【サッカー】ブンデスリーガ(ドイツ)でプレーする日本人選手は?2023/24シーズン、歴代の所属選手を紹介

奥寺康彦氏が1.FCケルンに加入した1977年以降、日本となじみが深いドイツ・ブンデスリーガ。今季も数多くの日本人選手がプレーする。

1 執筆者 オリンピックチャンネル編集部
DOAN Ritsu
(Getty Images)

ドイツ男子サッカー国内リーグ・ブンデスリーガ(Bundesliga)には、数多くの日本人選手が所属している。全18チームがホーム&アウェイの総当たり2回戦を行い、順位を競う。下位2チームは2部(2. Bundesliga)に降格。16位のチームは2部3位のチームと入れ替え戦を行う。

■ブンデスリーガ1部でプレーする注目の日本人選手(2023/24)

長谷部誠(アイントラハト・フランクフルト)

シーズン開幕時点で39歳、ブンデスリーガ通算376試合出場を誇るレジェンド。一時は昨シーズン限りで現役引退という報道もなされていたが、今シーズンもフランクフルトでプレーを続ける決断をした。クラブとは2027年まで契約を結んでおり、現役引退後は指導者としてクラブに残ることが既定路線。昨シーズンもチャンピオンズリーグやDFBポカール決勝にも出場しており、今シーズンもまだまだ元気なプレーが見られそうだ。

堂安律(SCフライブルク)

Tokyo2020日本代表。昨シーズンにオランダ1部のPSVアイントホーフェンからフライブルクに完全移籍し、すぐにレギュラーの座を確保。33試合に出場し5ゴール6アシストを記録した。昨シーズンは日本代表としてカタールW杯にも出場し、2得点を挙げた。2026年の北中米W杯を目指す新生日本代表の中で、10番にも指名されている。

奥川雅也(FCアウクスブルク)

昨シーズンはドイツ2部のアルミニア・ビーレフェルトでプレー。チームは3部降格の憂き目にあったものの、奥川自身はリーグ戦30試合に出場し、5得点10アシストと結果を残した。シーズン終了後、FCアウクスブルクに引き抜かれる形で個人昇格。今シーズンが加入1年目となる。主に両サイドのウイングや攻撃的なミッドフィールダーとしてプレーする。

板倉滉(ボルシア・メンヘングラードバッハ)

Tokyo2020日本代表。マンチェスター・シティFCからレンタル移籍でさまざまなクラブを渡り歩いたが、昨シーズンに完全移籍でボルシア・メンヘングラードバッハへ。負傷や出場停止による戦線離脱もあったが、主力としてリーグ戦24試合に出場してさらに評価を高めた。日本代表としてもカタールW杯で3試合に出場し、中心選手としての地位を築いている。今夏はイタリア移籍の報道も出たが、残留が濃厚とされる。

伊藤洋輝(VfBシュツットガルト)

2021/22シーズン途中にジュビロ磐田からVfBシュトゥットガルトへ期限付き移籍し、その後完全移籍。主に3バックの左、4バックのセンターバックで定位置をつかんだ。昨シーズンはリーグ30試合に出場して1ゴール。日本代表では左サイドバックとしてもプレー。カタールW杯では1試合に出場した。

原口元気(VfBシュツットガルト)

昨シーズン途中、冬の移籍市場でウニオン・ベルリンからVfBシュトゥットガルトに加入した。移籍直後は主にインサイドハーフの定位置をつかんだものの、徐々に出場機会を減らしていく。シーズン最後の入れ替えプレーオフも2試合とも出番はなかった。昨シーズンはリーグ戦で両クラブ通算22試合に出場、無得点で1年を終えた。

浅野拓磨(VfLボーフム)

リオデジャネイロ2016日本代表。パルチザン・ベオグラード(セルビア1部)を経て、2021/22シーズンからボーフムに所属。2年目となる昨シーズンは25試合に出場し、3ゴールをマークした。特に残留が懸かる最終節では1ゴール1アシストの大活躍で勝利に貢献。カタールW杯でもドイツ代表から決勝ゴールを挙げた。

遠藤航(VfBシュツットガルト)※リバプールFC(イングランド)に移籍[8月18日]

リオデジャネイロ2016日本代表。カタールW杯後、2023年に吉田麻也の後を継ぐ形で日本代表のキャプテンに就任した。2019/20シーズンからシュツットガルトに所属し、クラブでも主将のアームバンドを巻く。昨シーズンは33試合に出場し、キャリアハイとなる5ゴール5アシストを記録。攻撃面でも存在感を強めている。

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■ブンデスリーガ1部でプレーする注目の日本人選手(2022/23)

鎌田大地(アイントラハト・フランクフルト)

2015年にサガン鳥栖でデビューした鎌田大地は、2017年夏までにJ1通算65試合出場17得点の活躍を見せ、フランクフルトへ移籍する。しかしフランクフルト1年目は苦戦。2018-19シーズンはシント=トロイデンVV(ベルギー1部)へ期限付き移籍する。ここで二桁得点を記録。ポテンシャルを示したことで、フランクフルトに復帰してレギュラーを獲得。昨季はクラブのUEFA(欧州サッカー連盟)ヨーロッパリーグ制覇に貢献した。カタールW杯日本代表メンバー。

長谷部誠(アイントラハト・フランクフルト)

2008年1月に浦和レッズからVfLボルフスブルクへ移籍。2季目にはブンデスリーガ優勝を経験する。その後、1.FCニュルンベルクを経て2014年にフランクフルトへ移籍。日本代表では“不動のボランチ”だったが、ドイツでは主にリベロを任されつつ、サイドバックやサイドハーフでもプレーなど、ポリバレントな才能が評価されている。また強烈なキャプテンシーでチームをけん引する。

吉田麻也(シャルケ04)

日本代表の主将。オリンピックは3大会(北京2008、ロンドン2012、Tokyo2020)に出場している。2010年に名古屋グランパスからVVVフェンロー(当時オランダ1部)に移籍。その後、サウサンプトンFC(イングランド1部)、UCサンプドリア(イタリア1部)を経て、今季からドイツでプレーする。経験も能力も問題なし。カタールW杯日本代表メンバー。

上月壮一郎(シャルケ04)

京都サンガF.C.の育成組織出身。2019年にトップチーム昇格を果たす。2022年に当時ドイツ5部の1.FCデューレンへ移籍すると昇格に貢献。シャルケ04 II(4部)を経て2022年12月にトップチームへ昇格すると、デビュー2戦目で初ゴール。出場機会を増やしている。

板倉滉(ボルシア・メンヘングラードバッハ)

Tokyo2020日本代表。川崎フロンターレの育成組織出身ながら、2018年に期限付き移籍したベガルタ仙台で才能を開花させる。2019年1月にマンチェスター・シティFC(イングランド1部)へ完全移籍。しかしマンチェスターCで出場することなく期限付き移籍でFCフローニンゲン(オランダ1部)へ。昨季はシャルケ(当時2部)でプレーする。シャルケでの活躍が認められ、ボルシアMGが完全移籍で獲得した。カタールW杯日本代表メンバー。

堂安律(SCフライブルク)

Tokyo2020日本代表。ガンバ大阪の育成組織からトップチームに昇格すると、16歳で公式戦デビュー。2017年夏からフローニンゲンでプレーすると、2019ー20シーズンからはPSVアイントホーフェン(オランダ1部)に移籍する。2020-21シーズンはアルミニア・ビーレフェルト(当時1部)に期限付き移籍。今季、フライブルクに完全移籍した。カタールW杯で2得点。

遠藤航(VfBシュツットガルト)

リオデジャネイロ2016日本代表。Tokyo2020にもオーバーエイジ枠で出場した。湘南ベルマーレ、浦和レッズを経て、2018年夏にシント=トロイデンへ移籍する。2019-20シーズンからシュツットガルトでプレー。178センチ、76キロながら、190センチや90キロを超える選手がいる中でデュエルの強さを発揮している。カタールW杯日本代表メンバー。

伊藤洋輝(VfBシュツットガルト)

ジュビロ磐田の育成組織出身で、2018年にJリーグ初出場を果たす。名古屋グランパスへの期限付き移籍を経て、J2に降格していた磐田でレギュラーの座を獲得。2021シーズン途中にVfBシュトゥットガルトへ期限付き移籍となり、その後完全移籍となる。カタールW杯では日本代表に選出され、1試合に出場した。

原口元気(VfBシュツットガルト)

浦和の育成組織出身で、2009年にトップチーム昇格。2011年には日本代表デビューを果たす。ロンドン2012日本代表入りを逃すも、2014年夏にヘルタBSCへ移籍。フォルトゥナ・デュッセルドルフ(2部)、ハノーファー96(1部→2部)を経て、昨季よりウニオン・ベルリンに所属。2022-23シーズン冬の移籍市場でVfBシュトゥットガルトに加入する。

浅野拓磨(VfLボーフム)

リオデジャネイロ2016日本代表。サンフレッチェ広島で頭角を現すと、2016年夏にアーセナルFC(イングランド1部)に移籍。しかしアーセナルでのプレーはなく、期限付き移籍でシュツットガルト、ハノーファーと渡り歩く。2019年からはパルチザン・ベオグラード(セルビア1部)所属。攻撃の中心選手となるが、さまざまなトラブルから退団。2021-22シーズンからボーフムに所属する。カタールW杯1得点。

水多海斗(FSVマインツ)

2019年に前橋育英高校を卒業すると、当時ドイツ5部のSVシュトラーレンに加入。2021年にマインツⅡ(4部)へ移籍すると、トップチーム複数名に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が確認された影響で、1部ブンデスリーガでベンチ入りを果たす。

■ブンデスリーガ2部でプレーする日本人選手(2022/23)

田中碧(フォルトゥナ・デュッセルドルフ)

川崎Fの育成組織出身でTokyo2020日本代表。カタールW杯アジア最終予選の天王山・オーストラリア代表戦で初先発初得点を記録するなど、最も注目されている選手に挙げられる。昨季から2部のデュッセルドルフに所属。主力の1人となっている。カタールW杯1得点。デュッセルドルフには、内野貴史やアペルカンプ真大も所属。

室屋成(ハノーファー96)

リオデジャネイロ2016日本代表。明治大学からFC東京を経て、2020年夏にハノーファーへと完全移籍を果たす。

このほか、アルミニア・ビーレフェルトに奥川雅也、1.FCマクデブルクに伊藤達哉、アイントラハト・ブラウンシュバイクに遠藤渓太が所属している。

■ドイツでプレーした日本人選手

“海外組”の草分けとされる奥寺康彦氏がケルンと契約したのは1977年のこと。その後ドイツでは1980年代に尾崎加寿夫氏、風間八宏氏がプレーするも、多くの日本人選手がドイツで活躍するキッカケとなったのは、2002年からハンブルガーSVでプレーした高原直泰(現・沖縄SV/九州)の活躍だ。高原は2006年からアイントラハト・フランクフルトに移籍。ブンデスリーガ通算100試合以上に出場している。

フランクフルトは2007年にガラタサライ(トルコ)から稲本潤一(現・南葛SC/関東1部)を獲得。同時期にボーフムでは、小野伸二(現・北海道コンサドーレ札幌)がプレーしている。現在フランクフルトの長谷部誠がボルフスブルクと契約したのも2007年。翌年には2021シーズン限りで現役引退を引退したJリーグ歴代得点王の大久保嘉人氏もボルフスブルクへ。

その後、日本代表で活躍した槙野智章氏や香川真司(現・セレッソ大阪)、内田篤人氏、乾貴士(現・清水エスパルス)、岡崎慎司(シントトロイデンVV)、酒井宏樹(現・浦和レッズ)、清武弘嗣(現・セレッソ大阪)、大迫勇也、山口蛍(ともに現・神戸)ほか、多くの日本人がドイツでプレーしている。

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