藤田譲瑠チマ、細谷真大…パリ2024サッカー男子日本代表の注目選手
久保建英や吉田麻也など日本代表の選手たちがピッチに座り込んで敗戦を悔しがる姿が多くの人の心を揺さぶった、あの3位決定戦から3年。パリ2024オリンピックのサッカー競技が、7月24日にいよいよ始まる。
男子日本代表は東京2020の3位決定戦でメキシコ代表に敗れて4位。7月26日に開会式が予定されているパリオリンピックで、男子日本代表はメキシコシティ1968(銅メダル)以来となる56年ぶりのメダル獲得に期待が寄せられる。
23歳以下で構成される若き代表選手たちにとっては、オリンピックでの勝利はもちろんのこと、大会で活躍し、その先にA代表での選出を目指す選手も少なくない。ここでは、大岩剛(ごう)監督の下、パリに向かうU23サッカー日本代表の注目選手を紹介しよう。
パリ2024サッカー男子日本代表、カギを握るのは? 注目選手
オリンピックのサッカー男子は2001年1月1日以降に生まれた選手に加え、オーバーエイジ枠としてそれ以前に生まれた選手を3人まで選出することができる。しかし、大岩ジャパンはオーバーエイジ枠を使用せず、23歳以下の選手のみでピッチに立つ。
藤田譲瑠チマ
- ポジション:ミッドフィルダー
- 所属:シントトロイデンVV/ベルギー
- 生年月日:2002年2月16日
オリンピック・アジア予選を兼ねてカタールで行われたU23アジアカップでキャプテンを務め、精神的支柱としてチームを4大会ぶり2度目の優勝に導いた藤田譲瑠(ジョエル)チマ。ナイジェリア人の父と日本人の母のもとに生まれた藤田は、昨年横浜マリノスからベルギー1部のシントトロイデンに移籍。大岩監督からの信頼も厚く、アジアカップではMVP(最優秀選手)にも選出されるなど、評価を上げている。
ボール奪取はもちろんのこと、巧みなパスワークにも定評があるミッドフィルダーの藤田は、攻守にわたってチームに安定感をもたらしており、「オリンピックで優勝するために最大限の力を発揮する」(FIFAのインタビューより)ことを誓う。パリではチームを牽引する活躍が期待される。
細谷真大
- ポジション:フォワード
- 所属:柏レイソル
- 生年月日:2001年9月7日
パリ世代のエースストライカーとしてチームを率いるのが、A代表のアジアカップにも招集された細谷真大(まお)。柏レイソルの下部組織を経て2020年にトップチームへ昇格し、翌シーズンにレギュラーに定着。2022年にはJリーグのベストヤングプレーヤー賞を受賞した。
スピードを生かしたドリブル、フィジカルの強さを持ち味として前線で体を張る細谷は、今シーズンJリーグや代表戦で無得点が続いたものの、オリンピック出場がかかったU23アジアカップの準々決勝のカタール代表戦では、2-2で迎えた延長前半11分に勝ち越し点をあげた。準決勝のイラク戦でも先制点をあげるなど重要な場面でしっかりと決め切る力を見せており、パリでも頼もしい存在となるだろう。
関根大輝
- ポジション:ディフェンダー
- 所属:柏レイソル
- 生年月日:2002年8月11日
細谷と同じ柏レイソルに所属する関根大輝(ひろき)は、U23アジアカップで一気に存在感を増したディフェンダーのひとりだ。右サイドバックでプレーする関根は、同大会では6試合中、決勝を含む5試合で先発出場し、中でも初戦の中国戦では先制ゴールの起点を作るなど、チームに貢献した。
2023年のアジア競技大会・決勝の大韓民国代表との一戦で課題を認識した関根は、大学4年のときに1年前倒しで柏レイソルに加入。2024年にプロ生活をスタートさせた。
多彩なクロススピードを生かした攻撃力、長身を生かした守備力などを強みとする関根は、U23アジアカップ前には、ヘアスタイルを金髪にし、「(オリンピックで)一番良い色のメダルを取って帰ってくるというところで金髪に変えた」(テレ朝newsより)とはにかみながら告白。オリンピックでの活躍の先に、A代表入りを見据える。
小久保玲央ブライアン
- ポジション:ゴールキーパー
- 所属:シントトロイデンVV/ベルギー
- 生年月日: 2001年1月23日
サッカー日本代表の次世代の守護神として大きな期待を寄せられているのが、ナイジェリア人の父と日本人の母のもとに生まれた小久保玲央ブライアン。柏レイソルの下部組織から、2019年にポルトガル1部のベンフィカのU23チームに加入し、その後トップチームでプレー。今年7月にはシントトロイデンVV/ベルギーへの加入が発表された。
オリンピック・アジア最終予選を兼ねたU23アジアカップで、小久保は正ゴールキーパーとして活躍。決勝・ウズベキスタン戦後半のアディショナルタイムに訪れた土壇場のPKを見事にセーブし、日本代表の優勝に大きく貢献した。
競技面だけでなく、U23日本代表のムードメーカーとしてもチームを支える小久保は、パリでもチームの連帯感を高め勝利を導くことが期待される。
斉藤光毅
- ポジション:フォワード
- 所属:スパルタ・ロッテルダム/オランダ
- 生年月日:2001年8月10日
背番号10を背負うのがヨーロッパで活躍する斉藤光毅。横浜FCの下部組織で自らを磨き、高校生だった2018年には16歳11ヶ月11日でクラブ史上最年少でデビューを飾った。同じ試合では、カズ(三浦知良)が当時の最年長記録を更新し、ふたりが2トップを形成するシーンも見られ「35歳差2トップ」が大きく取り上げられた。
その3年後にはベルギー2部のロンメルに移籍。翌シーズンにはオランダ1部のスパルタに期限付きで加入。同じくオリンピック代表に選ばれているミッドフィルダーの三戸舜介と共にチームに貢献する。
オリンピックについて「日本にとっても自分にとっても大きな大会にしたい」(JFATVのTeam Camより)と語る斉藤は、ヨーロッパで磨いてきた攻撃力で大岩ジャパンを盛り上げることだろう。
パリ2024サッカー男子日本代表選手一覧
パリ2024でプレーするU23日本代表の選手一覧はこちらから確認できる。
パリ2024 サッカー男子グループステージ、日本代表の試合日程
グループDで予選を戦う男子日本代表は、7月24日にパラグアイ代表との1戦で初戦を迎え、27日にマリ代表、30日にイスラエル代表と対戦し、グループ上位2チームに入って決勝トーナメントを目指す。サッカーの全日程はこちら。
7月24日(水)
- 19:00(日本時間翌2:00)日本 vs パラグアイ(スタッド・ド・ボルドー)
7月27日(土)
- 21:00(日本時間翌4:00)日本 vs マリ(スタッド・ド・ボルドー)
7月30日(火)
- 21:00(日本時間翌4:00)イスラエル vs 日本(スタッド・ドゥ・ラ・ボージョワール)