日本政府は3月3日、車いすテニスで4つのパラリンピック金メダルを獲得し、1月に現役引退を発表した国枝慎吾さんに国民栄誉賞を授与すると発表した。パラスアスリートでは初の授与。表彰式は17日に行われる。
国枝さんへの国民栄誉賞授与は2月から政府内で検討。3日の閣議で正式決定が報告され、その後に行われた記者会見で松野博一官房長官が発表した。
松野官房長官は国民栄誉賞の授与について、下記のように語った。
岸田文雄内閣総理大臣は国枝慎吾氏に国民栄誉賞を贈り、表彰することを決定しました。国枝氏は日々の努力と厳しい修練の積み重ねにより、長く車いすテニス界の第一人者として活躍され、テニス大会最高峰の4大大会で史上最多の通算50勝、東京パラリンピックでの金メダルを含めた生涯ゴールデンスラムの達成など前人未到の快挙を成し遂げられ、パラスポーツの社会的認知度の拡大、スポーツの発展に極めて顕著な貢献をし、広く国民に夢と感動を、社会に明るい希望や勇気を与えました。この業績を称え、内閣総理大臣から国民栄誉賞を贈り、表彰するものであります
国枝さんはアテネ2004でパラリンピック初出場を果たし、シングルスでは北京2008とロンドン2012で金メダルを獲得。自国開催のTokyo2020では2大会ぶりに金メダルを獲得した。グランドスラムでは歴代最多通算50回優勝(男子シングルス28勝、男子ダブルス22勝)を誇り、2022年のウィンブルドン初優勝で生涯ゴールデンスラムを達成。2023年1月に現役引退を発表していた。
国民栄誉賞は「広く国民に敬愛され、社会に明るい希望を与えることに顕著な業績があったものについて、その栄誉を讃えることを目的とする」賞で、内閣総理大臣が表彰する。過去には日本オリンピック委員会(JOC)会長の山下泰裕さん、マラソンの髙橋尚子さん、レスリングの吉田沙保里さん、フィギュアスケートの羽生結弦さんといったオリンピックメダリストが授与されている。