パリ2024パラリンピック、8月31日〜9月2日の見どころ…トライアスロンや車いすラグビーに注目

執筆者 Annie Fast
1 |
Satoru Yoneoka and guide Kohei Tsubaki of Team Japan exit the water during the men's PTVI Triathlon on day 4 of the Tokyo 2020 Paralympic Games
写真: 2021 Getty Images

パリ2024パラリンピックでは、スタッド・ド・フランスの紫色の陸上トラックから、ローラン・ギャロスの赤土のコート、そしてパリ・ラ・デファンス・アリーナの青い水面まで、各会場で競技が行われ、4,400人を超えるパラリンピアンたちが、11日間にわたって競技を繰り広げる。

競技3日目となる8月31日から9月2日までのハイライトのひとつは、パラトライアスロンだろう。華麗な装飾が施されたアレクサンドル3世橋が発着地点となり、9月1日に全レースが予定されている。

また、シャン・ド・マルス・アリーナでは、男女混合の8チームが激しくぶつかり合う車いすラグビーがクライマックスを迎える。エッフェル塔のふもとにあるエッフェル塔スタジアムでは、最大12,860人の観客がブラインドサッカーの選手たちのプレーに釘付けになるだろう。そしてパラ陸上競技パラ水泳では、連覇を目指すパラリンピックのスター選手たちに加えて、大舞台での躍進を狙う新たな若手選手も登場する。

8月31日の主な試合と注目選手

パラテコンドーの最終日となるこの日は、男子80kg超級(K44クラス)の決勝など、見応えのある試合が予定されている。この競技は東京2020でパラリンピック競技として初めて実施され、準決勝で足を骨折したアメリカ合衆国のエバン・メデルが見事銅メダルを獲得した。このファイターは今大会にも登場し、金メダル獲得を目指す。

水泳が行われるパリ・ラ・デファンス・アリーナでは、開会式で日本代表選手団の旗手を務めた27歳の西田杏が女子200m個人メドレー(SM7)に登場する。生まれつき左腕と右脚が短く、義足を使って生活する西田は、小学生のときから水泳を始め、バタフライを中心に活躍。同日行われる200m個人メドレーでは5月に日本記録を樹立し、さらなる記録が期待される。

一方、水泳のイオナ・ウィニフリス(英国)がパラリンピックデビューを飾る。13歳のウィニフリスは、すでにヨーロッパ選手権で2冠を達成しており、100m平泳ぎ(SB7)では1分39秒29という国内およびヨーロッパ記録を誇る。

写真: Toru Hanai/Getty Images

9月1日の主な試合と注目選手

ブラインドフットボールが始まり、開幕戦として日本代表とコロンビア代表の試合が行われる。また、東京2020のパラローイングPR1女子シングルスカルで金メダルを獲得したノルウェーのビルイト・スカシュテインが連覇を狙う。 地元ノルウェーでは、テレビ番組『ダンシング・ウィズ・ザ・スターズ』にも出場している人気者の彼女は、家族や友人、ファンが大勢応援に駆けつける中で最後の大会を迎えることになるだろうと語っている。

パラアーチェリーのマット・スタッツマン(米国)は、パリ2024が4回目のパラリンピック出場となる。「腕のないアーチャー」として知られる世界王者のスタッツマンは、ロンドン2012で獲得した銀メダル以上の成績を目指す。

英国のサラ・ストーリーは、パラサイクリング・トラックレースの女子3000m個人パシュート(C5)での連覇を狙う。8大会で17個の金メダルを獲得しているストーリーは、パラリンピック史上最も多くのメダルを獲得している選手。パリ2024は彼女にとって9回目のパラリンピックとなる。

パラトライアスロン男子(PTWC)で2連覇しているイェツェ・プラット(オランダ)は、パリ2024で3度目の優勝を狙う。この種目には、日本から東京2020で6位となった木村潤平が出場する。また男子(PTS4)には東京2020銀メダルの宇田秀生、男子(PTVI)には東京2020銅メダルの米岡聡が登場する。日本からはさらに秦由加子が女子(PTS2)のレースに挑む。

9月2日の主な試合と注目選手

スタッド・ド・フランスでは、パラ陸上競技で数々の注目アクションが予定されている。ハンター・ウッドホール(米国)は、自身が出場する2種目のうち最初の種目である男子100m(T64)に出場する。リオ2016の男子200m(T44)で銀メダル、400m(T44)で銅メダルを獲得しているウッドホールは、オリンピック走幅跳の金メダリスト、タラ・デイビスの夫でもある。今回の大会では、彼自身が金メダル獲得に挑む。

またこの日は、車いすラグビーの最終日となり、メダルが決定する。連覇に挑む前回大会の覇者・英国に、元パラリンピック王者の米国とオーストラリアが王座奪還に向けて挑む、激しい戦いとなるだろう。ここに2大会連続銅メダルの日本代表がどうくらいつくのか、注目したい。

パリ2024パラリンピック競技スケジュール

パリ2024パラリンピックの競技スケジュールは Olympics.comでチェックしよう。

パリ2024パラリンピック、放送予定・ライブ配信情報

日本ではNHK、JCOMなどで、中継、ライブ・ハイライト・アーカイブ配信が予定されている。また、パラリンピックYouTubeチャンネル国際パラリンピック委員会ウェブサイトOlympics.comで配信される(一部見られない地域もある)。