今季のバドミントン界で年間王者となるのは誰か? バンコクで開催されるBWFワールドツアーファイナル2022には世界最高峰のバドミントン選手40組(シングルスおよびダブルス)が集結し、その座を競う。
今年のツアーランキング(世界ランキングとは異なる)の上位8選手・ペアのみが参加して行われるこの大会は、グループステージを経て決勝トーナメントが行われるため、番狂わせも大いに考えられる。実際、過去5大会では予想外の王者が誕生した。
とはいえ、昨年の大会を制したビクトル・アクセルセン(デンマーク)やアン・セヨン(大韓民国)、保木卓朗&小林有吾ペア、デチャポン・プアバラヌクロ&サプシリー・タエラッタナチャイ組(タイ)が連覇を達成することも考えられる。2021年大会の女子ダブルスで優勝した大韓民国のペアは今大会に出場しない。
大会の見どころをチェックしよう!
バドミントン・ワールドツアーファイナルズ2022の日程と会場は?
2022年のバドミントン・ワールドツアーファイナルズはタイの首都バンコクにあるニミブットスタジアムで12月7日〜11日の日程で行われる。
バンコクでは2021年1月に2020年大会も実施されており、この2年以内で2度目の開催となる。ニミブットスタジアムは2012年から2018年の間、毎年タイオープンの会場となってきた。
今大会はもともと中華人民共和国の広州市で行われる予定だったが、新型コロナウイルス感染症拡大に関連し、開催都市が変更となった。
大会は12月7日(水)のグループステージから始まり、12月11日(日)の決勝で幕を閉じる。
バドミントン・ワールドツアーファイナルズ2022の出場選手と注目ポイント
男子シングルス
出場選手:ビクトル・アクセルセン(デンマーク)、チョウ・ティエンチェン(Chinese Taipei)、H. S. プラノイ(インド)、ジョナタン・クリスティ(インドネシア)、奈良岡功大(日本)、ルー・ガンズ(中華人民共和国)、アンソニー・シニスカ・ギンティング(インドネシア)、ケンユー・ロー(シンガポール)
世界選手権とオリンピックの両方で優勝したアクセルセンは、2021年にバリで開催された前回大会でも優勝し、今年もその圧倒的な強さを示すことが有力視されている。
アクセルセンは今年、ワールドツアー5勝を含む8大会で優勝するなど好調ぶりをのぞかせており、彼を倒すことは極めて難しいと言えるだろう。しかし、アクセルセンの背後には、世界ランキング3位のルー、4位のチョウ、5位のクリスティが控えている。彼らは今回の結果次第で、同2位のリー・ジジャ(マレーシア)を抜いて世界ランキングを上げる可能性があり、高いモチベーションで大会に挑むだろう。
さらに、21歳の奈良岡はベトナムオープンを制するなど、今年のツアーで目覚ましい活躍を見せている。
女子シングルス
出場選手:チェン・ユーフェイ(中華人民共和国)、タイ・ツーイン(Chinese Taipei)、ヘ・ビンジャオ(中華人民共和国)、アン・セヨン(大韓民国)、ラチャノック・インタノン(タイ)、ブサナン・オングブンルングパン(タイ)、山口茜(日本)、グレゴリア・マリスカ・トゥンジュン(インドネシア)
負傷中のインドのP.V.シンドゥは欠場するものの、女子シングルスでは出場するすべての選手がハイレベルの戦いを見せてくれるだろう。
世界ランキング2位のアン(大韓民国)は前回大会を制しているが、世界選手権で2連覇を達成した山口、元世界ランキング1位のタイ、オリンピック金メダルのチェンが彼女の前に立ちはだかる。チェンとタイは、それぞれ2019年と2020年のワールドツアーファイナルズの優勝経験者でもある。
ラチャノックとブサナンの両選手は最高のパフォーマンスで地元ファンの声援に応えることも予想される。
男子ダブルス
出場選手:ファジャル・アルフィアン&ムハマド・リアン・アルディアント(インドネシア)、モハマド・アッサン&ヘンドラ・セティアワン(インドネシア)、オン・ヨーシン&ティオ・エーイ(マレーシア)、リュウ・ユチェン&オウ・シュアンイ(中華人民共和国)、キム・アストルプ&アナススコールプ・ラスムセン(デンマーク)、保木卓朗&小林有吾(日本)、チェ・ソルギュ&キム・ワンホ(大韓民国)、アーロン・チア&ウーイック・ソー(マレーシア)
日本の保木&小林ペアは前回大会の覇者というだけでなく、世界ランキング1位の選手として大会に臨む。しかし、今年のツアーで大躍進を遂げたアルフィアン&アルディアントや、世界選手権で優勝したチア&ソーらも出場選手として名を連ねている。
ここに、アッサン&セティアワン、アストルプ&ラスムセンといったベテランペアが加わり、激しい戦いとなることが予想される。
女子ダブルス
出場選手:チョン・ナウン&キム・ハイジュン(大韓民国)、ツァン・シューシャン&ユー・ツェン(中華人民共和国)、ベニャパ・エイムサード&ヌンタカーン・エイムサード(タイ)、チェン・チンチェン&ジア・イーファン(中華人民共和国)、ジョンコルファン・キティタラクル&ラウィンダ・プラジョンジャイ(タイ)、フー・ヴィヴィアン&リム・チューシェン(マレーシア)、タン・パーリー&ティナア・ムラリタラン(マレーシア)、アプリヤニ・ラハユ&シティ・ファディア・シルバ・ラマダンティ(インドネシア)
バンコクで誰が優勝するのか、予想が最も難しい種目が女子ダブルスといえるだろう。世界ランキング2位の志田千陽&松山奈未ペアは怪我のため欠場し、前回大会を制したキム・ソヨン&コン・ヒヨン組は出場権を得ることができなかった。
これにより、出場選手の中で中華人民共和国のチェン&ジア組が世界ランキングでトップとなる。
一方、タイのエイムサード姉妹は地元ファンの声援を受けて、好成績を残す可能性も考えられる。
混合ダブルス
出場選手:ジェン・スーウェイ&ファン・ヤーチョン(中華人民共和国)、デチャポン・プアバラヌクロ&サプシリー・タエラッタナチャイ(タイ)、ワン・イルユ&ファン・ドンピン(中華人民共和国)、ゴー・スンファット&シェボン・ジェミー・ライ(マレーシア)、タン・キアン・メング&ライ・ペイジン(マレーシア)、リノフ・リファルディ&ピタハニンチャス・メンタリ(インドネシア)、トム・ジケル&デルフィーヌ・デルリュ(フランス)、スパック・ジョンコー& スピサラ・パエウサンプラン(タイ)
男子シングルスのアクセルセンのように、ワン&ファン組が今年の混合ダブルスを圧倒してきた。2022年のすべての大会で準決勝進出を果たし、2試合(ジャパン・オープン、全英オープン)を除いてを優勝した。
デチャポン&サプシリー組は地元開催という有利な立場にあるが、頂点に立つにはジェン&ファン組を倒さなければならない。
世界ランキング4位のワン&ファン組は、出場ペアの中でジェン&ファン組に次いで世界ランキングが高いペアとして戦いに挑む。ジェン&ファン組を倒すペアが現れるのだろうか。
バドミントン・ワールドツアーファイナルズ2022の日程
12月7日(水)
- グループステージ第1試合
12月8日(木)
- グループステージ第2試合
12月9日(金)
- グループステージ第3試合
- 決勝トーナメント抽選
12月10日(土)
- 準決勝
12月11日(日)
- 決勝