**都筑有夢路は、千葉県一宮町の釣ヶ崎海岸で行われたオリンピック初戦ラウンド1で少しつまずいたものの、ラウンド2はウェーブ1で6.00、ウェーブ2で5.60の合計11.60を獲得し、ビアンカ・ベイテンダグ(南アフリカ)や日本のチームメイトの前田マヒナ**を抑えた。
ジュニア世界チャンピオンであり、WSLツアーに参加した初の日本人女性サーファーである都筑有夢路は、ワールドゲームズを通じて東京2020オリンピックへの出場権を手に入れた。東京オリンピックを前に、Olympics.comは都筑にインタビューを行い、サーフィンとの出会いや彼女に与えた影響などを聞いた。
都筑有夢路:遅かったサーフィンデビュー
Olympics.com (Oly): サーフィンを始めたのはいつ頃ですか?
都筑有夢路(以下、都筑):生まれたのは埼玉県なんですけど、3 歳ぐらいのときに藤沢に引っ越してきて。そこからクラシックバレエを4年生くらいまでやっていていました。サーフィンを始めたのはその後で、5 年生ぐらい。遅かったんですよ。
Oly: 10歳くらいで始めたんですね。
都筑:そうですね。何か一生懸命に頑張れることをしたかったんです。身近にあったのがサーフィンでした。当時、お兄ちゃんとお父さんがサーフィンをやっていて、その影響で自然とフォーカスしていった感じです。
弟もサーフィンをするんですけど、そこまで本気ではなく遊び程度にやってますね。お父さんが毎回、練習をビデオで撮影してくれています。
自然と触れ合う、それがサーフィンの魅力
Oly: サーフィンと他のスポーツの違いは、どんなところだと思いますか?
都筑:自然と触れ合うところが一番違うと思います。それが好きなポイントでもあります。同じ波が来ることはないので、それが他のスポーツと違って難しいところだと思います。
Oly: 子供の頃から海や山、自然と触れ合うのが好きだったのですか?
都筑:幼い頃から水で遊ぶのがすごく好きで、よく海でも遊んでいました。水と触れ合えるスポーツに一生懸命打ち込むことができて、今すごく嬉しいです。
都筑有夢路の日常
Oly: 朝起きてから夜寝るまで、普段どんなスケジュールで過ごすのか、教えていただけますか?
都筑:いつもは朝6時頃に起きて、7時ぐらいから海に入って、2時間くらい練習。お昼ご飯の後、3、4時間練習して、夜ご飯の前にランニングに行く感じです。
Oly: ウエイトや機械を使ったトレーニングもされるのですか?
都筑:マシーンを使うトレーニングはあまりしないですけど、3日に1回、フィジカルトレーナーと一緒に、サーフィンにつながる動きのトレーニングをしています。
オリンピックの記憶
Oly: オリンピックに関する思い出には、どんなものがありますか?
都筑:オリンピックの思い出といったら何だろう…。よく聞かれて、以前も答えたことがあるんですけど、北島康介選手の「チョー気持ちいい」というセリフが自分の中では印象に残っています。
当時はまだ小学生で、言葉ひとつがバズったことがすごく衝撃的で。学校でも流行って、みんなで「チョー気持ちいい」って言い合っていたのを今でも覚えています。そういう部分で、オリンピックの力ってすごいなと思います。言葉自体の影響とか、言葉の中にあるいろんな感情が、オリンピックがあったおかげで日本の人に届いたので、そういうところがすごいなと思います。
Oly: 有夢路さんをインスパイアしてくれる人はどんな人ですか?
都筑:応援してくれる人かな。他のトップ選手と触れ合ってきて、インスパイアされることもあるんですけど、やっぱり応援してくれている人のおかげで、自分の中の頑張ろうという気持ちが一番強くなります。家族もそうだし、スポンサーの人とか、いろんな人が本当に支えてくれて、応援してくれる一言一言が本当に心に刺さっています。
千葉・一宮で4年間練習
Oly: オリンピック競技会場となっている、釣ヶ崎海岸の波についてはどのくらいご存知ですか?
都筑:中学校までは、地元・藤沢の鵠沼海岸で練習していて、高校1年生から千葉の方で練習するようになりました。子供の頃から練習しているというわけではないですけど、4年間くらいは千葉・一宮で練習してきたので、ある程度のことはわかっています。
Oly: ということは、オリンピックでそれが有利になりそうですね。
都筑:そうですね。オリンピック会場でもたくさん練習をしてきたので、オリンピックまでの間に自分のメンタル面を整えていきたいと思います。自分の実力を発揮できれば、メダルも狙えると思っているので、あまり心配はしていません。あとは心の問題です。コントロールできるように頑張ります。
Oly: メンタル面に関してはどのような取り組みをされていますか?
都筑:初めてのオリンピックですし、大きい舞台なので、絶対緊張するなって自分でも思っています。なので、ひたすらオリンピックや見ている人たちをイメージしています。いつもの試合と全然違うんだろうなというイメージを持って、そこで自分のサーフィンをする、というイメージを繰り返しています。