【サッカー】海外日本人選手、イングランド・プレミアリーグでプレーするのは?2023/24シーズン、歴代の所属選手を紹介

サッカーの母国・イングランドでプレーする日本人選手を紹介。2022/23シーズンは三笘薫が旋風を起こしたが、今季も活躍なるか。

1 執筆者 オリンピックチャンネル編集部
MITOMA Kaoru
(Getty Images)

プレミアリーグ(Premier League)は、サッカーの母国・イングランドにおける男子サッカーの最上位リーグとなっている。20クラブがホーム&アウェイの2回戦総当たりを行い、順位を決定。優勝争いはもちろん、欧州リーグ戦進出を懸けた上位争い、2部相当へ降格となる下位3チームになることを避ける残留争いも熾烈だ。

■イングランド・プレミアリーグでプレーする日本人選手(2023/24)

遠藤 航(リバプールFC)

神奈川県出身、1993年2月9日生まれの遠藤は湘南ベルマーレの育成組織に所属し、2010年にJリーグデビューを果たす。2016年に湘南から浦和レッズに移籍すると、2018年8月からはシント=トロイデンVV(ベルギー1部)でプレー。翌シーズンからVfBシュツットガルト(ドイツ)に加入する。日本代表としてはリオデジャネイロ2016、FIFAワールドカップ2大会(ロシア2018、カタール2022)に出場。今季開幕後の現地時間8月18日、完全移籍でリバプールに加入することが発表された。背番号は「3」。

三笘 薫(ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFC)

イングランド南東部イースト・サセックス州ブライトン・アンド・ホーヴをホームタウンとするクラブに所属する三笘薫。川崎フロンターレの育成組織出身で、筑波大学を経て2020年に川崎Fでプロデビュー。Tokyo2020に出場後、ブライトンへ完全移籍した。

欧州1年目は、ベルギー1部のロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズに期限付き移籍。昨季ブライトンに復帰するとリーグ戦33試合に出場して7得点6アシストを記録。1901年創設のクラブ史上初となる欧州カップ戦・UEFAヨーロッパリーグ出場権獲得に貢献した。

日本代表として出場したFIFAワールドカップカタール2023における“1ミリ”は、あまりにも有名。

冨安 健洋(アーセナルFC)

アビスパ福岡の育成組織出身。高校2年生で2種登録となり、2015年の天皇杯で公式戦デビューを果たす。翌年トップチーム昇格すると、明治安田生命J1リーグに出場。その後は2018年1月にシント=トロイデンVV(ベルギー)、2019年7月にボローニャFC(イタリア)と、ステップアップしていく。
Tokyo2020出場後、ロンドンを本拠地とする名門・アーセナルに移籍した。昨季は負傷の影響もあり、リーグ戦21試合の出場にとどまった。

2部に所属する日本人選手

イングランド国内リーグのレベルは非常に高く、2部相当のEFLチャンピオンシップにも各国代表クラスの選手がそろう。カタールW杯メンバー選出(負傷により辞退)の中山雄太がハダースフィールド・タウン、Tokyo2020出場の三好康児がバーミンガム・シティ、坂元達裕がコベントリー・シティに所属している。

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■イングランド・プレミアリーグでプレーする日本人選手(2022/23)

サッカーの母国・イングランドの男子サッカー最上位リーグ「プレミアリーグ」は、国内リーグの再編成により1992年に創設。20チームがホーム&アウェイの総当たり2回戦を行い、最も多くの勝点を挙げたチームが優勝。下位3チームが2部相当のEFL(イングリッシュ・フットボールリーグ)チャンピオンシップに降格する。2022-23シーズンにプレミアリーグでプレーする日本人選手は2人。ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFC所属の三笘薫とアーセナルの冨安健洋だ。

三笘薫(ブライトン)

三笘は2020年J1の川崎フロンターレでプロデビュー。チームを優勝に導く活躍を見せると、2021年にはTokyo2020にも出場した。オリンピック直後にブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFCへ完全移籍。2021-22シーズンはベルギー1部のロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズへ期限付き移籍でプレーした。2022-23シーズンはブライトンへ復帰が決まっている。日本代表・SAMURAI BLUEでも、チームをW杯出場に導くゴールを決めた三笘。世界最高峰のプレミアリーグでのプレーが楽しみだ。

冨安健洋(アーセナル)

2016年にアビスパ福岡でJリーグ初出場。2018年1月にシント=トロイデンVV(ベルギー)に移籍すると、2019年7月にはイタリア・セリエAのボローニャへ移籍。Tokyo2020にも出場する。そして2021年9月にはアーセナルへ移籍し、現地時間9月11日のノーウィッチ・シティ戦でプレミアリーグデビューを飾った。今シーズンはアーセナル所属2シーズン目。守備陣の中心選手として活躍が期待される。

■過去にプレミアリーグでプレーした日本人選手

これまでイングランド・プレミアリーグでプレーした日本人は、現在リバプールに所属する南野拓実、アーセナルに所属する冨安健洋を含めて10名となっている。ここでは過去に所属した8選手を、プレミアリーグデビュー順に紹介する。【敬称略】

稲本潤一(2002年/フラム)

当時のJリーグ最年少ゴール(17歳7カ月1日、現史上3位)を更新するなど、10代から注目されていた稲本はシドニー五輪に出場後、2001年にガンバ大阪からアーセン・ベンゲル監督率いるアーセナルへ移籍。アーセナル所属選手として2002FIFAワールドカップ日本・韓国大会に出場し、ロシア代表戦では決勝ゴールを決めるなど、日本のW杯初勝利に貢献した。稲本はW杯後の2002-03シーズンにフラムへ移籍し、同年にプレミアリーグ出場を果たした。その後、ウェスト・ブロムウィッチ・アルビオン(イングランド)、カーディフ・シティ(ウェールズ)、ガラタサライ(トルコ)、フランクフルト(ドイツ)、スタッド・レンヌ(フランス)を経てJリーグに復帰。現在は南葛SCに所属している。

戸田和幸(2003年/トットナム)

1996年に清水エスパルスでJリーグデビュー。日韓W杯の日本代表メンバーとして活躍後、トットナムへ移籍。2003年にプレミアリーグ初出場を果たした。その後、ADOデンハーグ(オランダ)などを経てJリーグに復帰する。FC町田ゼルビアとの契約満了後、2013年にシンガポールリーグのウォーリアーズFCへ移籍。同年に現役を引退している。

中田英寿(2005年/ボルトン)

1995年にベルマーレ平塚(現・湘南)でJリーグデビュー。日本代表としてフランスW杯に出場後、イタリア・セリエAのペルージャへ移籍。その後、イタリアのASローマ、パルマ、ボローニャ、フィオレンティーナを経て、2005年にボルトンへ移籍。同年にプレミアリーグデビューを飾った。シドニー五輪、日韓W杯、ドイツW杯に出場するなど、日本サッカー界をけん引してきたが、ドイツW杯を最後に現役を引退した。

ボルトンには中田よりも前、西澤明訓(2001年)が所属していたものの、カップ戦のみの出場で、リーグ戦には出場していない。

宮市 亮(2012年/ボルトン)

中京大附属中京高からJリーグを経ずにアーセナルへ移籍。その後、フェイエノールト(オランダ)への期限付き移籍を経て、2012年にボルトンでプレミアリーグデビューを果たす。その後、イングランドのアーセナルやウィガン・アスレティックでプレーした後、FCトゥエンテ(オランダ)、FCザンクトパウリ(ドイツ)を経て、2021シーズン途中から横浜F・マリノスに加入する。

香川真司(2012年/マンチェスター・ユナイテッド)

2007年にセレッソ大阪でJリーグデビュー。2008年には北京五輪に出場した。2010-2011シーズンにボルシア・ドルトムント(ドイツ)へ移籍し、2012-2013シーズンからマンチェスター・ユナイテッドに所属。プレミアリーグ出場を果たす。マンチェスター・Uで2シーズンを過ごした後、ドルトムントを復帰。ベシクタシュ(トルコ)、サラゴサ(スペイン)、PAOKテッサロニキ(ギリシャ)を経て、現在はシント=トロイデンVVに所属している。

吉田麻也(2012年/サウサンプトン)

2007年に名古屋グランパスでJリーグデビューを果たし、2008年には北京五輪に出場。2009-2010シーズンからVVVフェンロ(オランダ)へ移籍し、2012-2013シーズンからサウサンプトンに所属。マンチェスター・U所属の香川真司と、プレミアリーグにおける日本人初対決を実現した。2020年にサンプドリア(イタリア)、2022-2023シーズンからシャルケ(ドイツ)に所属。ブラジルW杯、ロシアW杯のほか、オーバーエイジ枠としてロンドン2012、Tokyo2020に出場している。

岡崎慎司(2015年/レスター)

2005年に清水でJリーグデビュー。2011年からVfBシュツットガルト(ドイツ)に所属し、1.FSVマインツ05(ドイツ)を経て、2015-2016シーズンからレスター・シティ(イングランド)に移籍。プレミアリーグ出場を果たすとともに、プレミアリーグ優勝を経験した。その後、2019年にマラガ(スペイン)に短期間在籍したあとにSDウエスカ(スペイン)へ移籍。昨シーズンはFCカルタヘナ(スペイン)でプレーした。

武藤嘉紀(2018年/ニューカッスル)

2013年にFC東京でJリーグデビューを果たすと、2015-2016シーズンからマインツに移籍。2018-2019シーズンからはニューカッスル・ユナイテッドに所属してプレミアリーグ出場を果たす。その後、SDエイバル(スペイン)への期限付き移籍を経て、2021シーズン途中からヴィッセル神戸でJリーグ復帰を果たす。

南野拓実(2020-2022年/リバプール、サウサンプトン)

2012年にセレッソ大阪でJリーグ初出場を果たした南野は、2015年1月にFCレッドブル・ザルツブルク(オーストリア)へ移籍。ザルツブルク所属選手としてリオデジャネイロ五輪に出場した。ロシアW杯の日本代表メンバーには選出されなかったものの、森保一監督の下、日本代表の「背番号10」として活躍している。2021年2月からシーズン終了までサウサンプトンに期限付き移籍したが、2021-22シーズンはリバプールに所属。リーグ戦では出場機会に恵まれなかったが、カップ戦では活躍。カラバオ・カップでは5試合出場4得点1アシスト、FAカップでは4試合出場3得点と結果を残し、チームの国内カップ戦2冠に貢献した。

2022-23シーズンからはフランス1部、リーグ・アンのASモナコでプレーする。

■イングランド・プレミアリーグのクラブに所属した日本代表

リーグ戦未出場ながら、イングランド・プレミアリーグのクラブに所属した日本代表選手は少なくない。ボルトンに所属した西澤明訓氏ほか、川口能活氏(ポーツマス)、李忠成(サウサンプトン/現アルビレックス新潟シンガポール)、浅野拓磨(アーセナル/現ドイツ・VfLボーフム)といった名前が挙げられる。阿部勇樹氏はレスターで出場しているものの、当時はチャンピオンシップ所属。井手口陽介(現スコットランド・セルティック)が所属したリーズ・ユナイテッド、林彰洋(現FC東京)が所属したプリマス・アーガイルFCもチャンピオンシップだった。

最近ではJリーグから、板倉滉(現ドイツ・シャルケ)と食野亮太郎(現ガンバ大阪)がマンチェスター・シティへ移籍したものの、プレミアリーグ出場は果たせていない。

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