加納虹輝、有言実行でフェンシング男子エペ個人を制覇!次は団体戦で2連覇・2冠へ!パリ2024
パリ2024オリンピックのフェンシング日本代表最初のメダリストで、日本勢史上初の個人種目金メダルを獲得した男子エペの加納虹輝(かのう・こうき)が熱戦から一夜明けた7月29日、TEAM JAPANのメダリスト会見に出席した。
「未だに僕自身実感を得られていませんが、ずっとパリオリンピック前から金メダルを獲得すると口には出してきたので、それを有言実行することができて、とても嬉しく思います」と歓びを表すと、「これで僕が思ったことは、自分が金メダルっていうのが半信半疑だったとしても、口に出すことで金メダルを獲得できるということが身に染みて感じることができました」と自己実現のための鍵について語った。
10歳の時、北京2008オリンピックで太田雄貴が男子フルーレ個人で日本初の銀メダルを獲得したフェンシング競技をテレビで見た加納は、感動し、そのカッコよさに惹かれてフェンシングを始めた。もともとは体操選手としてオリンピックを目指していたが、度重なる怪我もあり、この北京大会をきっかけに競技を転向。16年間の競技キャリアを経て、ヨーロッパを本場とするフェンシングで、開催国のフランス代表選手を破り、個人種目の頂点に輝いた。
現地時間7月28日22時15分から、その日のフェンシング競技最後の試合として開催された男子エペ決勝。リオ2016エペ男子団体金メダルで2019年世界王者のヤニク・ボレル(フランス)と加納が会場に入場すると、大歓声が迎え入れた。「あそこまでの歓声の試合っていうのは僕自身はじめてだった」と、その盛り上がりに驚きをみせるも、加納は「あまり歓声とかに気を紛らわされずに自分自身集中して試合することができた」と振り返る。
3回戦で 見延和靖(みのべ・かずやす)、準々決勝で山田優(まさる)を下し決勝に進出してきたボレル相手に、「やっぱり日本人が2人同じ選手に負けて、3人目が負けるわけにはいかないと。3人目が負けてしまったら、1人の選手に全滅させられるっていうことになるので、絶対に負けたくないっていう気持ちで戦っていました」とチームメイトの屈辱を果たすべく決勝に挑んだ。
加納は力強い剣さばきと、世界屈指のスピードを武器に、197cmという長身で長いリーチを持つボレルを相手に、圧巻の強さで3ピリオドすべてで終始リードし、15点を先取。男子エペ個人で念願の金メダルを勝ち取った。
「フェンシングの発祥の地、さらにはグラン・パレという素晴らしい会場で試合をできたこと自体が僕自身はすごく嬉しかったですし、決勝ピストに立つことができて、金メダルまで獲得することができた。もう本当にこれ以上にない幸せです」と喜びを噛み締めた。
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8,000人を収容するグラン・パレの会場で、完全にアウェーの雰囲気の中勝ち抜いた個人戦を終え、次に迎える8月2日(金)正午(日本時間19時)からの団体戦での意気込みを、加納はこう語る。「決勝まで行ったことで、あのグラン・パレの舞台でたくさん試合をしたので、あの場に慣れてるっていうのもありますし、昨日尻上がりで調子が上がってきていたので、このまま団体戦でも、慣れている上に調子が良い状態で臨めるんじゃないかなと思います」。
「展開にもよると思うんですが、前半は自分が攻めてポイントを沢山取りに行けるよう、そしてチームをリードさせられるように取り組んでいきたいと思っています。(個人戦後も)僕自身まったく気は抜けていませんし、団体戦では東京オリンピックに続きパリオリンピックでも金メダル獲得できるよう、これから準備していく」と力強く語った。
有観客でのパリの舞台で、見延、山田、古俣聖と共に、今度は4人で盛大なセレブレーションを迎えることができるか。加納の今大会での2冠達成と団体での連覇に期待が高まる。
加納虹輝(かのう・こうき)