月21日、22日 クール(スイス)※終了
  • 2022年11月25日、26日 ファールン(スウェーデン)
  • 2022年12月3日 北京(中華人民共和国)
  • 2022年12月10日 エドモントン(カナダ)
  • 2022年12月16日、17日 コッパーマウンテン(アメリカ合衆国)
  • 2023年1月14日 クライシュベルク(オーストリア)

2023年FISスノーボード世界選手権は、2023年2月19日〜3月5日の日程でバクリアニ(ジョージア)で開催される。

FISのイベント以外では、2023年1月27日〜29日に米コロラド州アスペンのバターミルクで、22年連続となるXゲームズ・アスペンが開催される。

このほか、結果や放送予定、各種最新情報はFIS公式ウェブサイトより確認できる。

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