クリケットとは? ルールや試合形式を紹介

ロサンゼルス2028オリンピック組織委員会が2028年の夏季オリンピックでの採用を提案したクリケット。競技のルールや試合形式などを紹介しよう。

1 執筆者 Olympics.com
Cricket at the London 2012 Opening Ceremony
(Stu Forster/Getty Images)

5年後に行われるロサンゼルス2028オリンピック(LA28)のプログラムに追加されようとしているクリケット。この競技は、LA28組織委員会が追加競技として提案した5競技のひとつで、10月にインドのムンバイで開催されるIOC総会での承認を待っている。追加競技の詳しい種目プログラムと出場枠数は今後最終決定される。

クリケットはパリ1900オリンピックで一度だけ実施され、当時は2イニング制(両チームが攻撃と守備を2回ずつ行う)が採用されたたが、LA28では「トゥエンティ20」のフォーマットが提案されている。

しかし、クリケット、特にトゥエンティ20(T20とも呼ばれる)とは一体どんな競技なのだろうか? T20クリケットのルールは? 選手の数は? 実施されている国際大会は? クリケットの国際大会の中でも特に「最短」とされるT20を中心に、クリケットについて見ていこう。

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T20の試合形式は? T20クリケットの試合時間は?

国際大会で行われているクリケット競技では、現在、3つの試合形式がある。 「テストクリケット」「ワンデイクリケット」そして「トゥエンティ20(T20)クリケット」。

テストクリケットでは、各チームが攻撃と守備を2回ずつ行う2イニング制で試合が実施されている。試合の長さは4~5日間におよび、競技は昼食とティータイムの休憩を含めて毎日7時間ほど続く。これはクリケットの試合の中でも最も長いフォーマットだ。

ワンデイクリケットでは、各チームが攻撃と守備を1回ずつ行う。雨の影響を受けない場合、国際大会における1回の投球数は50オーバー(300球)におよぶ。試合時間はおよそ8時間。

国際大会の中でも最短とされるT20も、1イニング制で行われる。雨の影響を受けなければ、1回の投球数は20オーバー(120球)で、試合時間はおよそ3時間。このフォーマットは2003年に初めて導入された。

T20クリケットのルールは? クリケットの1チームは何人?

各チームは、ウィケットキーパー(野球やソフトボールにおけるキャッチャー)1人を含む11人で構成される。ボウラー(投手)は最低5人必要で、1人でイニングの5分の1(雨天中止にならなければ、20オーバーのうち4オーバー)を超えるボウリング(投球)はできない。チームの11人全員がバッティングすることができる。

クリケットは野球と似たスポーツではあるものの、野球とは異なり、打席に立った選手はアウトになるまで「イン」のままである。試合はオーバー数によって制限されるため、打席に立つチャンスがない選手もいる。

ボールが競技境界を越えた場合を除き、2人のバッターがウィケット(ピッチの両端にある3柱門)間を走って往復し、ラン(得点)を獲得する。

20オーバー終了時、または10アウトとなると攻守が交替する。

T20クリケットの起源は?

クリケットは何百年も前からプレーされているスポーツで、最初の競技規則は1744年に制定された。それとは対照的にT20は比較的新しいフォーマットで、クリケット発祥の地・イングランドで誕生した。1990年代にはニュージーランドでも短縮版がプレーされていたが、イングランド・ウェールズクリケット協会(ECB)によって2003年にT20クリケットの公式ルールが制定された。

イングランド南西部ハンプシャーにあるローズボウルで、2003年6月17日にハンプシャー・ホークス対サセックス・シャークスのT20マッチが史上初めて行われ、クリケットは新たな歴史を歩み始めた。

最初のT20国際試合は、2004年8月にイングランド・ホヴで行われた女子イングランド代表チーム対ニュージーランド代表チームの一戦である。男子初の国際試合は、その半年後にオーストラリア代表対ニュージーランド代表の試合が行われた。

T20クリケットの国際的な強豪は?

アフガニスタン、オーストラリア、バングラデシュ、イングランド、インド、アイルランド、ニュージーランド、パキスタン、南アフリカ、スリランカ、ウェストインディーズ(西インド諸島)、ジンバブエが国際クリケット評議会のフルメンバー12国。

西インド諸島は複合代表チームであり、西インド諸島クリケット委員会の一部として12の異なる国内オリンピック委員会が代表を務めている。イングランドは英国オリンピック委員会の一部としてオリンピック競技に参加し、クリケット・アイルランドは英国オリンピック委員会とアイルランドオリンピック連盟の両方の地域をカバーしている。

T20世界ランキング上位20ヶ国(2023年9月8日現在)には、男子のナミビア、スコットランド(英国の一部)、アラブ首長国連邦、オランダ、ネパール、香港、カナダ、オマーン、女子のタイ、パプアニューギニア、スコットランド(英国の一部)、アラブ首長国連邦、オランダ、ナミビア、タンザニア、ウガンダ、ネパールが含まれる。

LA28では何チームがT20クリケットに出場する?

参加チーム数や予選大会の詳細など、大会のフォーマットは追って発表される。

他にT20クリケットの国際大会はある?

国際T20クリケットの世界トップのイベントは、ICC T20 ワールドカップとICC 女子 T20 ワールドカップで、現在2年に1度開催されている。

T20クリケットは、複合競技大会のコモンウェルスゲームズ、アジア競技大会、パシフィック競技大会、東南アジア競技大会、そして(2024年現在)アフリカ競技大会でも実施されている。

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